なぜ猫は転送装置に入ってしまう?簡単にできて見ていて楽しい猫の不思議な習性を紹介

なぜ猫は転送装置に入ってしまう?簡単にできて見ていて楽しい猫の不思議な習性を紹介

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皆さんは「猫転送装置」をご存じですか?テープや紐などを使って床に丸い輪を作ると、なぜか猫がその中に入ろうとします。その様子がSF映画の「転送装置」のように見えることから「猫転送装置」と呼ばれたり、猫が円に入ってきてまう様子から「猫ホイホイ」とも呼ばれるようになりました。なぜ猫は転送されてしまうのでしょう?今回は、猫転送装置が話題になった経緯や、猫転送装置の作り方、転送される理由について紹介します。

猫転送装置とは

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猫転送装置は、ブログ「guremike」の管理人であるguremikeさんによって2014年に考案されたものです。猫の飼い主さんの中には、猫の独特な習性を生かした工夫をいろいろされる方も多いかと思いますが、猫転送装置は床にテープで円を作るとその中に猫が入ってくるというシンプルなもの。意外性とキュートさが受け、世界中で話題になりました。

実は最初に猫転送装置が注目されたのは、日本ではなく海外だったようです。「reddit」という英語圏で人気のサイトで紹介されたことから海外で注目され逆輸入される形で日本でも人気になり、NHKなどのテレビ番組でも紹介されました。

筆者は保護活動をしていて、たくさんの猫と暮らしています。猫が狭いところや目新しいものが好きというのは知っていましたが、床に描かれた平面の円に猫を動かすほどの吸引力があるとは思いもしませんでした。これを発見したguremikeさんの猫観察眼と遊び心には感服するばかりです。


猫転送装置の作り方

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猫転送装置を思いついたguremikeさんは自分の愛猫が丸まっているコードの中に入ってしまうのを見かけたことから、床に円をテープで作りました。するとそこに猫ちゃんがすっぽりと入ったのです!

猫転送装置の作り方はいたって簡単です。用意するものはひもやテープ。ひもは種類や形状は問わないらしく、ロープやビニールひもの他に、電気コード、ベルトでもOKです。テープも、ガムテープやビニールテープなど床に円を描いて貼ることができる色付きのものであれば何でも使えます。床に張り付けるので後ではがしやすいもののほうがいいと思いますが、透明であるものや床と同化して見にくい色であるものは避けましょう。

猫転送装置はひもやテープを使って床に円を描くだけで完成します。あとは猫ちゃんが転送されてくるのを待つだけです。身近にあるもので簡単にできてしまう猫転送装置ですが、作る際に若干の注意点があります。
  • コードを噛む癖のある子には電気コードは使わない
  • 電気子コードはコンセントから抜いて(電気が流れていない状態で)使用する
  • 転送装置を噛んでしまう子もいるので、ボロボロにされてもいいものを使う
  • 猫が飲み込んでしまうような大きさのものは使わない

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Photo by _sala_cat_さん Thanks!

_sala_cat_さんのコメント転送装置ですが、最初は興味を持ちませんでしたが、気付いたら転送されている感じです(笑)さすが転送装置!(笑)

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Photo by somixpxpさん Thanks!
somixpxpさんのコメント我が家の猫は、喜んで転送装置に入っているわけではなく、なぜだかわからないけど円の中にスーッと導かれているように吸い込まれている感じでした^^

円でなくても成功する?

発案者のguremikeさんは電気コードが偶然にくるっと巻いているところに猫が入ったことから、丸い形にひかれるのではと考えられたようですが、丸くなくても成功例はあるようです。

猫転送装置の海外での反応

だるそうな猫

猫転送装置に最初に注目したのは日本ではなく海外のネットユーザーだったようです。いち早く猫転送装置に心奪われた海外の愛猫家たちも試してみる人が続出。ペット専門サイトやニュースサイトでも紹介されましたが、なぜただの丸に猫が入ってしまうのか海外の専門家でも理由は良く分からないようです。ちなみに猫転送装置の英語での呼び方は「cat in circle(キャット・イン・サークル)」「丸の中の猫」でごく普通です。

