ヨーロッパ初の公認ドギービーチを現地リポート 犬と快適に過ごせる工夫がいっぱい♪

ヨーロッパ初の公認ドギービーチを現地リポート 犬と快適に過ごせる工夫がいっぱい♪

9月の第2日曜日、スペイン南部のドギービーチで夏にお別れを告げる仮装パーティーが開催されました。直前までなかなか優れないお天気でしたが、夕方19時の開始時刻になると太陽が顔を出し、続々と参加者が集まってきました。当日の会場の様子とともに、ドギービーチができた経緯や犬と快適に過ごせる工夫をスペイン在住デザイナーの関根が現地リポートします。

ヨーロッパ初の公認ドギービーチが誕生



ヨーロッパ初の公認ドギービーチは、スペイン・バレンシア(Valencia)州アリカンテ(Alicante)県のアグアアマルガ(Agua amarga)という地中海に面した場所にあります。近くにはキャンピングカーなどが駐車することができるキャラバンビーチもあり、夏のバケーションシーズンにはスペインだけでなくヨーロッパ全土から多くの犬連れが訪れます。

このビーチは真っ白な砂のビーチではなく小石混じりなのが特徴で、犬の足が取られにくいのが嬉しいところ。ドギービーチは夏季のみの営業で、毎年6月1日に始まり、9月の第2日曜日に終わります。

オーナーが市に直接プレゼン

ドギービーチのオーナー、ホルヘ・ビダル(Jorge Vidal)さん

ヨーロッパ初の公認ドギービーチはどのようにできたのでしょうか? このビーチのオーナーであるホルヘ・ビダル(Jorge Vidal)さんはドッグトレーナーで、ずっと「犬のためのビーチ」で犬たちを自由に遊ばせたいと思っていました。しかし、犬をビーチに連れて行くことは衛生管理の理由から全面的に認められておらず、たとえ禁止の看板が立っていなくても連れて入らないのがマナーとされています。そのため公認のビーチを運営することはもちろん、ビーチで犬と一緒に遊ぶのも誰もいないような場所へ行くなどの苦労が伴ったと言います。

そこでホルヘさんは4年前の夏、アリカンテ市に対してビーチ開設のためのプレゼン資料を個人で作り、交渉の結果、1年間の試験期間を与えてもらうことに成功しました。ただ、市からの援助は一切なかったため、自費で全ての機材等を買い揃えて運営を始めたそうです。

オープンまでの道のりは平坦ではなかったことが伺えますが、ホルヘさんの想いの強さが市を動かし、試験期間を経て3年前にアリカンテ公認のドギービーチとしてオープンすることができました。自治体公認のドギービーチとしてはヨーロッパ初となったのです。

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スペインのアリカンテにはヨーロッパで最も有名なビーチがあり、夏休みシーズンには世界で最も多くの海水浴客が国内外から集まります。まさにビーチの聖地アリカンテが先駆けてドギービーチをつくったことで、その後スペインでは、ほかにもいくつかのドギービーチが見られるようになりました。

保護活動の拠点としても機能

募金活動の様子

スペインは日本同様いまだにペットの殺処分が大きな問題となっており、動物福祉の観点では世界の中でも遅れをとっています。しかしペットを飼っている世帯は全体人口の40%に達し、人々の動物に対する関心は高いと言えます。このビーチでは募金活動や里親探しの活動も行なっており、海の家の売り上げは保護活動資金に充てられています。オリジナルTシャツはそのチャリティーグッズの一つで、一枚10ユーロ(約1300円)で買うことができました。

チャリティーTシャツ
私が最後の2枚を買って売り切れてしまいました……


ビーチには犬と快適に過ごせる工夫がいっぱい

ドギービーチということで、犬と快適に過ごすための工夫がたくさんありましたので紹介します。

犬が水を無料で飲めるサービス

無料で出される犬用の水

「水を無料で飲める」というのは日本では当たり前のことのように感じるかもしれませんが、乾燥したスペイン南部では水が貴重なため、水を無料で飲めるバルなどは滅多にありません。しかしこのビーチにある海の家は、犬用の水がなんと無料で飲み放題です(人間用は有料です)。

