
犬や猫の飼い主の方は、獣医師のすごさを感じているのではないでしょうか?人間の医師は、眼科や内科、外科まで幅広い医療科に分かれています。しかし、獣医師は犬や猫などのさまざまな種類を対応し、眼科から内科、外科まであらゆる医療行為を担当しなければなりません。
そんな獣医師のすごさに感銘を受けた一人の医師がいます。バーバラ・ナッターソン・ホロウィッツ。UCLA医学部循環器部門における医学部の教授(心臓専門医)です。
彼女は、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なうTEDで、獣医師と医師がタッグを組むことで、不治の病を解明できたり、医療の発展に役立つのではと提案しています。
2004年、UCLAの循環器医であった彼女は、一本の電話で人生が変わります。その電話は、ロサンゼルスの動物園の獣医師からでした。
老齢のチンパンジーが目を覚ますと顔がたるんでいたため、脳卒中ではないかと疑い、心臓の画像診断を専門にしていた彼女にアドバイスを求めてきたのです。
結果的に、このチンパンジーは脳卒中ではなかったことがわかります。それからは、ゴリラやインコ、ライオンまで、さまざまな動物の命を獣医師と医師の力を合わせ、救ってきました。そして驚くべきことに、これらの救命処置は、手足や尻尾を除いて人間に施すのと同じなのです。
そうして、彼女は医療の本質に気づきます。
人間と同じように、犬や猫などの動物にも、心不全や脳腫瘍、白血病、糖尿病、関節炎、ALS、乳癌、うつ、不安、強迫症、摂食障害、自傷行為があります。
それを肌で感じた彼女は、なぜ今まで医師と獣医師がタッグを組まず、意見を求めたり、獣医学の文献を読んだりしなかったのかと感じます。なぜなら、私たち人間が服している薬も、初めは動物で試験をしているからです。
それにもかかわらず、医師が獣医師と寄り添ってこなかった根本的な原因は、人間が特別であることへの想いだと彼女は言っています。
その後、彼女は人間の診断を行うたびに、自分が分からない問題について獣医師は何を知っているのかを考えるようになります。人を動物のくくりで見れば、もっと人間の患者をうまく診られるかもしれないと。
この確信を持ったのは、「心不全」がきっかけでした。
2000年ごろ、循環器科医によって心不全は感情がきっかけで引き起こされると発見されました。しかし、猿や兎まで幅広い診断をしてきた獣医師は、1970年代から心不全の原因を知っていて予防までしてきたと言うのです。もし、これが循環器科医に伝えられていれば、どれだけの人の命が救われてきたのかと思い知らされます。
例えば、人間で産後うつになり、赤ちゃんを無視し、授乳を拒否することが多くありますが、馬でも同じような現象が起こります。そして、獣医師は血中オキシトシンの増加と関わりがあることを知っているのです。その知識が臨床心理士やホームドクター、そして医師に手渡されるべきなのではないかと、彼女は論じています。
しかし、まだまだ医師と獣医師の間には大きな隔たりがあると言っています。それは医師が獣医師を下に見ていることだと。
現在、彼女はこの隔たりをなくすために、医科大学と獣医学部を一緒にした全動物カンファレンスを開き、動物と人間の医療について議論する場を作っています。
最後に彼女はこう語っています。
動物試験をクリアした薬が人間に与えられているように、人間用の薬が動物にも与えられています。今後の医療は、医師と獣医師がタッグを組むことで大きく進歩するかもしれません。
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そんな獣医師のすごさに感銘を受けた一人の医師がいます。バーバラ・ナッターソン・ホロウィッツ。UCLA医学部循環器部門における医学部の教授(心臓専門医)です。
彼女は、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なうTEDで、獣医師と医師がタッグを組むことで、不治の病を解明できたり、医療の発展に役立つのではと提案しています。
2004年、UCLAの循環器医であった彼女は、一本の電話で人生が変わります。その電話は、ロサンゼルスの動物園の獣医師からでした。
老齢のチンパンジーが目を覚ますと顔がたるんでいたため、脳卒中ではないかと疑い、心臓の画像診断を専門にしていた彼女にアドバイスを求めてきたのです。
結果的に、このチンパンジーは脳卒中ではなかったことがわかります。それからは、ゴリラやインコ、ライオンまで、さまざまな動物の命を獣医師と医師の力を合わせ、救ってきました。そして驚くべきことに、これらの救命処置は、手足や尻尾を除いて人間に施すのと同じなのです。
そうして、彼女は医療の本質に気づきます。
医師も獣医師も、患者こそ動物や人間であっても、本質的に同じ病気を見ているのです。
人間と同じように、犬や猫などの動物にも、心不全や脳腫瘍、白血病、糖尿病、関節炎、ALS、乳癌、うつ、不安、強迫症、摂食障害、自傷行為があります。
それを肌で感じた彼女は、なぜ今まで医師と獣医師がタッグを組まず、意見を求めたり、獣医学の文献を読んだりしなかったのかと感じます。なぜなら、私たち人間が服している薬も、初めは動物で試験をしているからです。
それにもかかわらず、医師が獣医師と寄り添ってこなかった根本的な原因は、人間が特別であることへの想いだと彼女は言っています。
その後、彼女は人間の診断を行うたびに、自分が分からない問題について獣医師は何を知っているのかを考えるようになります。人を動物のくくりで見れば、もっと人間の患者をうまく診られるかもしれないと。
この確信を持ったのは、「心不全」がきっかけでした。
2000年ごろ、循環器科医によって心不全は感情がきっかけで引き起こされると発見されました。しかし、猿や兎まで幅広い診断をしてきた獣医師は、1970年代から心不全の原因を知っていて予防までしてきたと言うのです。もし、これが循環器科医に伝えられていれば、どれだけの人の命が救われてきたのかと思い知らされます。
例えば、人間で産後うつになり、赤ちゃんを無視し、授乳を拒否することが多くありますが、馬でも同じような現象が起こります。そして、獣医師は血中オキシトシンの増加と関わりがあることを知っているのです。その知識が臨床心理士やホームドクター、そして医師に手渡されるべきなのではないかと、彼女は論じています。
しかし、まだまだ医師と獣医師の間には大きな隔たりがあると言っています。それは医師が獣医師を下に見ていることだと。
現在、彼女はこの隔たりをなくすために、医科大学と獣医学部を一緒にした全動物カンファレンスを開き、動物と人間の医療について議論する場を作っています。
最後に彼女はこう語っています。
我々が人間の患者をケアできる最良の方法の一つは、この惑星に住む人間以外のすべての患者に対して、どのように生き、成長し、病気になり、癒すかに深い注意を向けることによるのです。
動物試験をクリアした薬が人間に与えられているように、人間用の薬が動物にも与えられています。今後の医療は、医師と獣医師がタッグを組むことで大きく進歩するかもしれません。