なぜ猫は転送装置に入るのか

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猫が床に描かれた平面の丸い円に入ってしまうという不思議さも猫は転送装置が人気になった理由でしょう。猫は「なぜ、そこに?」と思うような場所を好むことが多いですが、床に描かれた平面の丸に入ってしまうというところが不思議で、さらにコミカルでさえありますね。猫のほほえましさ全開です。

猫が転送装置に入ってしまう理由については、「狭いところが好きだから」や「視力が悪いので確認しに来る」、海外の専門家の意見では「猫は丸くなると温かくなることを知っているから丸が好き」などいろいろと説があるようです。

筆者が日ごろ猫と接し、観察して感じる猫転送装置に入ってしまう理由は「囲われた場所が好きだから」と「新しいものが好きだから」です。

猫が狭い場所が好きだということは、猫好きさんの間では周知の事実でしょう。これは、野生時代に狩りをして生きていたときに、待ち伏せ型の狩りをしていた猫はじっと身を隠す場所が必要だったからです。また、猫は他の動物を捕食して生きる肉食獣ですが、他の動物に比べるとかなり小型です。つまり、猫も他の肉食獣に襲われかねない。猫は物陰に身を潜めて身を守る必要があったのです。そのためイエネコとなった現在でも、狭く暗いところに安心感を感じるのです。

猫転送装置は平面に描かれているだけで、まったく狭くはありませんね。しかし猫は立体的にはまったく狭くなくても、体を囲うような感じがするものがあれば、何もないだだっ広い場所よりもそっちに行きたいと思うのではないでしょうか。たとえ実際は身を囲う役目をまったく果たさなくても、視覚で「囲われた狭い場所」と認識すればそちらに魅了を感じるのでしょう。

もちろん、実際に囲われた空間である段ボールのほうの魅力が強いのは言うまでもありません。しかし近くにそのようなものがなかった場合、たとえ床に描かれた丸であり、全く身を隠す役割を果たさなくても、少しでも囲われた気分になれる場所に魅力を感じてしまうのではないでしょうか。ですから、転送装置でなくても、床に置かれた新聞紙や雑誌もだだっ広い床の中で囲われた場所に見えるのでよく乗るのだと思います。筆者と暮らしている猫たちは、スマートフォンやアイパッドにもよく乗って、起動までしてくれますよ。ちょっとでも狭いところにいる気分になれる自分だけの場所が好きなのでしょうね。

もう一つに筆者が考える猫が転送されてしまう理由が「目新しいものが好きだから」です。猫は新しいものが好きですね。猫は視力があまり良くないので、知らないものがあると確認しに来ると言われますが、それだけでなく筆者は「猫は好奇心が強く、新しいものに興味を持つから」だと思います。

段ボールも使い古されたものは人気がなく、新しいものにみんな入りたがります。同じAmazonの段ボールなのに。床に描かれた猫転送装置も普段はないものですね。猫も「え、これ何?」と思うでしょうし、猫が好きな囲われた場所なので余計に興味を惹かれてやってくるのではないでしょうか。もちろん、新しいものに警戒してしまうこともありますので、猫転送装置の失敗の原因はそこにあるかもしれません。
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猫転送装置の失敗例

思惑通り転送されてくれるとうれしいですが、失敗例も数多くあるようです。室内に突如現れた転送装置に不信感を抱き、転送装置の外側で「見るだけ」という失敗例や、まるで何もかかったかのように無視されるなど。そこは猫様ですから、人間側の思惑通りになってくれないこともありますね。のんびり観察して楽しみましょう。

畳で作った猫転送装置

なんと、猫転送装置は製品化されています!見た目もかわいいですね。
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猫転送装置で失敗も楽しもう

「転送されてくれるかな♪」とドキドキしながら用意した転送装置が不発に終わったときはがっかりもするでしょう。せっかくインスタグラムに載せようと思ったのにと、ネタを失ってしまうかもしれません。しかし、そこはそのがっかり感さえも楽しみ、猫様が転送されたくなるような装置を開発するくらいの気持ちを持つのが真の猫好きでしょう。無理やり猫を転送装置に入れたりするのは邪道ですね。