猫の気持ちは仕草や行動を見ればわかる?しっぽや耳から読み取るボディーランゲージ

猫の気持ちは仕草や行動を見ればわかる?しっぽや耳から読み取るボディーランゲージ

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「のどをゴロゴロ鳴らす」「しっぽを振る」「耳を後ろに倒す」など、猫は全身を使って気持ちを伝えます。実際に猫と暮らしている方は、しっぽや耳の向きなどから愛猫の気持ちがわかることもあるのではないでしょうか。今回は「猫語」ともいわれる猫のボディーランゲージについて解説します。

猫の気持ちが分かるボディーランゲージとは

見上げる猫

猫は「耳」「目」「ヒゲ」「しっぽ」「姿勢」など、鳴き声以外にも全身を使って、相手に自分の気持ちを伝えます

猫の気持ちがわかる行動としてよく知られているのは、のどを鳴らす「ゴロゴロ」ではないでしょうか。

「のどを鳴らすと喜んでいる」というのは、猫と暮らしていない人でも聞いたことがあると思います。しかし、ボディーランゲージは「耳」「目」「ヒゲ」「しっぽ」「姿勢」などを総合的に見ることが大切であり、猫の性格や周りの環境も考慮し、はじめて猫の気持ちがわかります。


猫の心理から表れる表情の変化

下のイラストは、猫の表情が恐怖心から来るものなのか、攻撃心から来るものなのかを解説したもので、縦軸が「恐怖心」、横軸が「攻撃心」を表しています。

下に行くほど恐怖心が強く、横に行くほど攻撃心が強い表情です。

猫の表情イラスト

恐怖心のある表情

部屋に突然見知らぬものが現れた時にはまず警戒(緊張)します。さらに、その見知らぬ物が突然動いたら、猫でなくてもびっくりしたり怖いと思ったりするでしょう。

恐怖の表情では、耳が後ろに倒れ瞳孔が開きます

恐怖心+攻撃心のある表情

恐怖でいっぱいのなか、逃げることができない場合に恐怖対象であるものが近付いてくると、平常心から下へ進んだ矢印はさらに右へ伸びていきます。

逃げられないなら戦うしかありません。耳を後ろに倒し、恐怖でいっぱいの中で必死に、歯を見せて唸り「これ以上近付くなら攻撃するぞ!」と牽制する表情を見せます。

攻撃心のある表情

対して平常心から横のラインで例を考えてみると、知らない猫がこちらを凝視してきたらまず警戒します。さらにその猫が近付いてきたら、耳を前に向け、歯茎や犬歯を見せ唸り威嚇します。

これはテリトリーを守るときなどが多く、いつ攻撃行動に出てもおかしくありません。

攻撃心+恐怖心のある表情

攻撃心いっぱいのなかで、相手も同じように威嚇してきたり、何か「怖い」と思うことがあれば、平常心から右に進んだ矢印はさらに下へ伸びていきます。

興奮し攻撃する気満々でしたが、何か恐怖を感じ始めたことで、耳を後ろに倒し、恐怖心と攻撃心が入り混じった表情をしていきます。

基本的に猫は攻撃よりも逃避を選ぶ動物ですが、追い詰められた逃げられない状態では、自分を守るために攻撃行動に移ります。

猫の気持ちを読み取るポイント

ボディーランゲージは、基本的に猫同士がコミュニケーションするために使われる非言語ですが、威嚇や恐怖、喜びなどの表現は人や他の動物にも示します。

嬉しい

子猫と母猫

しっぽがピンっと立ってすり寄ってくるときは「嬉しい」や「甘えたい」といった気持ちの表れです。

猫によっては、嬉しすぎて甘噛みをする子もいます。

恐い

怖がる猫

眉を寄せ、耳は後ろに倒れ、体は低く、しっぽは体にピタリと沿って丸めた状態です。

発見(興奮)

狙う猫

耳やしっぽをピンと立たせ、微かに揺れている状態で、相手をよく見て微動だにしません。

獲物を狙うときには、姿勢を低くし、物陰に隠れてタイミングを見計らってお尻をフリフリして飛び出して行きます。

威嚇

怒る猫

耳は相手に向けられ瞳孔が開き、背中の毛やしっぽの毛をを逆立てます

恐怖心が加わってくると、耳は倒れ、背中を高い位置で丸めしっぽのはピンと立ち全身が逆立ちます。

挨拶

猫同士の挨拶

猫同士の挨拶は、鼻と鼻をチョンっとくっつけます。しっぽを立てるなど友好的に近付きます。

機嫌が悪いとき

機嫌が悪そうな猫

犬とは異なり、しっぽを素早く振るときは、イライラしているときです。一人の時間も大切にしたい猫の「ほっといて」のサインです。

猫の不思議な行動から分かる気持ち

飼い主に甘える猫

ふみふみする

子猫が母猫のお乳を飲むときにする行動です。親離れした後でも不安なときやリラックスしているときに、ブランケットなどの柔らかい物の上で、両足を交互に動かして「ふみふみ」「もみもみ」します。

この行動は別名「赤ちゃん返り」といいます。


爪とぎをする

爪とぎをする主な理由は、爪のメンテナンス以外にも、ストレスの発散やマーキングという意味もあります。

爪とぎをしているだけで猫の気持ちを判断することは難しいため、前後の行動なども観察して考えてみましょう。

舐める

猫は体が柔らかいため、基本的には自分で全身のグルーミングが可能です。しかし、仲の良い猫同士では、お互いにグルーミングし合う行動も見られます。

もしも猫が飼い主さんの顔などを舐めてきたら、それは友好的な関係が築けている証拠です。飼い主さんもお返しに、自分では届きにくい首元などをなでてあげましょう。

読んでいる雑誌の上に乗ってくる

猫の不思議な行動に、目の前に邪魔しに来る行動がありますよね。雑誌やパソコンの上にドカっと座りこんでみたりして、こちらの様子を伺います。

この行動は「構ってほしい」「ご飯などの要求がある」など過去にしてもらったことを学習し、同じ行動を繰り返していることがあります。

猫の行動から気持ちを理解することが大切

仰向けになる猫

猫は全身を使って、相手に自分の気持ちを伝えます
体の一部を見ただけでは、猫の気持ちを理解することは難しいです
猫のボディーランゲージを理解するには「耳」「目」「ヒゲ」「しっぽ」「姿勢」などを総合的に見ることが大切です

猫の行動をよく観察することは、意識しないと難しいものです。

猫には鳴き声以外にも仕草や行動といった非言語コミュニケーション(ボディーランゲージ)があるということを覚えておくことで、いつもの生活も違って見えるかもしれません。