【トレーナー解説】犬に教えたい芸(トリック)!かわいい芸から面白い芸まで教え方を紹介

【トレーナー解説】犬に教えたい芸(トリック)!かわいい芸から面白い芸まで教え方を紹介

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犬の基本的な芸といえば「おすわり」や「フセ」などが挙げられますが、実は他にもたくさんあります。今回は、犬に教えたい芸についてドッグトレーナーの西岡が紹介します。芸を覚えるのが好きな犬には、ぜひ楽しみながら教えてあげてください!

犬の芸よりしつけを先に

座る犬

「しつけができている=信頼関係が築けている」状態で、芸を覚えさせるほうが好ましいため、基本的なしつけである「おいで」「伏せ」「待て」はできるようにしてから芸に挑戦しましょう。



【初級編】犬の芸

ハイタッチする犬

お手・おかわり

\動画を見てチャレンジ!/

お手・おかわりは、教えている飼い主さんが多いのではないでしょうか。

犬の前足を持った状態でおやつをあげることで教えることができるので、はじめての人でも簡単にできます。お手・おかわりの詳しい教え方は上記動画もしくは以下の関連記事をご覧ください。


ハイタッチ

ハイタッチは、お手の状態から少しずつ高さを変えながら、ご褒美を使って教えていきます。

  1. お手をさせる
  2. 手を出すだけでお手をしてくれたら徐々に高さを上げる
  3. ハイタッチの位置で繰り返す
  4. 「ハイタッチ」や「はーい」など、ハイタッチの指示語(コマンド)を付ける

おまわり・スピン

くるんとその場で回る「おまわり」は、おやつを使って簡単に教えることができます。

  1. おやつを持ち、犬の鼻先に持ってくる
  2. 犬の鼻先から円をかくように後ろに回し、犬が一回転したところで、おやつを与える
  3. 1〜2を繰り返す
  4. 動きに慣れてきたら「おまわり」や「スピン」などのコマンドを付けて繰り返す

あご

犬が手の上にあごを乗せてくるとってもかわいいしぐさです。

  1. 犬のあごに手を当てる
  2. その状態のまま、コマンドにしたい言葉を言いながらおやつを与える
  3. 1〜2を繰り返す

【中級編】犬の芸

バイバイ

ハイタッチの応用編でもあるバイバイは、ハイタッチを覚えてから教える方が簡単です。

  1. ハイタッチした状態から、少しずつ手が触れ合わないよう距離を取る
  2. 犬がハイタッチしようと前足を数回動かしたらおやつを与える
  3. 1〜2の繰り返し行い、前足を動かしたタイミングでコマンドをつけましょう

バーン

  1. 伏せた状態から体側面に沿っておやつを移動させる
  2. 後ろ足が崩れた状態になったらおやつを与える
  3. 繰り返しているうちに犬も楽な姿勢を探して体勢を変えるため、肩が地面に付いたところで「バーン」などの言葉(コマンド)を付けておやつを与える
  4. 1〜3の繰り返し

ハンドサインを付けたい場合は、コマンドに合わせて手をピストルの形にするなど、好きなハンドサインを一緒に見せてあげましょう。

ゴロン

  1. 伏せをさせる
  2. 鼻の前におやつを持った手を出し、ゆっくりと犬の首の後側へ移動させる
  3. 肩や背中が地面についたところで、おやつを与えて褒める
  4. 一回転して起き上がれるように、さらに誘導する
  5. 一通りの流れができるようになったところで、コマンドを付けて繰り返し練習する

ちん・ちょうだい

  1. おすわりの状態から始める
  2. 犬の顔の前におやつを持った手を見せ、真上に手を移動する
  3. その動きに合わせて犬の前足が浮いたとこでおやつを与える
  4. 徐々に前足を浮かせている時間を伸ばす
  5. 完全に前足が浮いた状態でお尻で座れるようになったら、好きなコマンドを付けて練習する
\One Point/

ミニチュアダックスフンドやコーギーなどの胴長犬種は「ちん」の姿勢はバランスを取ることが難しく、腰を痛めてしまったり、ヘルニアを引き起こしてしまったりする恐れがあるため避けましょう。


ジャンプ

ハードルを跳ぶ2匹の犬

  1. おやつで誘導して、飼い主さんの足をまたがせる
  2. 飼い主さんの足を越えられたら「ジャンプ(コマンド)」と言いながらおやつを与える
  3. 徐々に飼い主さんの足の高さをあげ、飛び越えることを教えていく
\One Point/

