10分に1頭が殺されている殺処分問題。ペットの里で見た現状

10分に1頭が殺されている殺処分問題。ペットの里で見た現状

Share!

ネット上には犬や猫の可愛い動画があふれ、猫ブームと言われるほど、犬や猫が人気となっています。しかし、一方で、年に約12万8000頭の犬猫の命が殺されてしまっていることを知っていますか? こういった殺処分をされないように捨てられた犬や猫を保護される方々が多くいます。今回は、岩手にある保護施設「ペットの里」に行って感じた現状をお話します。

殺処分問題の現状

殺処分は、二酸化炭素(炭酸ガス・CO2ガス)を密閉された小さな個室に注入し死に至らせた後に焼却処分されます。

また、保健所や愛護センター等の施設が引き取った犬猫が飼い主に返還された割合、または新たな飼い主に譲渡された割合は、自治体によって大きく異なります。最近では、神奈川県動物保護センターが殺処分ゼロを実現したこともありますが、日本全体で見れば引き取られた犬猫の8割近くは殺処分されており、特に猫の返還・譲渡は困難な現状です。

そして、殺処分はゼロであっても、病気で立つこともできず、食べることもできず、苦しい思いをしながら生きている犬猫もいるなど、殺処分がゼロだからと言って解決することもない、非常に難しい問題です。

自分の目でペットの里を確かめてきた

記事を見るだけではなく、実際に体で感じる必要があると思い、岩手県滝沢市の広大で自然豊かな敷地にある保護施設「ペットの里」に行ってきました。

盛岡駅からバスで30分ほど、有名な小岩井農場を超えた辺りに、ペットの里はありました。

保護施設には、多くの犬や猫が暮らしていました。そして、施設の外には、保護犬用のドッグランと、道を挟んだ逆側に一般者向けのドッグランがありました。

私は、その2つのドッグランの間道に立った時、なんとも言えない感情がこみ上げてきました。

保護犬用のドッグランにいるワンちゃんは、人に向かってクーンクーンと寂しそうな声で鳴いていたのです。

それに比べて、一般者向けのドッグランでは、飼い主の方々とワンちゃん達が楽しそうに走っていたり、笑っていました。

同じ命、動物なのに、なぜこんなにも表情が違うのだろう。それは、愛情や温もりの違いなのでしょう。

代表理事である、田中 亜弓さんは、こう言います。

「もちろん愛情を持って育てていますが、里親が見つかって久しぶりに会った時の表情を見ると、飼い主の存在がどれほど大切かがわかります。今後は、ペットの里を全国に拡大し、ペットを飼うならまずペットの里に来てもらうよう、頑張りたいと思っています。」

盛岡に旅行に行かれた際は、ぜひ足を運んでみてください。きっと、心が動かされるはずです。



最後に

先月、神奈川県では、動物愛護を訴える動画の配信を始めました。この取り組みのように、少しでも多くの人が動物の命について考え、どうすれば解決できるのかを考える機会を増やしていければと思います。
人も犬も猫も、1つの尊い動物なのですから。