【沢尻エリカ×吉沢亮×犬童監督】映画『猫は抱くもの』インタビュー 主演猫は夢を叶えて沢尻さんの家族に

【沢尻エリカ×吉沢亮×犬童監督】映画『猫は抱くもの』インタビュー 主演猫は夢を叶えて沢尻さんの家族に

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沢尻エリカさん主演の映画『猫は抱くもの』が6月23日(土)から全国公開されるのに先駆け、ペトことでは沢尻さん、擬人化されたロシアンブルー・良男役の吉沢亮さん、犬童一心監督にインタビューを実施しました。なんと主演猫の良男は沢尻さんが家族に迎え、「グリちゃん」という名前になって暮らしているそうです。沢尻さんとグリちゃんとの生活や、映画の見どころについてお聞きしました。

左から、犬童一心監督、良男役のグリちゃん、沙織役の沢尻エリカさん、良男役の吉沢亮さん

映画『猫は抱くもの』について

同作は推理小説『猫弁』シリーズで知られる大山淳子さんの小説『猫は抱くもの』を『グーグーだって猫である』の犬童監督が映画化したもの。なりたい自分になれていない女性が主人公。かつてアイドルグループ「サニーズ」のメンバーで現在は田舎の小さなスーパーで働く33歳の沙織と、自分が沙織の恋人だと信じ込むロシアンブルーの良男との関係を描いた作品です。

沙織を映画『へルタースケルター』以来6年ぶりの映画主演となる沢尻エリカさん、擬人化された良男を映画『銀魂』の沖田総悟役で注目を集めた俳優の吉沢亮さんが演じ、「水曜日のカンパネラ」のコムアイさんや「銀杏BOYZ」の峯田和伸さんも出演する話題作。6月23日(土)より新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか全国公開の予定です。


夢を叶えた良男。グリちゃんとして沢尻さんの家族に

――本作では「擬人化された猫」が見どころの一つです。特に沙織が吉沢さん演じる良男を撫でて、気持ち良くなった良男が駆け出すシーンは印象的でした。

沢尻:犬とか猫って撫でていてすごく手触りがいいじゃないですか。でも良男(吉沢さん)は服を着てるから引っ掛ってうまく撫でられなくて。舞台稽古では「あーでもない」「こーでもない」ってけっこう苦労しながら練習しました。

吉沢:難しかったですね。人と人なので変にいやらしく見えないように、気持ち悪く見えないようにっていうさじ加減とか。猫に関してはまったくの初心者だったので猫の動画とか見たりしましたけど、監督に目線の動きとか首の動かし方とか言われて、「猫ってそういうところがあるんだ」って思いましたね。

犬童:沢尻さんは飼ってる犬が「気持ち良すぎて離れちゃう」ってある?

沢尻:気持ち良くてなのか飽きたからなのかわからないけど、一通り撫でたら「もういい」みたいな時はありますね。

犬童:猫だと、うちの「グーグー」ってアメショは、ものすごく気持ち良いと突然「うわー」みたいに離れるのね。「これ以上、気持ち良くなると俺は耐えられない」みたいな。それをやってもらいました。

――沢尻さんは良男を家族に迎えたそうですね。

沢尻:そうなんです。名前は体の色がグレーだから「グリグリ」って感じ(※)。良男にはならなかった(笑)。
※フランス語で灰色は「グリ(gris)」

犬童:良男っていうと吉沢くんのこと思い出しちゃうからね(笑)。吉沢くんのこと1回くらい思い出してない?

沢尻:すごい綺麗な顔出ちしてるから「似てるな」って感じはする。やっぱイケメンなんですよ。グリちゃん。

沢尻エリカさんとグリちゃん
安室奈美恵さんに憧れて芸能界に入ったという沢尻さん。カラオケで安室さんの『Don’t wanna cry』『CAN YOU CELEBRATE?』を披露するシーンも必見です

――なぜ迎えようと思ったのでしょうか。

沢尻:うちのママはもともと猫派で、「猫ほしいほしい」って言ってたんですけど、「犬もいるし大変だろうなあ」って思ってたんです。でも、猫を飼い始めた友達の家に遊びに行ったらその子がすごいかわいくて。「え、猫もかわいい」みたいになって。

ちょうど撮影中に良男の引き取り手が見つからないって聞いて。「こんなかわいいのに! せっかくだったら」って。うちに連れて帰って、ママも大喜びしてました。4月生まれなのでもう1歳になりました。

犬童:良男はアニマルトレーナーの坂本峰照さん(市原ぞうの国)が見つけてきてくれた子で、引き取り手がいないっていうか「本当に安心できる人にしか渡さない」って決めてたんだよね。自分が良男のこと本当に好きになっちゃって、よっぽどの人じゃないと渡したくないみたいに大事にしてた。それが、「沢尻さんだったら」と安心して。

――先住犬たちとは仲良くしてますか?

沢尻:チワワ2匹と猫1匹で共存してますね。最初はお互い「何?」「誰あいつ?」「なんか来た」みたいな感じになってて距離があったんですけど、もうだいぶ慣れて、じゃれあって遊んでます。

犬童:犬に猫パンチとかしないの?

