「ペット業界ゆく年くる年」業界キーパーソンたちのトレンド予測2022

「ペット業界ゆく年くる年」業界キーパーソンたちのトレンド予測2022

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2021年も残すところあとわずか。今年もコロナに悩まされる1年になってしまいましたが、ワクチン接種や治療薬の開発が進んだことで、ようやく終息への道筋が見えてきました。ペットライフは今後どのように変わっていくのでしょうか? ペット業界のキーパーソンたちの2021年の振り返りと、2022年のトレンド予測を紹介します。

今回ご協力いただいたのは以下のキーパーソンです。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

※敬称略


石川愛里(一休.com)

石川愛里(一休.com)
株式会社一休 新規事業本部 メディア事業部長

1. 2021年最も印象に残った分野・出来事

一休.com』では、「一棟貸し」や「バケーションレンタル」の宿が引き続き好調。「3密回避」が旅行業界のトレンドとして定着する中、ペットと一緒の旅でもアウトドアへの興味関心が高まっている傾向が見られました。ペットと一緒の旅で人気が高いトピックはプライベートなドッグランが付いている宿。他の人を気にすることなく、愛犬と遊んでリフレッシュできるのが人気の理由でしょうか。

また、2021年は有名ラグジュアリーホテルで愛犬と宿泊ができるお部屋の販売を開始するなど、「ドッグフレンドリー」なホテルが増加しています。

2. 2022年の注目分野

広々とした空間を独占できる「一棟貸し」では、ドッグランがあり小型犬だけでなく大型犬や多頭飼いもOKな宿が今後も人気を集めるでしょう。「フォレストガーデン軽井沢」では、小型犬なら10頭まで、中・大型犬なら最大5頭まで受け入れ可能。

また、自然の中で贅沢な時を過ごす「グランピング」を愛犬と体験できる宿もトレンドです。快適な設備がテント内に備わる「UFUFU VILLAGE」や「RITA’S RANCH 南軽井沢 ~愛犬と過ごすテントの休日~」など、ペットと一緒にスタイリッシュでおしゃれな旅をしたいニーズに応える宿が注目を集めています。

徳井義実(チュートリアル)

徳井義実(チュートリアル)
愛猫家、株式会社PETOKOTO CAT(Chief adoption, TOKUI)

1. 2021年最も印象に残った分野・出来事

一緒に暮らす動物を探すとき、保護動物を譲り受けるという選択肢への認識が広がったように思います。あと、良質なペットフードを求める人が多くなったこと。

2. 2022年の注目分野

やはり高品質フードですね。「PETOKOTO FOODS」からフレッシュキャットフードが発売されたら、ミコとエルにも食べさせてあげたいです。


伊豫愉芸子(Catlog)

伊豫愉芸子(Catlog)
RABO, Inc. President&CEO

1. 2021年最も印象に残った分野・出来事

全猫様と飼い主が待ち望んでいた、腎臓病を治療できるタンパク質「AIM」を使った薬剤の製品化についてのニュースと、そのニュースを受けて寄付が殺到したという一連のニュースでしょうか。「すべては、猫様のために。」を掲げる我々としても賛同し、個人および会社で寄付させていただきましたが、”愛玩動物”ではなく、大切な家族の一員としての意識の高まりおよび関心の高まりを象徴する一件でした。

泌尿器系疾患に罹りやすいといわれる猫様。治療も重要ですが、早期発見早期治療がなにより重要です。今年8月に販売開始した「Catlog Board」では、尿量の変化やトイレ回数をいつもお使いのトイレに敷くだけで自動的に記録することが可能で、すでに早期発見につながったというお声を多数頂いています。

2. 2022年の注目分野

「Data is King」の時代がペット業界にも訪れると思います。単なる活動量等ではない行動解析データ、体重データ、排泄データ、そしてこれらから導出されるありとあらゆる猫様データ。本当の意味でのDXは、こういった膨大かつユニークなデータを自社で保有し、解析する技術がない限り成し得ないと考えます。Catlogでは、すでに約30億件ほどの世界最大級の猫様データを保有していますが、イエネコの生活およびゆくゆくは猫科全体の研究や環境保全にも貢献するべく「Catlog総研」を設立しました。これらのデータは、パーソニャライズされた製品開発をおこなうコアでもあります。

なお、2022年(にゃんにゃん)寅年の猫科Yearということで、CatlogYear!!と勝手にジャックして新しい試みやニュースを発表予定ですので、ぜひご期待ください!