骨格がしっかりしていない子犬にジャンプを教えるのはやめましょう。成犬であっても、小型犬やミニチュアダックスフンド、コーギーなどの胴長短足の犬種では、着地するときに骨折や関節を痛めてしまう恐れがあるため、練習はおすすめしません。


スラローム

アジリティーの競技でも使用されますが、ここでは飼い主さんの足をジグザグに歩くこととします。

  1. 犬を飼い主さんの右側に座らせた状態で、飼い主さんは左足を一歩前に出す
  2. 1のときに、犬を足の間を通すように左手で誘導する
  3. 次に右足を一歩前に出して、今度は右手で足の間を通すように誘導する
  4. 1〜3を繰り返す

【上級編】犬の芸

上級編はおやつでの誘導が難しかったり、初級や中級の芸を組み合わせて行うものだったりと難易度が上がります。

おじぎ

犬のプレイバウ

おじぎはいわゆる「プレイバウ」と呼ばれる犬が相手を遊びに誘うときに取る姿勢です。

  1. 犬のお腹の下に腕を入れた状態で、伏せをさせる
  2. 1のとき、犬の腰が下がらないようにお腹の下に入れた腕で支える
  3. 前足の肘までが地面についた状態でおやつを与える
  4. 3のとき「おじぎ」や「こんにちは」などのコマンドも一緒に言う

フェイス

フェイスは犬が顔(マズル)に手をかけるしぐさです。これは、おやつで誘導することは難しいので、クリッカーを使って教えることをおすすめします。

  1. 犬の鼻の上に千切ったティッシュなどを置く
  2. 犬がそれを取ろうと鼻に前足を掛けたときにクリッカーを鳴らし、おやつを与える
  3. 1〜2を繰り返す
  4. 自発的に前足を鼻に掛けるようになったら、コマンドを言いながらおやつを与える


バック・ムーンウォーク

後ろ向きで歩くバックは、はじめは壁や椅子などの障害を使って、犬がターンできない状況でゆっくり前から後ろへ誘導するのがベストです。

このとき気を付けたいのが、使用する障害が倒れやすいものや音が出やすいものにすると、犬が集中できなくなったり、ものが自分のすぐ側で倒れたときにトラウマになる恐れがあるので注意しましょう。

鼻パク

マズル(鼻先)の上におやつをおき、「よし」などの開放の合図で犬が下におやつを落とすことなく食べる芸のことを指します。

まずは、「あご」ができることと「待て」ができることが重要です。

マズルの上に乗せられても、さらに空中で食べるというのは愛犬自身がコツを掴んでくれるしかないでしょう。

できるようになるためのヒントとして、飼い主さんが投げたおやつを空中でキャッチして食べられるようにすることからはじめてみてください。

犬に芸を教えるときのポイントと注意点

物陰から覗く犬

おやつはほどほどに

新しく芸を教えるときには一番簡単なのは、おやつを使って誘導することです。

飼い主さんもやりやすく、犬もわかりやすいやり方です。しかし、夢中になっておやつを使うことで、肥満になる恐れがあります。

1日の食事の中からトレーニングに使うフードを取り、そこから使うようにするのがおすすめです。

無理はさせない

飼い主さんが教えたいと思う芸の中には犬にとって難しい行動や姿勢のものもあるかもしれません。

決して無理をさせないで、できる範囲で教えてあげましょう。

コマンドは聞き取りやすい言葉で

指示語となるコマンドはどんな言葉でも大丈夫ですが、犬にとって「聞き取りやすい言葉」や「似た言葉を使わない」ようにしましょう。

例えば、「おすわり」「おまわり」「おわかり」のように似た言葉がいくつもあると、犬は混乱するため、おすわりは「座れ」や「座って」にするか、「おまわり」は「スピン」や「くるん」などの言葉に変えてあげるなどの工夫が大切です。

また、日常的に使うコマンドは飼い主さんにとっても使いやすい言葉を選ぶようにしましょう。

犬と楽しみながら芸を教えよう!

回る犬

「可愛い!」「すごい!」と飼い主さんが喜ぶ姿が、犬たちにとってもとても楽しい時です。

犬に芸を教えるのは、犬との楽しい時間を過ごすためのコミュニケーションツールの一つと考えましょう。

犬に芸を教えることは「しつけ」とは違います。あくまで「できたらいいね」という気持ちで、楽しく教えることが大切です。


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