猫の寿命はどのくらい? 性別・種類別の平均寿命と長生きの秘訣も

近年の猫ブームで日本における猫の飼育頭数は1000万匹にまで増加しています。猫の成長スピードは早く、人間よりも早いスピードで年を取ります。あんなに小さい子猫だったのに、気付くと大人になり、シニアになり、私たちよりも先に天国に旅立ってしまいます。今回は、性別、種類別の猫の平均寿命や、長生きする秘訣などについて紹介します。

猫の平均寿命を統計で見る

一般社団法人ペットフード協会が2017年1月17日に発表した2016年の最新データによると、猫の平均寿命は15.04歳とされています。また、「家の外に出ない」完全室内飼いの猫の平均寿命は15.81歳、「家の外に出る」猫の平均寿命は13.26歳と寿命に大きな差がありました。

これは、外に出ることでの怪我や事故、病気の疾患(しっかん)率が影響していると言えます。オスの方がメスより長生きすると言われていますが、オスの方がメスよりも疾患率が高いことが理由と言えるかもしれません。また飼い主のいない猫(野良猫)の寿命は、3〜5歳と言われていましたが、最近は地域猫活動によって寿命が伸びているようです。

猫の寿命は年々伸びているって本当?

下のグラフは、ペットフード協会が発表している過去6年間の猫の平均寿命の推移です。

猫の平均寿命の推移グラフ
猫の平均寿命の推移(2011年〜2016年)

2011年のデータでは平均寿命は14.4歳でしたので、6年間で0.64歳も増加していることになります。このように、平均寿命が年々増加している要因は、

  • 飼い主の猫に対する健康意識が高まっていること
  • フードや医療が進歩していること

が挙げられます。

しかし、その一方で、前年の2015年からは0.71歳減少しています。この要因は定かではありませんが、仮説として以下のことが考えられます。

下のそれぞれのグラフは、犬と猫の年齢別のグラフ推移です。これを見ると、2014年と2016年の高齢期とされる10歳以上の割合が高くなっていることが分かります。この結果から平均寿命が減少した要因として、高齢猫の数が増えたことによって死亡する可能性を持つ猫が増えたことにより、全体的な平均寿命が自ずと減少したのだと推測されます。

犬の年齢別の割合推移グラフ
犬の年齢別の割合推移グラフ

猫の年齢別の割合推移グラフ
猫の年齢別の割合推移グラフ

薬の進化がさらに猫の寿命を伸ばす?

東レが今年1月23日、猫の死因のトップとされる慢性腎臓病の治療薬を開発し、農林水産省から承認を取得したと発表しました。腎機能低下を抑制する世界初の猫用の治療薬です。発売する「ラプロス」は錠剤タイプの薬で、1日2回経口投与し、腎臓病の進行を抑えます。東レがヒト向けに販売する血管拡張作用のある薬の有効成分を応用したとのことです。

実際に、ペトこと専門家ライターで腎・泌尿器科担当の宮川先生に聞いたところ、「初めての治療薬であり、さらなる腎臓病治療の発展が期待できると思います」とのことでした。

猫は犬よりも平均寿命が長い?

データを見ると、ペットの猫は犬よりも平均寿命が長いですが、猫の場合室内飼いが主であることが大きな要因だと言えます。外に出ることは、怪我を負ったり、病気を患ったりすることに繋がるためです。

猫の平均寿命を種類ごとに見る

海外の記事によるため、一概には言えませんが、猫の種類によって平均寿命が異なるようです。アビシニアンシンガプーラが9歳で最も寿命が短い可能性があり、バリニーズが20歳で最も寿命が長いようです。

種類
平均寿命
アビシニアン
9〜15歳
アメリカンボブテイル
13〜15歳
アメリカンカール
15歳
アメリカンショートヘア
15〜20歳
アメリカンワイヤーヘア
7〜12歳
オーストラリアンミスト
14〜19歳
バリニーズ
18〜22歳
ベンガル
12〜16歳
バーマン
12〜16歳
ブルーシャトー
12〜15歳
ボンベイ
15〜20歳
ブリティッシュショートヘア
12歳
ヨーロピアンショートヘア
15〜22歳
エキゾチックショートヘア
12〜14歳
ヒマラヤン
15歳
ジャパニーズボブテイル
15〜18歳
メインクーン
12〜15歳
マンチカン
12〜14歳
ノルウェイジャンフォレスト
12〜14歳
オシキャット
10〜15歳
チンチラペルシャ
15歳
ラグドール
12〜17歳
ロシアンブルー
15〜20歳
スコティッシュフォールド
15歳
シンガプーラ
9〜15歳
ソマリ
10〜12歳

猫の寿命ギネスは30歳!?