田中夢菜(楽天トラベル)

田中夢菜(楽天トラベル)
楽天株式会社 トラベル&モビリティ事業 PR推進室 PRグループ

1. 2021年最も印象に残った分野・出来事

「楽天トラベル」にご登録されている「ペットと同室宿泊が可能な宿泊施設」の中で、「ペット」「犬」「猫」のキーワードを含む宿泊プランの宿泊人泊数はコロナ下でも堅調に推移し、2年連続で増加しました。2021年1月1日から12月15日までの宿泊人泊数の前年同期比は+7%、また、ペット専用のお風呂や食事、飼い主とお揃いの館内着の提供など、工夫を凝らした設備やサービスの展開をしている宿泊施設に人気が集まりました。

2. 2022年の注目分野

2021年まで人気を集めていた1棟貸切のコテージタイプやキャンプサイトなどの宿泊施設に加えて、高級ホテルや温泉旅館を中心に、「ペットと同室宿泊が可能な宿泊施設」が増え始めていることに注目しています。

「楽天トラベル」では、ペットとの旅行に対する関心や需要の高まりを受けて、旅行情報サイト「楽天トラベルガイド」で各地域の「ペットと同室宿泊が可能な宿泊施設」の紹介記事や、宿泊施設での過ごし方に関する記事を増やしています。今後もペットとの旅行に対する需要がさらに高まることを期待しています。

堀江亮(アニコム)

堀江亮(アニコム)
アニコム損害保険株式会社 R&D部 執行役員

1. 2021年最も印象に残った分野・出来事

2020年に巻き起こった新型コロナウイルス感染症によるペット需要の増加を追う形で、ペットに関する多様なサービスが拡充した1年だったと思います。既存の各ペット事業社が、今までの主力分野とは異なる新たなサービスや商品を展開し始めるのはもちろん、これまでペット事業を展開していなかった企業が、様々な角度からペット業界に参入してきています。これはペット業界への注目と今後の成長に関する期待度の高さの表れだと感じますし、ペットが日本でも世界でもより“家族”として受け入れられている、といった背景があるからこその流れなのではないでしょうか。

2. 2022年の注目分野

ペット関連サービスの拡充傾向が2022年も継続すると考えられる中で、人と同じ様にOne to Oneのサービスが増加していくと見ています。また、ペット分野におけるIoTを活用した各種デバイスを利用したサービスの開発も加速するでしょう。当社においても、従前より実施している遺伝子検査や腸内フローラ測定のほか、AIを活用したどうぶつの顔写真による疾患リスク判定といった各種の研究開発に注力しています。これらで得られた知見を活かしながら、フードの開発を始めとするパーソナライズされたサービスを提供し、ペットが真に家族の一員として暮らせる社会基盤の構築に貢献していきたいと考えています。

布施健(Furbo)

布施健(Furbo)
Tomofun株式会社 代表取締役

1. 2021年最も印象に残った分野・出来事

コロナ禍で犬猫の飼育が急増したことです。パンデミックにより働き方や生活スタイルが大きく変わり、在宅で人間関係が希薄になった代わりに犬猫に癒やしを求めて飼育する人が増えたと言われています。実際に私の周りでも最近になり犬を飼いはじめた友人は非常に多いです。とても喜ばしい反面、日常を取り戻しつつある中で、犬猫の飼育の難しさに直面し、保護施設に連れ込まれる犬猫も増えていると言われています。ペット業界に身を置く身として、マーケットの裾野が広がるチャンスでありながらも、不幸な犬猫を1匹でも作らないように当社としても何かできることを模索したいと考えるきっかけになりました。

2. 2022年の注目分野

ペット産業におけるAI、IoT、クラウド、ビッグデータをはじめとしたテクノロジー領域に注目をしています。これまではベンチャー企業が中心にペットテック領域を盛り上げていましたが、今年より富士通などの大手企業がペットテック領域に力を入れてきております。2022年は、大手とベンチャーの連携などが促進され、より社会的にインパクトの大きい取り組みが増え、ペットとの暮らしにテクノロジーが根付く大きなチャンスだと感じています。テクノロジーは必ずペットとの暮らしを推進する力になると信じており、そのような世の中に近づくと今からワクワクしております!


