
犬猫たちの幸せが一番の返礼品♪ ふるさと納税で動物支援プロジェクトスタート
ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」は1日(月)、ふるさと納税を動物支援に活用する全国の自治体と連携した動物支援プロジェクトをスタートしました。猫の不妊去勢手術の助成や動物の保護シェルター建設などの事業を行う5つ自治体が参加し、ふるさと納税の利用が増加する年末へ向けた情報発信の強化を行います。
動物支援プロジェクトを行う各自治体の事業概要
各自治対の事業概要は以下の通りです。長野県千曲市

- 事業名:無秩序な猫の繁殖を防ぎ、人と猫のより良い共生を叶えたい!
- 募集額:100万円
- 期間:2018年10月1日〜2018年12月31日(92日間)
- 概要:飼い主のいない猫の繁殖を防ぐために不妊去勢手術の助成を行い、無秩序な猫の繁殖を防ぎ、交通事故や殺処分の対象となる猫を減らし、「人と猫が共生できる社会」の実現を目指す。
岡山県吉備中央町

- 事業名:競馬で沸かせたあの馬は今…引退馬を守りたい!馬たちに明るいセカンドキャリアを
- 募集額:1800万円
- 期間:2018年8月7日〜2018年12月31日(147日間)
- 概要:引退した馬たちは行き先がほとんどないと言われ、多くの命が、人知れず殺されている可能性がある。競走馬にはなれなくても、1頭1頭の馬には、愛情を受ける権利があり、理不尽な殺処分からは守られるべきである。このプロジェクトでは引退した競走馬を殺処分から救い、命を全うさせるべく「ホースセラピー馬」「障害飛越競技馬」等で活躍できるように、「リトレーニング(再調教)」を行う。
山形県遊佐町

- 事業名: 【第二弾】市民と協働!猫の不妊・去勢支援で、不幸な猫の命を守りたい~人と動物が共生できる社会をめざして~
- 募集額:100万円
- 期間:2018年9月5日~2018年12月5日(92日間)
- 概要:遊佐町では、「人と動物が調和し共生できる社会」を目指し、県内で唯一2016年度から「遊佐町猫不妊去勢手術費補助金」と「遊佐町動物保護団体活動支援事業補助金」をスタートしている。猫の不妊・去勢手術費用の一部を補助することにより、適正な飼養を行うことができない猫の繁殖及び近隣被害を未然に防止し、また、動物の救護、保護、譲渡、動物愛護及び啓蒙活動などの保護活動を行う団体に補助金を交付し、活動を支援する。
佐賀県

- 事業名:動物の殺処分削減と保護活動活性化を推進!保護シェルター建設プロジェクト
- 募集額:300万円
- 期間:2018年7月26日~2018年10月31日(98日間)
- 概要:老犬というだけで遺棄されたり、病気になったので医療費がかさむと言う自分勝手な理由で飼育放棄される動物を保護し、年間を通じての保護動物の譲渡数の向上と改善のための保護シェルターを建設する。
和歌山県和歌山市

- 事業名:殺処分“ゼロ”を目指して!猫たちの【不妊去勢手術】の実現にご協力ください!
- 募集額:1800万円
- 期間:2018年5月23日~2018年12月31日(223日間)
- 概要:2019年度から業務開始する動物愛護センターで、【野良猫の不妊去勢手術の実施】【新しい飼い主さんへの譲渡促進】を行う。和歌山市での去勢手術可能頭数が増やし、地域猫対策を強力に進め、譲渡促進することで、殺処分の悪循環を断ち切る。
本稿では、1日(月)に行われた記者説明会の内容を一部抜粋して紹介します。
「競争」から「共創」へ 〜広域連携GCFで動物支援〜

トラストバンク浪越達夫氏
ガバメントクラウドファンディング(GCF)は、それぞれの自治体さんが掲げる課題に共感を頂いて、寄付を頂く仕組みです。(GCFは)2013年にスタートして、去年は111プロジェクトが立ち上がったのですが、今年は250から300までいくんじゃないかというくらいに数が増えてきています。
このガバメントクラウドファンディングにはいろいろなプロジェクトがあります。「貧困家庭の子どもを支援しよう」というのから、「宇宙に行こう」というプロジェクトもあります。「自分たちの町でエネルギーを作ろう」だったり、本当にたくさんのプロジェクトを開催していただいています。

