ペットとの暮らし方が変わる?? 若手起業家が挑む「シェアリングエコノミー」の未来とは | PET T

日本でペットのシェアリングエコノミーサービスを提供する、トリマーと飼い主のマッチングサービス「OneBox」代表の伊藤さんと、飼い主と愛犬家ホストのマッチングサービス「DogHuggy」代表の長塚さんの対談をお届けします。学生起業家の伊藤さんと、若干19歳で獣医学校を卒業して起業した長塚さんという平成世代の2人がペット業界のどこに問題を感じているのでしょうか?

皆さんは「シェアリングエコノミー」という言葉を聞いたことがありますか? シェアリングエコノミーとは、提供者が所有するモノ、サービスを、利用者が共有することにより成り立つ市場経済の仕組みを指す言葉で、最近話題の「Airbnb」や「Uber」が代表的なサービスです。

学生起業家の伊藤さんと、若干19歳で獣医学校を卒業して起業した長塚さんという平成世代の2人がペット業界のどこに問題を感じているのでしょうか? 安心・安全を重んじる日本でシェアリングエコノミーは浸透していくのでしょうか? 2人に伺いました。ぜひお楽しみください!

飼い主さんと愛犬が幸せに暮らせる環境を実現するために。

伊藤直樹(以下、伊藤) 長塚さんは高校まで獣医学校に通っていたそうですね。起業に至った経緯は何だったのですか?
長塚翔吾(以下、長塚) もともとペットが好きで、将来はペット関連の仕事に就きたいと思っていたんです。それで高校3年の始めまでは獣医師を目指していたのですが、高大一貫の授業で動物福祉を学び、日本と海外のペットと飼い主の暮らし方の差を知ったのですが、衝撃でしたね。
伊藤 というと?
長塚 イギリスやドイツ、アメリカといった動物先進国では、飼い主がきちんとしつけをするので、ケージなしでも電車にも乗れますし、公園もノーリードで散歩ができたりします。そして、ペットショップがないため、保護施設や認定ブリーダーからしか購入することができません。
しかし、日本はそういった環境ではありません。電車にはケージに入れないと乗れないし、ドッグランでしかノーリードで走り回らせることもできませんよね。それで、その環境を日本でも実現するために、飼い主同士で課題を解決したり、きちんとしつけができたりする社会を創りたいと思って起業しました。現在は、預けたい飼い主と預かっても良いホストをマッチングするサービス「DogHuggy」を運営しています。

#2PETTECHTALK1DogHuggy」は5月にリリースし、東京を中心に利用者を増やしている。 #2PETTECHTALK2 若干19歳の長塚氏

伊藤 僕は、もともと起業志向があったんです。なりたいなと思う大人が全員起業家だったことも影響しているかもしれません。学生の時にビジネスコンテストで優勝して、「AirBnB」や「メルカリ」などのCtoCビジネスに興味を持ちました。その中で、市場規模が1兆円ほどあるペット市場に注目し、高齢者の飼い主がいたり、仕事をしながら飼う人がいたりすることを知り、わざわざお店まで行かなくてもトリミングサービスが受けられるモデルを創ろうと思い、飼い主とトリマーのマッチングサービス「OneBox」を始めました。
#2PETTECHTALK3OneBox」は10月にベータリリースし、東京を中心に利用者を増やしている。現在はトリマーの募集を積極的に行っているとのこと。
#2PETTECHTALK4 学生起業家の伊藤氏

シェアリングエコノミーはペットとの暮らし方を大きく変える

長塚 リリースしてみて感じるのは、やはり日本では飼い主さんにも、世話をするホストさんにも不安を感じる方が多いなと感じています。どうですか?
伊藤 同じく、飼い主さんもトリマーさんも注意深い方が多いですね。そのために、応募されたトリマーさんには必ず面接をし、信頼できる方かどうかを審査をしています。
長塚 僕もホストは慎重に面接、審査をしていて、現在50人ほどホスト(一般のシッター)がいるのですが、飼育経験や保有資格、部屋の広さなど、細かいところまでチェックをしています。
伊藤 シェアリングエコノミーにおいて最も重要なことは、信頼できる人が集まっているかどうかですからね。
長塚 そうですね。ただ、実際にご利用いただいた飼い主さんからは、「ペットホテルに預けるのはケージでストレスがかかってしまうから不安だけど、部屋で世話してもらえるからすごく嬉しい」という声をいただきますし、ホストの方からも、「今は犬が飼えないので、犬と触れ合えて、癒しももらえるから嬉しい」という声をいただきます。
伊藤 人の余った時間や場所を人に提供することで価値を生み出すこと、これが「シェアリングエコノミー」ですよね。僕たちは、もうお店では働いていないけどトリマーの免許を持っている方の時間と技術を、お店に行きたいけど行くことができない飼い主の方に提供することで、新たな価値を見いだそうとしています。

#2PETTECHTALK5

すべての飼い主が平等にサービスを受けられる社会を創りたい

長塚 現在は関東にしかホストはいませんが、全国にホストを増やして気軽にペットを世話し合える環境を創りたいと考えています。そのインフラとして「DogHuggy」がありたいと思っています。
伊藤 僕たちも、今後高齢化社会が進む日本で、なかなか外に出られない飼い主でも、気軽に犬のトリミングができて、犬も清潔で喜べる環境を創りたいと思っています。
長塚 良いですね。そうすることで、ペットと人がストレスない社会を創りたいんです。人ありきではなく、犬の幸せを考えて一緒に共生できる社会が理想です。今後は、シッターマッチングだけでなく、ペットを飼う上での教育を推進していきたいですね。
伊藤 若い世代で日本でのペットと暮らし方をより良いものにしていきましょう! ありがとうございました。
長塚 ありがとうございました。

最後に

時間や場所、技術など、余っているモノ、使っていないモノを必要とする人に提供するシェアリングエコノミー。
ペット産業においても、さまざまな年代の飼い主がさまざまな環境でペットと過ごしています。そんな中、より便利で暮らしやすい環境を作りたいとサービスを立ち上げた両者。お店に行ってサービスを受けることが当たり前の時代ですが、こういったサービスが増えることで、もっとペットとの暮らし方が便利により良いものになるかもしれません。今後の両社に注目です!