犬のボディーランゲージとは?行動から読み取る犬の気持ち・種類を解説

犬のボディーランゲージとは?行動から読み取る犬の気持ち・種類を解説

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犬のボディーランゲージは、犬同士がコミュニケーションを取るためのものですが、すべての行動に意味があるため、よく観察すれば愛犬の気持ちを理解することができます。今回は「犬語」ともいわれる犬のボディーランゲージについて、意味や種類などを解説します。

犬のボディーランゲージとは

仰向けに寝転ぶコーギー

犬のボディーランゲージとは、耳・目・鼻・口・尻尾・姿勢などから、相手に自分の気持ちを伝える方法です。

犬の有名なボディーランゲージは、尻尾を振る行動です。「尻尾を振っていると喜んでいる」というのは、犬と暮らしていない人でも聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし、ボディーランゲージは体の一部だけでは判断できません。耳・目・鼻・口・尻尾・姿勢、犬の性格や周りの環境も考慮し初めて、犬の気持ちがわかります。

犬の心理から現れる表情の変化

下のイラストは、犬の表情が恐怖心から来るものなのか、攻撃心から来るものなのかを解説したもので、縦軸が「恐怖心」、横軸が「攻撃心」を表しています。

下に行くほど恐怖心が強く、横に行くほど攻撃心が強い表情です。

犬の表情のイラスト

恐怖心のある表情

いつもの散歩中に見知らぬものがあった時にはまず緊張します。さらに、その見知らぬものが突然動いたとしたら、犬でなくても驚いたり怖いと思ったりするでしょう。

恐怖の表情では、耳が後ろに倒れ、口元を引き結ぶ様子が伺えます。

恐怖心+攻撃心のある表情

恐怖でいっぱいのなか、逃げることができない場合に、恐怖対象であるものが近付いてくると、平常心から下へ進んだ矢印はさらに右へ伸びていきます。

逃げられないなら戦うしかなく、耳を後ろに倒し恐怖でいっぱいの中、必死に歯を見せて唸り「これ以上近づくなら噛むぞ!」という牽制している表情を見せます。

攻撃心のある表情

平常心から横のラインで例を考えてみると、知らない人がこちらを凝視してきたらまず警戒します。

「見るな」という気持ちを込め、小さく唸ることもあるでしょう。さらに対象人物が近付いてきたら、耳を前に向け、歯茎や犬歯を見せながら唸り威嚇します。いつ攻撃されてもおかしくありません。

攻撃心+恐怖心のある表情

攻撃心いっぱいのなかで、相手も同じように威嚇してきたり、何か「怖い」と思うことがあれば、平常心から右に進んだ矢印はさらに下へ伸びていきます。

興奮し攻撃する気満々でしたが、何か恐怖を感じ始めたら、耳を後ろに倒し、恐怖心と攻撃心が入り混じった表情が伺えます。

しかし、まだ「逃げる」という選択肢があるため、攻撃に出ず、尻尾を巻いて逃げることも考えられます。

このように、表情だけ見ても1つの感情のみではなく、複数の感情から犬の気持ちはある程度わかります。

犬が尻尾を振っているのは嬉しいとは限らない

プレイバウするコーギー

「犬が嬉しいときは尻尾を振っている」というのは有名な話ですが、その認識は少し違っていて、場合によっては尻尾を振っていても犬に噛まれることも起こり得ます。

なぜなら、犬は嬉しくて尻尾を振っているのではなく、興奮して尻尾を振っているためです。

犬は嬉しいときだけでなく、怒っていても興奮状態になります。そのため、尻尾だけを見て犬の気持ちを判断するのは難しく、危険といえるでしょう。

犬のボディーランゲージとカーミングシグナルの違い

犬のボディーランゲージとカーミングシグナルは、同じような意味で認識している方もいると思いますが、厳密には異なります。

カーミングシグナルは、自分や相手の気持ちを落ち着かせるため出る仕草です。

一方、ボディーランゲージは楽しい時や警戒している時などに見られる体の動きや行動で、耳・口・鼻・目・毛・尻尾・姿勢などの全身で表す「感情表現」です。


よく見られる犬のボディーランゲージ

ボディーランゲージは、基本的に犬同士でコミュニケーションするために使われる非言語ですが、威嚇や恐怖、喜びなどの表現は、人や他の動物にも示します。

嬉しい

喜ぶ犬

穏やかな表情で口角が上がり尻尾は振られている状態です。

恐い

海に怖がる犬

眉を寄せ、耳は後ろに倒れている状態で、体は低く尻尾は股の間に挟まれている状態です。

発見(警戒)

こちらを見る犬

耳や尻尾をピンと立たせ、相手をよく見て動かない状態。相手の出方によってこの後の反応が変わります。

威嚇

攻撃的に吠える犬
攻撃的に吠える犬
恐怖から吠える犬
防衛的な威嚇

瞳孔が開き、鼻にシワを寄せ、背中の毛を逆立てながら歯を見せ低く唸ります。さらに、攻撃的な威嚇の場合は耳と尻尾がピンと立って、前のめりな姿勢をしています。

防衛的な威嚇の場合は、耳は後ろに倒れ、尻尾も股の間にいれ、低い姿勢をしています。

服従

ごめんなさい
降参の意味の服従


指示に従う犬
積極的な服従

服従にも2種類あり「ごめんなさい」という降参的な意味と「私はあなたに従います」という積極的な服従があります。

お腹を出し、顔を背け、尻尾は股の間に入っているいわゆる「降参」は多くの人が知っていると思います。場合によっては、服従心でお腹を出しているわけではなく、安心しきってお腹を出して寝たり、撫でて欲しくてお腹を出したりすることもあります。

「積極的な服従」は姿勢を低くし、耳は後ろに倒れ、尻尾も下がっていますが、しっかりと相手の顔を見ています。

挨拶

犬同士の挨拶

散歩中やドッグランに行ったときなど、他の犬に会った際にお互いのお尻の匂いを嗅ぎ合う行動は、犬同士の挨拶です。

嗅覚の優れた犬はお尻の匂いを嗅ぐことで、相手の性別や健康状態、食べたものなどが分かるといわれています。

遊びに誘う

犬のプレイバウ

前かがみになり腰を上げ、尻尾を上げた姿は「プレイバウ」とも呼ばれ、相手を遊びに誘う行動です。

仲の良い犬にすることが多く、飼い主さんに対してもプレイバウで遊びに誘う犬もいます。


まとめ

楽しそうなコーギー

犬のボディーランゲージとは、耳・目・鼻・口・尻尾・姿勢などから、相手に自分の気持ちを伝えることを指します
ボディーランゲージは「感情表現」であり、カーミングシグナルは「仕草」です
体の一部を見ただけでは、犬の心理を判断することは難しい

犬の行動をよく観察することは、意識しないと難しいものです。

犬にはボディーランゲージやカーミングシグナルという非言語コミュニケーションがあるということを覚えておくことで、愛犬の心をより理解できるようになるかもしれません。