猫が夜中や朝に運動会をするのはなぜ?理由ややめさせたい場合の対策も解説

猫が夜中や朝に運動会をするのはなぜ?理由ややめさせたい場合の対策も解説

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猫の飼い主さんは、夜中や明け方に愛猫が急に走り回ったり暴れたりしたという経験があるのではないでしょうか。この様子は「猫の運動会」という呼び方で知られています。いくらかわいい愛猫の行動でも、時間が時間なので眠れなくて困ったり、ご近所への騒音が気になったりする飼い主さんもいるかもしれません。今回は、なぜ猫は運動会を開催してしまうのかや、暴れる猫たちへの対応策について紹介します。

猫の運動会とは


猫が夜中や明け方、急にテンションが上ってきたかと思ったらダダダッと走り出し、高いところに上ったり駆け下りたりし始めてビックリしたという経験がある飼い主さんは少なくないと思います。

特に子猫の時期に多いこの行動ですが、一般的に「猫の運動会」として知られています。

正式名は猫の「真空行動」

実は「猫の運動会」には正式名称があり、「真空行動」といいます。真空行動とは目的を達成するための行動ができないため、その代わりとして生まれる行動のことです。なぜ「真空」という言葉が使われているのか少し疑問ですよね。

真空とは、通常は「空気などの物質がそこに全く無い」ことを指します。何も無いのに行動するから真空行動なのでしょうか。真空行動は英語の「Vacuum activity」から来ています。

Vacuumには「真空」だけでなく「空虚」という意味もあります。何もなくて空っぽというこの意味が示すところは「暇」ということ。真空行動と聞くと何やら難しい専門用語ですが、別の言い方をすれば「暇行動」。つまり、「暇ですること無いから、とりあえず走っておくか!」という行動なのです。

猫の運動会は何歳まで続く?

2匹の子猫

猫の運動会は子猫が走り回れるようになる生後2~3カ月ほどから始まり、何歳まで続くのかは個体差が大きく一概には言えません。

筆者の経験では、5~6カ月から2歳くらいまでが一番激しく運動会が開催されるように思います。この頃は人間の年でいうと10代から20代前半で、エネルギーがあり余って精神的にも成熟していません。

猫は身体的には生後半年で成熟しますが(体は1歳~2歳頃まで成長し続けることもあります)、精神的には2歳頃になると落ち着いてくると言われています。

猫は夜行性(薄明薄暮性)なので早朝や夜間に暴れてしまうのですが、人間と一緒に暮らしているうちに人間の行動パターンにあわせるようになり、夜は一緒に寝てくれるようにもなります。長年筆者と暮らしている子は、筆者が寝ているときは寝ていて、筆者が行動し出すと起きるということが多いです。

ただし、6歳以上のシニアの子でもたまに突然走り回ったりするとことがありますし、10歳以上になっても運動会を開催する子もいるようです。

猫が運動会を開催する理由

壁ののぼる猫

猫はなぜ運動会を開催するのでしょうか。前述した「真空行動」という正式名称が示すとおり、ずばり「暇だから」です。家の中と外を行き来する猫は室内での運動会をあまり開催しないと言われており、特に完全室内飼育の猫によく見られる行動のようです。

現代社会で猫が幸せに暮らすためには完全室内飼育は必要ですし、大切だと考えますが、外の世界に比べると刺激が少なく暇な生活なのかもしれません。

また、猫はもともと肉食獣として狩りをして生活をしていたという歴史も関係しています。狩りをする時間帯は明け方や夜ですから、その時間帯は猫の本能や狩りへの欲求が駆り立てられるというのも運動会の一因にあるのでしょう。

早朝や夜中は獲物を探すためにテンションが上がって本能がスイッチオンになった状態なので、運動会が開催されるのは自然なことといえます。

運動会をしない猫もいる

全ての猫が運動会を開催するわけではありません。個体差がありますし、家の外に出る猫は運動会を開催しないかもしれません。筆者の経験では、のんびりした性格の子や穏やかな性格の子は、運動会をあまりしない傾向があるように思います。

やんちゃな子がスイッチオンになったときのテンションの上がり方は半端なく、飼い主であろうと敷物の一部か飛び石くらいにしか思っていないではないかという扱いですが、穏やかな子はそこまで興奮度マックスにならないようです。

猫の運動会をやめさせる方法

猫じゃらしで遊ぶ子猫

猫の運動会は本能によるもので完全にやめさせることはできませんし、無理にやめさせようとすればストレスが溜まってしまいかわいそうです。しかし「連日の運動会で寝不足になる」「ご近所さんへの騒音が心配でやめてほしい」という飼い主さんもいるでしょう。