「貧困家庭の子どもたちを救おう」という取り組みと、「1型糖尿病という治らない病気の子どもたちを何とか治るようにしよう」という取り組みがあって取り組んでいる地域は違うんですが、子どもたちを救おうという同じ目的なんですね。
子どもたちの環境を改善しよう、もっと幸せになってもらおうという子どもを軸としたものであれば、地域の課題ではなくて、子どもを救おうという全国の課題ですよね。じゃあ一緒に連携して、発信力を大きくしてノウハウも共有して、全国の課題として寄付を集め、解決に導く取り組みを強化しようという取り組みです。これが今日お話しさせていただく広域連携型ガバメントクラウドファンディングです。

地域共通の課題を全国の課題にすることで、ふるさと納税は「競争」とよく言われるんですが、そうではなくて、「共に創る」ですね。お互いに協力して、連携して、より良い地域、住む場所を作っていこう、人を幸せにしていこうという取り組み。「競争」から「共創」へということが今回の発表のテーマの一つになっています。
ガバメントクラウドファンディングを通じて、「共に創る」という状態を今後、我々としても強化していきたいと考えています。
このように日本の課題に対しての寄付だったり取り組みだったりとなってくると、今まで地域の取り組みだったのが、共感規模が大きくなるとそれだけ民意が反映されるということで、「政府が行うような施策」「政府が持っているような影響力」というのを地域間の連携で発揮していきたいと考えています。

もともとふるさと納税は、地域のためにということで、クラウドファンディングに近いものなんじゃないかなと考えています。そういった意味でも広域連携型のクラウドファンディングを広めていきたいです。
可能性というところでは、連携による「発信力強化に伴う共感と寄付金の増加」、そして「経験やノウハウの共有による課題解決力の強化」ですね。地域ごとに詳細な課題構造は違うんですけど、やっぱり(同じテーマで)限定することによって共通したノウハウを共有して、みんなで一緒にやったほうが効果的に地域のためになりますよねということで、僕らとしても課題共有の場は設けていきたいなと思います。
そして3番目に「日本が抱える大きな課題に対して寄付者の意思が直接反映」ですね。政府のような影響力が持てる。こういったことができるんじゃないかなと思っています。
先日、第1弾として2020年に向けた取り組みを発表させていただきました。今日は第2弾の発表となります。第2弾が動物支援プロジェクトということで、「ふるさと納税で罪のない動物たちの殺処分を無くす活動を応援して『人と動物の共生する日本』を実現したい!」というのが本日オープンしました広域連携型ガバメントクラウドファンディングの第2弾となります。
動物愛護の活動をしている自治体さんは、いっぱいいろんなことをやっていらっしゃいます。そういった皆さんが同じことをやっている自治体さん同士で協力して発信力を大きくして、こうした課題解決のために寄附者さんの共感を得ましょうということが、このプロジェクトの目的です。今回ご参加いただいた取り組みは、いろいろな人間の都合によって不幸な結末を迎えてしまう動物たちを何とか減らして、人間と動物たちが共生できる社会を作ろうということを目的としております。
これから年末に向けてたくさん寄附者の方が我々のサイトを見てくれるようになりますので、その中でこの取り組みをPRして、「活動に対する共感」「課題に対する解決のための応援、寄付」というものをたくさん募っていきたいと考えています。

動物支援プロジェクトにおける各自治体の事業概要について

トラストバンク伊田光氏
まず一つ目は長野県千曲市さんの取り組みです。この千曲市さんの取り組みによって救われるのが、無秩序な繁殖で増えすぎてしまった猫たちの命です。
猫の繁殖力はものすごいものがありまして、1匹のメス猫から3年後には2000匹になっているというような環境省の数字も出ていて、そういった猫の繁殖力に気づかず繁殖してしまった、もしくはさせてしまった猫たちによって、猫にはまったく悪気はないんですけど、生きるためにごみを漁ってしまったりといった地域の住民とのトラブルというのが発生してしまっています。
地域住民とのトラブルであったり、増えすぎた猫の殺処分を解决するためには、やはり蛇口対策ですね。増えすぎてしまう猫をどのようにして抑えていくかということが、長野県千曲市さんで取り組まれる事業です。