佐藤貴紀(獣医師)

佐藤貴紀(獣医師)
株式会社PETOKOTO取締役副社長CVO 兼 獣医師(獣医循環器学会認定医)

1. 2021年最も印象に残った分野・出来事

ペットフード協会が発表した2021年における犬や猫の寿命が最長を記録したことです。飼育猫の平均寿命は15.66歳、犬は14.65歳と、統計を開始した2010年以来最長となりました。「猫は1.30歳、犬は0.78歳伸びた」と発表されています。1980年代は平均寿命が犬は6歳、猫は5歳と報告され、当時の原因として寄生虫やウィルスの感染症や原因不明が多かったとされています。

約40年が過ぎ、死亡原因は腫瘍、心臓病、呼吸器疾患と変化しました。寿命最長の背景には、飼育環境による感染症の減少、ペットの家族化による食や獣医療の提供の変化、ペットオーナーの知識向上による疾患の早期発見があると考えられます。さらには、獣医療の向上が背景にあると言えるでしょう。

2. 2022年の注目分野

フレッシュペットフードが日経トレンディでも2022年のヒット予測として取り上げられました。ドライフードやウェットフードは聞き慣れた一般的な言葉ですが、フレッシュペットフードはヒューマングレードで保存料などが無添加、冷凍されたフードを指す新しい言葉です。

ペットへの家族化は進むものの、いまだ70%以上の方がドライフードや缶詰をペットに食べさせていることがわかりました。経験則からも動物病院などでの相談として「何をあげればいいのかわからない」「一生ドライフードではかわいそうだから、何か美味しい健康的なご飯をあげたい」という問い合わせは急増しています。人に例えても、毎日同じご飯を与えられるのであれば、健康になれるフレッシュなご飯を食べたいと思うはずです。家族化という考え方を、食事にも向ける必要がありそうです。


井島七海(OMUSUBI)

井島七海(OMUSUBI)
株式会社PETOKOTO 執行役員COO/OMUSUBI事業責任者

1. 2021年最も印象に残った分野・出来事

2021年は社会全体で犬猫を取り巻く課題にも目が向けられた年だったのではないかと思います。動物愛護管理法改正によって、不適切な繁殖・販売等を行う悪質なペット事業者の排除につながると期待されている「数値規制」が6月から段階的に施行されました。

数値などの客観的判断が可能な基準が生まれることは、悪質な事業者の排除につながりやすいことはもちろんのこと、今後のアニマルウェルフェアについての議論土台ができたともいえます。たくさんの意見がありますが、私自身は今回の数値規制は命への責任を果たす社会に向けての一歩になると思います。

2. 2022年の注目分野

2021年末に年間の殺処分数が3.3万匹から2.4万匹に更新されました。減少傾向が続く中で、社会全体での殺処分問題への意識の高まりや、回避のための官民連携が少しずつ加速していると感じます。しかし地域によっても問題は異なり、飼い主さんがいる場合も多頭飼育崩壊、飼育放棄、虐待・ネグレクトなど多くの課題が残っています。

2022年6月からはマクロチップ装着が義務化されます。ペットショップやブリーダーで販売される犬猫が対象となるようですが、所有者の明確化・管理が推進されることで、果たして課題解決の一助になるのか。引き続き社会全体で見守り、議論しなければいけません。


あとがき

今年は徳井さんにもご参加いただき、例年にも増して層を厚くすることができました。キーパーソンから「毎年この依頼が来ると年末を感じる」という声も聞かれるようになり、これからも長く続けていけたらいいなと思っています。

さて、先日は12月9〜12日に恵比寿で開催したPETOKOTO FOODSのポップアップについてのレポート記事を掲載しました。お立ち寄りいただいた方の中には「うちは猫なのよ〜」とおっしゃる方も多く、何度も「実はうちも猫なんですよ〜。今後はフレッシュキャットフードも出しますので、楽しみにしていてください」とお答えしました。

うちにいるのは今年迎えた元保護猫2匹で、もともとミルクボランティア(※数時間ごとにミルクをあげたり排泄を促したりするボランティア)で預かっていた子猫たちでした。今はオイルコーティングしていない薬膳系のドライフードを食べさせていますが、やはり理想はフレッシュキャットフードです。

ポテト(左)とホタテ
ポテト(左)とホタテ

来年は、うちの子たちも食べられる新鮮な猫ごはんをPETOKOTO FOODSから出せたらいいなと思っています。日経トレンディが発表した2022年ヒット予測に「フレッシュペットフード」がランクインしたように、2022年は犬猫のごはんに大きな変革が起こりそうです。

コロナ禍で犬猫を家族に迎える方が増えていますが、大事なのは迎えてから。食事はもちろん、飼い主さんと愛犬・愛猫たちの生活すべてが豊かでありますように、PETOKOTOは2022年もさまざまな取り組みを進めていきます。今年もご愛読いただきありがとうございました。皆さま、よいお年をお迎えください。



PETOKOTOFOODS
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