最近では、20年以上生きる長寿猫もいるほどですが、海外のギネス情報によると、テキサス州に住むスクーターちゃんは、なんと30歳。獣医療の進歩と健康管理の向上により、寿命は長くなっていますが、ここまで長寿なのは遺伝子の性質でしょう。

猫の体調管理が長生きの秘訣

アイペットが出している統計データによると、0歳の猫に特徴的な傷病は「猫風邪」や「耳ダニ」(7位)であるのに対し、5歳以上は「心筋症」や「腎不全」「膀胱炎」といった傷病が見られます。さらに7歳以上になると腎臓に関する「腎結石」や「血尿」(9位)になる猫が増えてきています。

0歳
5歳以上
7歳以上
1位
下痢
心筋症
腎不全
2位
猫風邪
腎不全
膀胱炎
3位
外耳炎
皮膚炎
心筋症
4位
結膜炎
膀胱炎
胃腸炎
5位
嘔吐
外耳炎
腎結石

これらの疾患にならないようにケアをしてあげることが長生きの秘訣です。

日々の健康管理が大切

普段から耳や歯のケアをするだけでなく、最も多い腎臓疾患のケアのために、日頃から尿の回数や量を確認しましょう。少しでも異変があると思ったら、動物病院で診てもらうことをおすすめします。

健康診断に行く

猫は痛みに強いため、本当に疾患が悪化しないと症状に現れません。そのため飼い主さんが自分でケアできていると思っても、実際は重病化してしまっていることも多いです。成猫でも1年に1回、老猫になってきたら半年に1回は健康診断で診てあげるようにしましょう。

老猫になった時に気をつけたい食事

慢性腎臓病、変形性関節症、糖尿病、甲状腺機能亢進症などは10歳を超えると疾患率が高くなりますが、大半の病気は症状が進行してから出てくるものです。そのため、シニア猫に適した食事は病気の進行を遅らせるだけではなく、予防効果のあるものが望ましいです。

栄養状態が悪かったり、逆に過度であっても猫は短命であることがわかっています。つまり、痩せていても太っていても長生きはできないということです。若い頃から生涯を通じて良好な栄養状態を保つことが必要です。不妊手術や去勢手術後はどうしても太りやすくなりますが、今はこれらの手術後に適した栄養要求量を満たした食事が出ているので、それらを利用して太り過ぎを防ぐとよいでしょう。

腎臓に良い食事とは

腎臓には、十分な良質タンパクを含み、リンを抑えていて、EPA・DHAを増量した食事が良いと言われています。完全肉食の猫ちゃんですが、「大豆」や「グルテン」などの植物性タンパクは消化が良くリンの含有量が低いので、上手に利用すれば健康につながります。

また、EPA・DHAは魚の油に多く含まれています。これらには免疫力を上げたり炎症を抑えたりする作用もあるので、グルーミングをあまりしなくなって皮膚がかさつきがちになったり、関節症を起こしやすくなったりする高齢猫ちゃんの食事には積極的に取り入れると良いです。

関節症に良い食事とは

ミドリイガイやグルコサミン、コンドロイチンといった成分は、関節症の症状を軽減することがわかっています。そして、これらはサプリメントでとることができます。その他、猫の健康管理については、以下の記事をご覧ください。

猫の老衰の症状

猫が老化するにつれてかかる病気などが増えてしまうことは事実です。愛猫の高齢化のサインには常に目を配っておきましょう。

何歳からシニア猫? 状態で見る高齢化のサイン

一般的に、「シニア猫」と呼ばれるのは10歳前後からだと言われています。ただ年齢は個体差があるので、ここではシニア猫に分類される特徴を紹介していきます。

寝ている時間が増える

体力の低下などにより、遊ぶことが少なくなり、睡眠時間が長くなる場合があります。

歯が抜けるなどの口の症状

猫は口の中も老化現象が起こります。歯が抜ける、歯石が目立つ、食事をするときに痛がる(あまり食べたがらない)、口臭が強くなるなどの症状が気になったら、一度病院へ連れて行った方がいいかもしれません。口内の老化を放っておくと、歯槽膿漏や歯周病などの病気につながってしまうからです。これらの病気により口の中に細菌がたまると、血流に乗って内臓まで届き、内臓疾患につながる恐れがあります。老化による症状ではありますが、重病化してしまう前にお医者さんに診てもらいましょう。

猫の平均寿命は伸びている!長生きには体調管理が大切

猫の平均寿命は年々伸びており、今後も獣医療の進歩によって長くなるでしょう。しかし、体調管理を怠ってしまうと病気になるリスクは増えますので、日頃から体調管理をしてあげるようにしましょう。

第2稿:2017年4月7日 公開
初稿:2016年1月21日 公開

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