【トリマー解説】老犬が負担にならないシャンプーやり方!頻度や方法、注意点も

【トリマー解説】老犬が負担にならないシャンプーやり方!頻度や方法、注意点も

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愛犬が老犬になってきたら、健康リスクの理由から、サロンでシャンプーができないことがあります。しかし老犬も体を清潔に保つことは大切です。老犬のシャンプーの頻度や注意点、寝たきりの場合などの負担をかけない方法などを、現役トリマーの大森が解説します。

老犬(シニア犬)にシャンプーは必要?

老犬

老犬(シニア犬)とは、一般的に小型犬・中型犬で7〜8歳、大型犬だと6歳〜といわれています。

老犬(シニア犬)といえど、体を洗わずにいると体臭や皮脂、汚れなどが目立ってくるため、定期的にシャンプーをしてあげる必要があります。

また、清潔を保つだけでなく、皮膚炎やフケ予防などにもなるため、シャンプーは健康管理としても大切です。

ただし、老犬(シニア犬)にとってシャンプーは体への負担が大きくストレスになることもあります。

頻度・時間ともに少なくしてあげることが老犬のシャンプーのポイントです。

老犬(シニア犬)のシャンプーの頻度

基本的に犬のシャンプーの頻度は月一回が目安とされていますが、老犬(シニア犬)のシャンプーの頻度は2カ月に一回を目安に、体調を見ながら行いましょう。

頻度はあくまで目安です。「心臓が悪い」「持病がある」などの場合は、もっと頻度を減らし、そのときの体調、気候の良い時を選んでシャンプーをしてあげるのが良いでしょう。

一般的にはシャンプーと併せて爪切りや耳掃除、カットを行うことが多いですが、体の負担を少なくし、より短時間で済ませるために、日を分けて行うのも一つの方法です。

「持病がある」「寝たきり」の場合

心臓病などの病気や寝たきりの場合、無理に老犬(シニア犬)にシャンプーする必要はありません

ブラッシング後、お湯でタオルを濡らし固く絞って体全体を拭いてあげるだけでも全然違います。

体臭が気になる場合は、シャンプータオルで拭いてあげることで臭いの軽減にもなります。


老犬(シニア犬)はトリミングサロンに行けない?

店舗によって年齢制限は変わるため、行きつけのトリミングサロンや利用したいサロンへ事前に確認してください。

健康状態によっては、年齢に限らずできる場合とできない場合がありますので、持病がある際は事前確認の際に伝えておくと良いでしょう。

高齢の場合、お出かけ自体がストレスになることがあります。

てんかんなどの持病があると、ストレスが原因でシャンプー中に発作を起こすこともあり、老犬(シニア犬)がサロンで断られている理由の一つでもあります。拒否されても愛犬へのリスクのためとご理解ください。