完全にやめさせることはできませんが、飼い主さんがうまくエネルギーを発散させてあげることで開催を減らしたり、騒音を減らしたりすることができます。

たっぷり運動をさせる

猫の運動会が開催される大きな理由の一つは「暇だから」。エネルギーが発散できていないことが理由の一つにあります。特に子猫~2歳くらいまでの若い猫は力があり余り、運動したい欲求も遊びたい欲求も強く持っていますから、そのエネルギーをうまく使わせてあげる必要があります。

まずは猫が好きなおもちゃを使って十分遊んであげることです。猫は大好きな飼い主さんと楽しい時間を過ごせますし、エネルギーも発散できて充足感を得ることができます。

若い猫と遊ぶときは、猫が走り回れるような遊びをするのがオススメです。長めの猫じゃらしを大きく振ったり、猫が好きなおもちゃを投げてあげたりすると、猫も喜んで走り回ります。

飼い主んさんも猫が夢中になる猫じゃらしの操作法を勉強するといいですね。ただ振ってるだけでは喜んでくれませんので、緩急をつけて狩猟本能をくすぐってあげることが大切です。

また、猫と遊ぶときは短い時間を数回に分けて行いましょう。長い時間を1回だけより、短い時間を数回の方が猫の満足度が上がります。そしておもちゃは出しっぱなしにせず、遊び終わったら片付けて新鮮さを保つようにしましょう。

一人遊びできるおもちゃを用意する

猫も疲れるほど遊べばぐっすりと寝てくれるのですが、猫が疲れるほど遊ばせるのは飼い主さんも大変です。飼い主さんが相手をしてあげられないときは、狩りの欲求や遊びたい気持ちを少しでも満足させてあげるように一人で遊べるおもちゃを用意してあげましょう。

最近では電動のおもちゃも販売さていますので、それらを活用してもいいですね。

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多頭飼いをする

同レベルで遊んでくれる相手がいれば、飼い主さんが留守中や忙しいときも、追いかけっこをしたりプロレスをしたりしてエネルギーを発散することができます。だだし、特に子猫のときは2匹で大運動会を開催することも珍しくはありませんので注意が必要です。

キャットタワーを複数置く

キャットタワーの猫

猫は高い場所が好きですので、キャットタワーがあると上下運動ができてストレス解消になります。

猫にとっては走り回るより上下運動の方がストレス解消になるとも言われていますので、キャットタワーは効果的です。

キャットタワーを複数設置したり、家具の配置を工夫することで部屋の中をアスレチック場にしてしまうという方法もあります。筆者は保護猫がたくさんいるという理由もありますが、キャットタワーは2台設置し、さらに棚やタンスの配置を工夫して、猫が床に降りずとも高い場所を移動できるようにしています。キャットウォークを設置してもいいですね。


気にせず放っておく

猫の運動会は本能によるものです。無理にやめさせることはできませんし、ケージなどに閉じ込めてしまってはかわいそうです。

運動会は20分~30分程度暴れまわれば閉会となりますから、その間は猫の好きにさせて放っておくというのも一つの方法です。

猫が夜中に運動会で暴れるときの対策

猫

筆者は気にしませんが、気になって眠れない方もいるでしょうし、マンションなどでは階下の住人への影響も気になりますよね。夜中の騒音を減らす対策を紹介します。

床にマットを敷く

床がフローリングだと猫でもバタバタと走り回る音は結構します。一軒家であれば気になりませんが、マンションだと階下への影響などが気になりますね。

そんなときは床にカーペットをしきましょう。おすすめはタイルカーペットです。自然吸着型のタイルカーペットであれば、汚れた部分を取り外して交換したり洗ったりできます。

キャットタワーの下にコルクマットなど衝撃を吸収しやすいマットを置くのも効果的です。コルクマットは猫が爪とぎをしやすい素材でボロボロになりやすいので、安価で何度も交換できるものがいいでしょう。

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猫の運動会もかわいらしいものだと思えることが大切

猫

猫の運動会は人間が寝ている時間に開催されることが多く、うるさいと感じたりやめさせたいと思ったりすることもあるでしょう。しかし、本能によるものであるので完全にやめさせることはできません。

人間のほうがうまく付き合ってあげられるように対処していくことが猫と楽しく暮らすコツですね。運動会に限らず、猫と暮らすには「猫がすることへの対処を楽しんで行うこと」と「許す心」が大切です。

さまざまな工夫や対応を含めて「猫を飼う」ということなんだと思って、楽しんでいただければと思います。