具体的には、猫たちの不妊去勢手術の助成を行います。そういった助成があるということを地域住民の方に伝える、不妊去勢手術の必要性を訴えるといった啓発の意味も含めて、この事業をふるさと納税を活用して全国の方から共感を募り、課題解決に挑みます。
次は岡山県吉備中央町さんの取り組みです。この取り組みによって救われるのは、引退した競走馬たちの命です。実は日本で年間7000頭が競争馬として生まれるんですが、そのうち年間5000頭は怪我であったりとか病気、もしくは成績が残せないからという形で引退を余儀なくされてしまいます。
そのあと引退した馬たちってどうなっていくのっていうところが実はあまり知られていなくて、その知られていない先で、馬肉になって食べられてしまったり、殺処分されてしまっているという現実が普通にあります。
競争馬として生きていけなくても、この馬たちの命というのは適切に動物として全うされるべきと考えた吉備中央町さんの取り組みは、引退した競争馬たちにリトレーニングを行って競争馬以外のキャリアで新たに活躍させる場を設けて、第2のキャリアを全うさせるという取り組みです。

実際にこの馬たちは第2のキャリアとして、すごく人懐こい馬でしたらホースセラピーとして活躍することができたり、速く走ることは苦手でも、ものを飛び越えることに秀でた馬は2020年のオリンピックの競技にもなっている馬術競技でも活躍できたりします。そういった調教をすることに使う費用をふるさと納税を活用して全国から共感を集め、この課題解決に挑んでいきます。
次は山形県遊佐町さんの取り組みです。この取り組みも猫の殺処分を減らしていく取り組みなんですが、先ほどの千曲市さんの取り組みと違うのは、動物保護団体への支援の助成を行っているということです。
実はこの遊佐町さんは今年の4月も猫が8匹ゴミ捨て場に捨てられているという事件がありました。自治体さんに連絡があると通常はすぐ保健所であったりいったんおいておく施設に預けられたりしてしまうんですが、この遊佐町さんは民間の団体と連携することで、その民間団体のつながりで預かってくれる方々を探すとか、ボランティアを探すとか、里親を探すことを支援してもらうとか、そういった形でより対応できる幅を広げています。

こちらは昨年も行っていて多くの共感を集めていて目標金額を達成して、今年も事業を行っていただいております。
次が佐賀県庁さんの取り組みです。佐賀県庁さんの取り組みでは、動物の犬に関わらずすべての動物なんですけど、保護された動物をすべて民間団体が運営するシェルターに移動してまた譲渡がされやすいようにトレーニングを行って命を助けていくということになっています。さらにこのプロジェクトでは、もう引き取り手が見つからないなというような動物たちはそこで命をまっとうさせるということも行っています。

最後が和歌山県和歌山市の取り組みです。こちらも猫の殺処分を減らしていくということを目的にした事業なんですけど、また違うのが和歌山市さんでは、和歌山市で不妊去勢手術を行うことがセンターを2019年度から運営する予定です。こういった形で市内にそういった施設を設けることで、市内で手術を行うことができる数をもっともっと増やしていって、殺処分を減らしていく取り組みを減らしていくということが和歌山市さんの取り組みです。

このような形で同じ猫の殺処分を減らしていくという取り組みの中でも少しずつ自治体ごとに殺処分を減らしていくための課題はなんだというのを明確に把握していただいて、じゃあそのためにはこういうことが必要だということをふるさと納税を活用して全国の方に訴えて共感を得てこの課題解決に取り組んでいくということを行っていただいています。
弊社としてもこのような形で日本の共通する課題、動物の命を守っていくということに対して取り組まれている自治体さんをどんどん寄附者の方にもお伝えして、こういった取り組みを年末に向けて、さらにその先に向けて拡大していきたいと考えています。