老犬(シニア犬)のトリミングサロン店選び

年齢や体調を理解して対応してくれるサロンを選ぶことが大切です。

動物病院併設または系列のサロン

動物病院と連携をしているトリミングサロンは、体調が急変したときに直ぐに対応してもらえるところが多いです。

また、かかりつけの動物病院に近いサロンでは正式な連携体制をとっていなくても対応してくれることもあるので、サロンへ相談すると良いでしょう。

いずれにしても、病院の診察時間内にシャンプー予約をするのがポイントです。

出張トリミング

出張トリミングならトリマーが自宅へ来てシャンプーをしてくれるため、愛犬にとっても普段の生活の中でできるのでサロンよりはリラックスできるでしょう。

出張トリミングでも何回かに分けて行いたい場合、優先してケアしてもらいたい部分を事前に伝えておきましょう。

老犬への負担をかけないシャンプーの方法

高齢でサロンへ連れて行くのが難しい場合、ポイントさえ押さえれば自宅でシャンプーをすることも可能です。

老犬(シニア犬)ならではの注意点を把握した上で基本のやり方に沿ってシャンプーしてあげましょう。

基本のシャンプーの方法はこちらの動画をご覧ください。




01【老犬シャンプーの方法】 短時間でシャンプー・ブローする

老犬のシャンプーの方法

どこが汚れているか確認する

バスタブに入っている間はお湯の湿度で苦しくなり、咳や呼吸困難になる場合もあります。

心臓にも負担がかかるため、短時間で洗ってあげることが大切です。

シャンプーをする前に、どこが汚れているのか確認しておくと、効率よく洗えます。

汚れやすいところを把握する

「耳」「目頭(目やに)」「肛門周り」「足先」「指の間」など汚れやすいところを把握し、しっかりポイントで洗うことによって時間短縮になります。

また、こまめに舌や歯茎の色が白くなっていないかなどを確認して、早くシャンプーを終わらせてあげましょう。

リンスはしなくても良い

リンスは指通りを良くするためのものなので、しなくても良いです。また、シャンプーが難しい場合はドライシャンプーでも良いでしょう。

吸水性の高いタオルを使う

毛を乾かすときは、吸水性の高いタオルで根本からしっかりと乾かしましょう。

内臓を冷やさないために、お腹から乾かすと良いでしょう。

02【老犬シャンプーの方法】 お湯の温度は低めに

老犬のシャンプーの方法

皮膚疾患がある場合、熱いお湯が刺激となり皮膚が痒くなることがあります。特に冬の寒い季節は人と同じく熱いお湯だと体がびっくりすることがあります。

また、心臓病など持病がある場合、熱いお湯だと湿度で苦しくなり、咳や呼吸困難になることがあります。

そのため、お湯の温度は36度前後が良いでしょう(気候や愛犬の体温、体調に合わせて調節してください。)。

03【老犬シャンプーの方法】低刺激のシャンプー

シニア期は肌が弱くなったり皮膚疾患を抱えることが多いため、低刺激のシャンプーや薬用シャンプーが良いでしょう。

また、短時間でシャンプーを終わらせるにはリンスインシャンプーもオススメです。

※薬用シャンプーに関しては、獣医師に相談の上使用してください。

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犬種別の老犬シャンプーの注意点

犬種別シャンプーの注意点

ダブルコートの犬種

柴犬や秋田犬、コーギーなど毛が密なダブルコートの子は、シャンプー剤が皮膚に浸透するよう、しっかり地肌まで濡らしてからを付けて洗うようにしましょう。

短毛種

チワワ、ダックスフンドなど短毛種の場合は、乾かしづらい指の間、鼻周りなどをしっかり拭いておくことにより、乾燥が早くなります。

長毛種

トイプードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、ミニチュアシュナウザーなどの長毛種は子犬の場合、特に毛が細く柔らかいため、しっかり乾かさないと毛もつれや毛玉になります。

スリッカーブラシを使ってドライヤーで当てながら乾かしたあと、コームで毛が絡まっていないか確認するようにしてください。

そのまま自然乾燥したり、手で乾かしたりすると毛玉の原因になります。

短頭種

「パグ」「フレンチブルドッグ」「ボストンテリア」など短頭種の場合、他の犬種よりも鼻が低いため、水を嫌がりやすい傾向にあります。

シャワーを嫌がる場合は、スポンジを使って優しく濡らしてあげるようにしてください。

まとめ

老犬のシャンプー
シニア犬(老犬)のシャンプーは短時間で終わらせましょう
2カ月に一回を目安に、体調を優先して
お湯の温度は36度前後を目安に体調を見て調節を
もしもに備えて病院の診察時間内にシャンプーしましょう
愛犬がいつまでも快適に、清潔に過ごせるよう、体調を第一優先にしつつ愛犬に合ったケアをしてあげましょう。

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この記事を監修している専門家

佐藤貴紀獣医師

獣医循環器学会認定医・PETOKOTO取締役獣医師

佐藤貴紀獣医師

獣医師(目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC、隅田川動物病院、VETICAL動物病院)。獣医循環器学会認定医。株式会社PETOKOTO取締役CVO(Chief veterinary officer)兼 獣医師。麻布大学獣医学部卒業後、2007年dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長に就任。2008年FORPETS 代表取締役 兼 白金高輪動物病院院長に就任。2010年獣医循環器学会認定医取得。2011年中央アニマルクリニックを附属病院として設立し、総院長に就任。2017年JVCCに参画し、取締役に就任。子会社JVCC動物病院グループ株式会社代表取締役を兼任。2019年WOLVES Hand 取締役 兼 目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC院長に就任。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。