【獣医師執筆】猫はブロッコリーを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫はブロッコリーを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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栄養価が高く人気のブロッコリーですが、猫はブロッコリーを食べても大丈夫なのでしょうか? 今回は、ブロッコリーやブロッコリースプラウトの栄養素や効果、猫に与える際の注意点を紹介します。猫は少量のブロッコリーなら食べても問題ありませんが、与え過ぎには注意が必要です。

猫はブロッコリーを食べても大丈夫

ブロッコリー

ブロッコリーはビタミンCやβカロテン、ビタミンE、鉄、葉酸などを含み猫が食べても大丈夫な食材です。ただし、イソチオシアネートという成分が猫の胃を刺激してしまう可能性があるため、与え過ぎには注意が必要です。

猫は強い抗酸化作用を持つビタミンCを体内で生成できますが、年を取ったり肝臓の病気になったりすると不足する場合があります。葉酸は体の細胞の生まれ変わりや成長をサポートするという大切な役割を持ち、造血のビタミンとも呼ばれます。

ブロッコリーにはがんの予防効果花粉症の症状を緩和する効果が期待できるスルフォラファンも含まれます。スルフォラファンを生成する酵素は熱に弱いため、生で食べたり低温で蒸したりすることで効率よく摂取することができます。

ブロッコリーは100gあたり約40kcalと低カロリーなため、ダイエット食材としてもオススメです。

猫にブロッコリーの茎や葉を与えても大丈夫?

ブロッコリー

ブロッコリーの茎や葉もつぼみと同じく栄養がたくさん含まれ、猫が食べて大丈夫です。ただし、茎は硬く大きい塊を丸飲みしてしまうとのどに詰まらせる危険性があります。必ず小さくカットしてから与えるようにしてください。

猫にブロッコリーを与える際の注意点

ブロッコリー

ブロッコリーを食べすぎるとイソチオシアネートによって胃腸炎になる可能性があります。そのほか、以下の注意点を確認してから食べさせましょう。

01【猫にブロッコリーを与える際の注意点】与え過ぎ

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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02【猫にブロッコリーを与える際の注意点】生はNG

生のブロッコリーは非常に固く、消化されにくいので、細かく切ってあげてください。

03【猫にブロッコリーを与える際の注意点】加熱する

ブロッコリーは水溶性ビタミンを含んでいます。そのため、茹でるとブロッコリーに含まれているビタミンが溶け出してしまいます。ブロッコリーは短時間で加熱することをおすすめします。

04【猫にブロッコリーを与える際の注意点】葉は注意

ブロッコリーの葉は猫が食べても大丈夫です。しかし、外葉は農薬残留の恐れもあるため、できるだけ内葉をあげましょう。

05【猫にブロッコリーを与える際の注意点】茎(芯)は注意

茎(芯)は非常に固いため、皮を剥いて与えてあげると良いでしょう。茹でてから皮と芯の境界が見えてきますので、皮を剥き、細かく切ってあげると良いでしょう。

06【猫にブロッコリーを与える際の注意点】甲状腺機能低下症

ブロッコリーには、尿路結石をつくってしまう可能性のあるシュウ酸や、甲状腺機能低下症になってしまう恐れのあるゴイトロゲンを含んでいます。

シュウ酸

ブロッコリーにはシュウ酸が豊富に含まれています。シュウ酸は、体内でカルシウムと結びつきシュウ酸カルシウムとなります。やがてそれが結晶化すると、腎臓や尿管、膀胱、尿道の中で結石となってしまいます。

結晶が尿管や尿道に詰まってしまうと、排尿ができないために腎臓機能が停止し、最終的に腎不全になってしまいます。


ゴイトロゲン

キャベツ大根、ブロッコリー等のアブラナ科に属している野菜にはゴイトロゲンという成分が含まれています。

ゴイトロゲンは、体内において甲状腺ホルモンをつくるために必要なヨウ素の吸収を阻害してしまいます。甲状腺ホルモンは代謝の調節を司る働きがあり、ゴイトロゲンを過剰に摂取してしまうと、甲状腺機能低下症という病気になってしまう恐れがあります。

ブロッコリーの大量摂取によって猫の甲状腺の機能が低下したという臨床報告は見受けられませんが、元々甲状腺に疾患のある猫は念のため注意しましょう。


07【猫にブロッコリーを与える際の注意点】アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


猫が食べて大丈夫なブロッコリーと似た野菜

ブロッコリースプラウト

ブロッコリーと似た性質を持つ野菜もありますので、いくつか紹介します。

ブロッコリースプラウト

ブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンは、前述したイソチオシアネートの一種です。ブロッコリースプラウトは、ブロッコリーの新芽で、ブロッコリーに微量に含まれる植物由来の化学成分である「スルフォラファン」を成熟ブロッコリーの20倍以上も高濃度に含んでいます。

米国ジョンズ・ホプキンス大学のポール・タラレー博士が開発した野菜です。タラレー博士は、ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」という成分に、抗酸化や解毒といったからだの防御機能を高める働きがあることを世界で初めて発見しました。その後、ブロッコリーの品種や成長段階によってスルフォラファンの濃度が異なることを突き止め、スルフォラファンを高濃度に含む「ブロッコリースーパースプラウト」を生み出しました。

抗酸化作用や内臓脂肪蓄積抑制作用、腫瘍の抑制作用が報告されており、第7の栄養素と呼ばれています。

カリフラワー

猫の体質にもよりますが、アレルギーなどを持っていなければ、カリフラワーは猫に与えても問題ありません。ただし、カリフラワーはブロッコリーと同じくアブラナ科の野菜なので、大量に与えないようにしましょう。

カリフラワーはの成分は、基本的にブロッコリーと似ています。カリウムを豊富に含み、ブロッコリーよりは少ないですがビタミンCや葉酸も含有しています。

猫にブロッコリーはおやつ程度に

ねこ

ブロッコリーは便秘改善やダイエットに効果的ですが、一方で与え過ぎは胃を刺激したり、中毒症状を起こす可能性があります。最終的には愛猫の健康は飼い主さん次第です。そのため、きちんと正しい情報を理解した上で、愛猫がずっと健康で長生きできるように大切に育ててあげてくださいね!

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