ペット用メニューと日焼け止めの販売

犬用のメニュー

海の家では人間用のおつまみとは別に、犬用の飲食メニューが用意されています。スペインで密かなブームになっている犬用ビールもここで買うことができます。また、日焼けしやすい犬の鼻用に、専用の日焼け止めも販売。人間用の薬局のようにどこでも買えるわけではないので、このように海の家で買えるのは助かります。

犬の鼻用日焼け止めクリームに犬用ビール


サークルで囲まれた海の家

柵で囲まれた海の家

リードをつないだり遠くへ行ってしまうのを簡易的に防ぐために、海の家は木の柵で囲まれています。

自然の中の犬用トイレ

犬用トイレ

衛星管理のための犬用トイレを完備。海やビーチで遊ぶ前にそこへ連れて行き、ほかの犬の匂いがする場所で排泄が促されるように設計されています。

ビーチを利用する上での注意点は?

ビーチには利用上の注意を促す看板が立っています。

ドギービーチの注意看板

  • リードでつなぐこと
  • マーキングはさせないこと
  • 特定の犬種に限り口輪をつけること
  • しつけのされていない犬は入れないこと
  • ゴミは決まった場所へ捨てること
  • 楽しむこと

スペインでは海で楽しまないのはマナー違反。思いっきり楽しみましょう。

時間勝負の仮装パーティー

開始時刻直前に天気が回復し、愛犬家とその愛犬たちが集まってきました。みんな到着した瞬間は仮装していたのですが、そのまま海へ一直線の犬たちは開始5分で生まれたままの姿に。そんな自由でワイルドな地中海の犬たちを紹介していきます。

ナミ(Nami)&アジャラ(Aiala)&レイレ(Leile)

ラブラドールレトリバーとサモエド

サンフアン(San Juan)から来たラブラドールのナミとアジャラ、サモエドのレイレ。3匹で『パワーパフガールズ』に扮しています。アニメキャラクターとそれぞれの毛の色がぴったりマッチ。この3匹だからこそできた仮装です。

シア(Sia)&デューク(Duke)

2匹のグレートデーン

アルモラディー(almoradi)から来たグレートデーンのシアとデューク。二人はとても仲良しでいつもじゃれ合っていますが、怒ったりケンカをすることはないそうです。海にちなんでゴーグルをつけているのはデューク、シアはミニーちゃんのリボンをつけていましたが、すでに飼い主さんの手の中に。

ヨホ(Joch)

雑種犬のヨホ

エルチェ(Elche)から来た雑種犬のヨホ。とても賢く飼い主さんのいうことをよきく忠犬です。マントを用意していたそうですが、急いでいて忘れてしまったそうです。衣装はなくても波打ち際で黄昏(たそがれ)る後ろ姿が、とても絵になっていました。

テオ(Teo)

雑種犬のテオ

エルチェ(Elche)から来た雑種犬のテオ。友達と遊ぶのは大好きだけどちょっとだけ怖がりで、初対面の相手にはドキドキ。子犬に見えて実は4歳になるとのことです。童顔で愛くるしい男の子ですね。

リル(Lilu)&キナ(Kina)

2匹のチワワ

カンページョ(Campello)から来たチワワのリルとキナ。思いやり合える優しい2匹です。ライザ・ミネリ(Liza Minnell)というアメリカの女優がテーマの仮装です。とてもお上品に着こなしていました。

笑顔で溢れるドギービーチ

このドギービーチは一人のスペイン人の熱意によってオープンした愛情いっぱいのドギービーチです。夏季の営業期間中は愛護団体とコラボしたイベントも数多く開催するなど、地中海の美しさとともにみんなの幸せを願うスタッフの明るい笑顔がとても魅力的です。今年はこのイベントをもって終わりなので、また来年彼らに会えることを楽しみにしています。


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