【トレーナー解説】犬が脱走する理由とは?脱走したときの探し方や脱走させないためのしつけを解説

【トレーナー解説】犬が脱走する理由とは?脱走したときの探し方や脱走させないためのしつけを解説

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愛犬が脱走した場合、思わぬ事故に巻き込まれたり、迷子になって帰ってこれなくなってしまう恐れがあります。脱走しないような環境づくりやしつけで、脱走対策を普段から行いましょう。万が一愛犬が脱走してしまったときの探し方と合わせて、ドッグトレーナーの西岡が犬の脱走対策について解説します。

犬が脱走する理由

外を眺める犬

怖い・嫌だという危機回避

「知らない人」や「苦手な犬」「初めて見るもの」など、何か怖い、嫌な思いをしたときには飼い主さんの声も耳に入らなくなり、走り出す場合があります。

驚き・パニック

雷や地震、急な出来事に驚きパニックになる犬もいます。身の危険を感じた犬は、逃げ場を求めて走り出してしまうパターンです。

怖がりだったり、外に慣れていない犬の場合、「路上に落ちているコンビニの袋が風で動いた」「車が横切った」「飼い主さんが踏んだ砂利の音」などでもパニックになることも。

初めて出会う刺激に対して過剰に反応する犬は特に要注意です。

好奇心

「大好きなボールが飛んでいってしまった」「懐かしいにおいや好きな人を見つけた」など、好奇心のまま、その対象に向かって走り出すことがあります。

特定のものではなく、単純に「あっちには何があるんだろう」という場合に、脱走できる環境なら無意識に家の敷地などから出るという可能性もあります。

本能的行動

去勢していない犬の場合には、繁殖しようとメスを探す行動が増えます。

本能による脱走の場合には、相手の犬、飼い主さんにも迷惑をかけることになります。繁殖を考えないのであれば、早いうちの去勢手術をおすすめします。


犬が脱走したときの対処法

散歩中の犬

愛犬が脱走してしたときに大切なことは慌てないこと。状況を把握して適切な対応を心がけましょう。

見失わないようにする

犬が目の前で脱走した場合、見失わないように落ち着いて追いかけましょう。可能であれば、すぐに愛犬と親しい人に協力してもらえるように連絡することも大切です。

びっくりして、パニックになって走り出した場合には、たとえ名前を呼んだり静止のコマンドをかけたりしたとしても聞こえていないことがほとんどです。

何かに惹かれてふらっと走り出したのであれば「おやつ!」とおやつの袋をガサガサしたり「ボール!」など愛犬の「好きな音(言葉)」を言うことで立ち止まってくれることもあります。




警察と保健所に連絡する

「完全に見失った」「いつ脱走したかわからない」場合には警察と保健所に連絡し、保護されていないか確認すること、迷子になってしまったことを伝えましょう。

愛犬が保護されたときに一報がもらえるよう伝えることと、捜索中も2、3日おきにこまめに確認の連絡を入れると早期発見につながるかもしれません。

また、中型犬以上の場合は1日に5km以上移動することもあるため、隣町の警察・保健所にも連絡・問い合わせを行うことをおすすめします。

動物病院に連絡する

交通事故に遭い、誰かが保護し、動物病院の診察を受けている可能性もあります。近隣各地の動物病院に問い合わせてみましょう。

脱走した犬の探し方

犬に聞き込みする人

ポスターやチラシ配布

古典的な方法ですが、よく使われる捜索方法です。

目撃情報を集めるために、逃げた場所や散歩コースなど愛犬が行きそうな場所周辺でチラシ配布、もしくは周辺施設にポスターを貼ってもらえないか交渉しましょう。

ポスターやチラシは、以下の情報などを簡潔にまとめたものを作成することをおすすめします。

  • 愛犬の写真
  • 名前
  • 毛色や大きさなどの特徴
  • 着用物(首輪や鑑札など)
  • 逃げた場所と日時
  • 飼い主さんの連絡先
  • 注意事項

誰かに見つけてもらえたとして、見知らぬ人に追われることで余計に逃げることもあります。

ポスターやチラシはあくまで目撃情報を集める手段とし、捕獲には飼い主さんや愛犬と親しい間柄の人に協力してもらうのが良いでしょう。

オンラインで情報発信

「Facebook」や「X」「Instagram」などのSNSに迷子犬の情報を掲載し、情報提供を呼びかける方法です。

SNSは比較的拡散もされやすいため、情報収集に大いに役立ちます。情報提供者が連絡が取れやすいよう、コメント欄やメッセージボックスはオープン状態にしておきましょう。

愛犬を脱走させないためのしつけと対策

迷子札と犬

大切なのは「犬が脱走できる環境を作らないこと」と「しつけを行うこと」です。

「呼び戻し」と「待て」のしつけ

しつけで重要なのは「呼び戻し」と「待て」です。呼び戻しができれば、飛び出してしまってもすぐに捕まえることができます。

また、飼い主さんの元へ戻ってこれなくてもその場から動かないでくれるだけでも、事故防止として有効なため「待て」の練習もしておきましょう。

詳しいしつけ方については関連記事をご覧ください。



関連記事

飛び出し防止ゲート

一番脱走の多い玄関飛び出し防止ゲートを置くことで、脱走のリスクを減らすことができます。

迷子札とマイクロチップ

どんなに対策をしていても、いつどんなタイミングで脱走してしまうかはわかりません。日頃から迷子札やマイクロチップなどの対策も必要です。

まだマイクロチップを挿入していない場合はマイクロチップの挿入を検討してみてください。


犬には帰巣本能がある?

家から顔を出す犬

脱走した、迷子になった犬が、自宅に戻ってきたという事例はありますが、犬の帰巣本能は科学的に解明されていません

そのため「ある」とも「ない」ともいえず、脱走対策を取るに越したことはなさそうです。

まとめ

玄関前で待機する犬
犬の脱走は危機回避やパニック、好奇心がほとんどです
飼い主が冷静に対応することが重要です
日頃から「呼び戻し」と「待て」をしっかり覚えさせましょう
帰巣本能に期待せず、脱走対策はしましょう
当たり前の日常は、簡単に崩れます。

大切な家族である愛犬を守るために、飼い主しかできないことを日頃から考えて家族で対策を立てておきましょう。


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