【トレーナー解説】犬が拾い食いする理由とやめさせるしつけ方|食べた際の症状や対処法も

【トレーナー解説】犬が拾い食いする理由とやめさせるしつけ方|食べた際の症状や対処法も

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犬は散歩中や家の中で、落ちているものを食べてしまうことがあります。食べたものによっては、下痢や嘔吐などの体調不良を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。今回は、拾い食いのしつけ・対策方法などを、ドッグトレーナーの西岡が解説します。

犬が拾い食いをする理由・原因

地面の匂いを嗅ぐパグ

犬が拾い食いする理由は、一度の「いい経験」が癖になっている可能性があります。

リビングやキッチンの床に落ちている「何か」を口にしてみて「おいしい経験」をすると、常に何かを探すようになり「見つけたら食べる」という拾い食いをするようになります。

犬は優れた嗅覚と動体視力を持っていますが、動かない物や小さいものを認識することは苦手です。また感触を舌で確かめるので、おいしそうな匂いでなくても犬が何かを口にする機会は多いといえます。

大切なポイントは「しつけをして誤飲を防ぐ」ことと「危険なものを犬が届くところに置かない」ことです。

犬が拾い食いをするのはいつまで?

子犬の頃は新しいモノに興味を示す時期で拾い食いをすることが多いですが、成犬になると拾い食いが少なくなっていくことが多いです。しかし、成犬になっても拾い食いをする場合は、しつけをすることをおすすめします。

犬の拾い食いで誤飲しやすいもの

たばこの吸殻

誤飲の中でも件数が多く、危険なものの一例を紹介します。

  • 焼き鳥のくし
  • たばこの吸い殻
  • 吐き捨てられたガム
  • 鳥の骨
  • チョコレート
  • 人の薬
  • 炭(BBQの時期に多い)
  • トイレシーツ
  • 葉っぱ・木の実
  • 綿棒

これらは人が口にしているものが多く、同時にポイ捨てされやすいものでもあります。誤飲したモノによっては、重症化する危険性が高いモノもあるため、拾い食いをやめさせるしつけはとても大切です。

また最近は毒を仕込んだモノをわざと道に置いて犬が死亡する事故も増えています。そうならないためにも必ず飼い主さんが気を配りましょう。

犬が散歩中に葉っぱや石を拾い食いする理由

葉っぱに興味を持つ犬

散歩中に葉っぱや石に強い関心を示す場合もいくつか理由が考えられます。

  • 胃がムカムカしていて調子が良くない
  • 吐き出したいモノがある
  • 美味しそうな匂いがする
  • 異食症(異嗜)
  • 飼い主の関心を求める行動(注目獲得)

