【獣医師執筆】犬は生姜を少量なら食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】犬は生姜を少量なら食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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薬味として大人気の生姜は犬が食べてしまっても大丈夫なのでしょうか?実際に犬用のご飯レシピにもたびたび登場している食材ですが、与える際は犬の体の負担にならないように注意する必要があります。生姜がもたらす効果や詳しい成分、与える際の注意点などを確認していきましょう。

犬が食べても大丈夫な生姜に含まれる栄養成分

生姜紅茶

生姜の90%は水分でできています。その他の主な成分は炭水化物やタンパク質ですが、生姜には三種類の辛味成分も含まれています。

ジンゲロール

生姜の辛み成分で最も多く含まれています。血流を促進する作用があり、冷えを改善する効果や、免疫力を向上させる効果が期待されています。ジンゲロールは加熱や乾燥によってショウガオールに変化する性質を持っています。

ショウガオール

ジンゲロールが加熱や乾燥によってショウガオールに変化します。血行を促進し体を温めてくれます。抗酸化作用も期待できます。

ジンゲロン

ジンゲロールが分解することで生成されます。ジンゲロンには発汗作用があり、老廃物や滞留している水分を排出する作用があります。他の辛味成分と同じく血行を良くし体を温めてくれます。

日本には三種類の生姜がある?

はじかみ生姜
はじかみ生姜

日本には大生姜、中生姜、小生姜の三種類があります。一般的によくスーパーで売っているのは大生姜で、年間を通して生鮮用や漬物などに使用されています。

中生姜は大生姜よりも辛味が強く、漬物や加工品に使用されています。比較的収穫が多い小生姜は早掘りして、葉生姜やはじかみ生姜などにされることが多いです。

犬は少量なら生姜を食べても大丈夫

生姜

生姜は体の血行を良くし、抗酸化作用も期待できる食材です。犬も少量であれば食べて大丈夫ですが、辛味成分が含まれているので胃腸の負担にならないように注意してあげることが大切です。

犬によっては胃腸の刺激になり下痢や嘔吐を引き起こすきっかけになってしまうかもしれません。

紅しょうがやガリはNG!

紅しょうがやガリは人間用に作られた加工品です。味付けがされ塩分も多いので犬には与えないでください。人間が食べているものは犬の体には良い影響を与えないことの方が多いです。日頃から人間の食卓にあるものは与えない癖をつけておきましょう。

犬に生姜を与える際の注意点

生姜 ジンジャー

生姜は少量であれば犬に与えても大丈夫ですが、中毒などを懸念し「与えない方がいい」という意見もあります。犬の体質や飼い主の判断によるところが大きいですが、与えるとしても最低限の注意点はしっかりと把握しておくようにしましょう。

01【犬に生姜を与える際の注意点】与え過ぎに注意

前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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02【犬に生姜を与える際の注意点】アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。




03【犬に生姜を与える際の注意点】誤飲に注意

そのまま生姜を丸呑みして誤飲する危険性があるため、基本的にはすりおろした生姜や無添加の生姜パウダーをスープにして少しトッピングしたり、茹でて柔らかくした生姜を刻んで与えましょう。

犬は苦味や辛味が苦手なため、食べない犬も多いので、積極的に与える必要はありません。

まとめ

犬

少量なら生姜を食べても大丈夫
犬によってはアレルギーや、胃腸への刺激が強く下痢や嘔吐を起こす可能性もある
紅しょうがやガリを犬に与えるのはNG
食べ物は健康に直結するとても重要なものです。基本的には総合栄養食であるフードをメインとし、あくまでサポートとしてトッピングやおやつとして与えてあげましょう。


本稿は以下の情報を参照して執筆しています。
永谷園「永谷園生姜部 生姜の基礎知識
文部科学省「食品成分データベース