過剰に食べ物ではないものを食べたがる場合は、獣医師に相談しましょう。


犬の拾い食いをやめさせるしつけ方

\動画を見てチャレンジ!/

予防(アイコンタクト)を意識する

アイコンタクトをする犬

愛犬が地面の匂いを嗅いで、クンクンしながら歩いているときは特に拾い食いをしやすい環境といえます。


あまりにも匂いを嗅いでいるときは、声をかけてアイコンタクトができると良いでしょう。

どんなときでもアイコンタクトができると、高い確率で拾い食いを予防することができます。


何かを口に入れたらコマンド

木の枝を口に入れた犬

もし何かを口に入れてしまったら「はなせ」や「ちょうだい」といったコマンドが有効です。

普段のおもちゃ遊びでも「はなせ」「ちょうだい」のトレーニングをすることで、誤飲を防ぐことができます。

きちんと口から離したときはしっかりご褒美を与えましょう。

\ポイント!/
うっかり口に入った時は以下のことに気をつけましょう。

大声を出したり、慌てたりしない
急いで取り上げようとすることで「取られてしまう」と思い、飲み込んでしまう可能性があります。

おやつで釣らない
出して欲しいからと、おやつを見せておやつを与えてしまうと、逆におやつが欲しくて物を口に入れるようになってしまう恐れがあります。

取り上げる時は、慌てずゆっくりと口を開け取り出してあげましょう。


日頃から口を触らせてもらえるようにする

愛犬の口周辺を触る飼い主

口を触らせてもらえるようにすることも重要です。

日頃からほっぺや歯、歯茎を飼い主さんが触っても嫌がらないように少しずつトレーニングしていきましょう。

犬の拾い食いが直らない場合は

飼い主を見ながら散歩する犬

子犬の頃から教える

犬は子犬の頃からいろいろなものを口に入れて、味や質感などを理解していきます。子犬にとっては大切な行動の一つです。

以下のように、口に入れさせない環境をつくることが重要です。
  • 飲み込める大きさのおもちゃは与えない
  • 壊れやすいものは与えない
  • 犬が食べてしまっては困るものを、犬が届くところに置かない

リーダーウォーク

散歩中であれば、リーダーウォークも予防として効果的です。

リーダーウォークは散歩のときに、飼い主さんの横を歩き、リードは少したるんでいる状態でできるようにするものです。

犬は飼い主さんを意識した行動ができるようになるため、拾い食いの予防につながり、安全に散歩ができます。




犬が拾い食いをしてしまった場合の対処法

ソファでくつろぐ犬

犬が拾い食いをすることで、嘔吐や下痢をはじめとした体調不良、肥満などを引き起こす恐れがあります。

どこで何を食べたかが分かると獣医師さんもその後の処置の判断をしやすくなりますが、飼い主さんの知らないうちに拾い食いをした場合は「いつ・何を・どれだけ食べてしまったのか」がわからず、最悪の場合、死亡してしまうこともあります。

犬の拾い食いは放置せず、早めに「いけないこと」であることを教えましょう。

それでも誤飲するリスクはあるため、もし誤飲した場合は飼い主さんが吐かせようとせずに、すぐに動物病院に相談しましょう。何を食べたか分からないけど嘔吐や下痢を繰り返す場合も、早急に動物病院に相談しましょう。


既に犬の拾い食いで困っている場合

散歩中の犬

既に拾い食いが癖になっている場合は、以下の対策を取りましょう。

  • 家の中では犬が届くところに物を置かない
  • キッチンには入れないようにする
  • おやつを与える時は、手からあげるか、いつも使っているフードボールにいれる(床に落とさない)
  • 散歩中はリード短めに持つ
  • 収縮リードなど長いリードは使用しない
  • 事前に拾い食いが予想できる場合は、名前を呼んだり、おもちゃやおやつを使ったりして飼い主さんのほうに気を向かせる

その場その場の対処をするだけでなく、拾い食いをしないためのしつけも一緒にしていきましょう。どうしても上手くいかない時は、専門のドッグトレーナーに相談しましょう。

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まとめ

楽しそうに散歩する犬

過去の「おいしい経験」が、拾い食いの癖になります
拾い食いしたものによっては命に関わることもあるので注意が必要です
拾い食いをしないよう、きちんとしつけを行いましょう

拾い食いの行動は犬にとって本能に近い行動です。しかし、人との暮らしをする中では犬にとって命に関わることもあります。

犬にとっても飼い主さんにとっても、安心して暮らせるように拾い食いをさせない環境づくりや、家でのルール、しつけが大切です。


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この記事を監修している専門家

佐藤貴紀獣医師

獣医循環器学会認定医・PETOKOTO取締役獣医師

佐藤貴紀獣医師

獣医師(目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC、隅田川動物病院、VETICAL動物病院)。獣医循環器学会認定医。株式会社PETOKOTO取締役CVO(Chief veterinary officer)兼 獣医師。麻布大学獣医学部卒業後、2007年dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長に就任。2008年FORPETS 代表取締役 兼 白金高輪動物病院院長に就任。2010年獣医循環器学会認定医取得。2011年中央アニマルクリニックを附属病院として設立し、総院長に就任。2017年JVCCに参画し、取締役に就任。子会社JVCC動物病院グループ株式会社代表取締役を兼任。2019年WOLVES Hand 取締役 兼 目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC院長に就任。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。