沢尻:してますよ。飛びかかって抱きついたり。上の子は孤高なキャラクターで、下の子にも「ちょっとあっち行けよ」みたいな感じなんですよ。今年9歳で大人だから、グリちゃんに対しても「あー……」みたいな感じで。下の子はまだやんちゃで元気なんで、一緒に遊んでます。

猫は近寄り方がエロい?

『猫は抱くもの』出演する10匹の猫と擬人化を担当する10人

――今回の撮影では11匹の猫が参加しましたがお気に入りの子はいましたか?

沢尻:良男(笑)。あとキイロちゃんもかわいかったですね(※)
※コムアイさんが擬人化を演じる猫。

吉沢:僕が出るシーンには基本的に本物の猫が出てこないんで、撮影では意外と猫と絡んでないんです。取材のタイミングくらいで……。

――撮影していて猫も飼ってみたいなと思いませんでしたか?

吉沢:飼ってみたいですね。実家では犬を飼ってるんですけど、猫の絶妙な距離感がすごく良いなって思います。犬ってバーッて寄ってくるじゃないですか。猫は「気付いたら横にいる」みたいな。近寄り方とかもなんかエロいというか。

犬童:エロい?

吉沢:エロくないですか? 犬と比べたら。

犬童:そうか。犬はわからないからな。猫ってエロい?

沢尻:えー、でも本当にいま来るんだみたいな。

犬童:どういうふうに?

沢尻:ベッドで寝てるときに、ふわっと乗ってきて、「え、来た」みたいな。しばらく見てるといなくなったりして。足元で寝てることもあるんですけど、犬もいるから動けないんですよ(笑)。「ちょっと寝返りうちたいんだけど!」って。

犬童:枕を占領されたりは?

沢尻:それは犬がやります(笑)。

沢尻さんは、猫になって好きな人に飼われたい!?

――吉沢さんの衣装はグレーのセーターとピンクのスキニーでしたが、ロシアンブルーを意識したチョイスだったのでしょうか?

犬童:あれはチョイスっていうか作ってるんです。加藤伸吉さんっていう漫画家の方に11匹分の猫を人間にした時のデザインをしてもらって。ロシアンブルーを加藤さんがデザインしたのがあの格好だったんですよ。最初は「なんでパンツがピンクなんだ?」って思うんですけど、「あ、肉球の色なんだ」って後から気付くという。

――良男(吉沢さん)が美味しそうにキャットフードを食べるシーンがありましたが、何を食べていたのでしょうか?

吉沢:クッキーを作っていただいて食べていたんですけど、すごい食べづらいんですよ。パサパサしてて、口の中にめちゃめちゃ残るんです。あれを食べながら芝居をするのが本当に難しくて。入れたら入れた分だけ口の中がパンパンになっていくっていう感じで。

沢尻:私も1個もらってみたんですけど、けっこうパッサパサで、「あ、これ食べてるんだ」みたいな。

犬童:いろいろ検討してあれになったんですよ。もっと追求すればよかったんですけど、パサパサにならないっていうところまでは(笑)。猫っていっぱい食べるじゃないですか。あの感じでいっぱい食べてほしくて。沙織のことよりもご飯に夢中になるっていう。

――自分が猫になるとしたら、どんな猫になりたいですか?

犬童:自分が猫になるって考えたことないなー。

沢尻:私は小さい頃に「猫になりたい」と思ったことありますよ。「猫になって好きな人に飼われたい」みたいな。

犬童:うちの奥さんはよく言うんですよ。自分が飼ってる三毛猫の「チャッピー」っていうのがいて、「生まれ変わったら、チャッピーになりたい」って。今は、さっきずっと一緒にいたんで、やっぱりロシアンブルーがいいな。ロシアンブルーって綺麗だと思いましたね。俊敏なんですよ。動きがしなやかで、速い。魅力的だなと思います。

沢尻:速い。ほんとつかまえられないです。ただ、うちのグリちゃんちょっとおとぼけみたいで。ユニットバスの洗面台から飛び移ろうとしたら思いっきり足を踏み外して、バスタブの中に落ちちゃって! そのときお湯を溜めてたんですよ。あの時の、「あー!」みたいな驚き。ずぶ濡れで出てきて。棚に登ろうとして落ちたりとかもありますね。

犬童:吉沢くん微妙に似てるんじゃない? ちょっとおとぼけな感じ、どうなの?

吉沢:どうですかね。自分ではどうかわからないですけど。

犬童:風呂に落ちたことはないの?

吉沢:風呂に落ちたことはないですね(笑)。でもベッドで寝てて落ちたことは何回か。落ちて起きるみたいな。自分がなるなら野良猫がいいですかね。自由気ままにいろんなところ歩き回って。

犬童:偉い! 大変だよ? 道歩いてると自由気ままに見えるけど、大変なんだから、野良猫。そっち選ぶんだね? 

吉沢:家に住んでたら住んでたで幸せなんでしょうけど……。

犬童:俺できるだけ金持ちの広い家がいいな(笑)。

沢尻さん「猫好きにはたまらない作品になっています」

沢尻エリカさんと良男

――猫が出るシーンで一番好きなシーンはどこですか?

沢尻:猫が出るところだと、私が好きなのはやっぱりラストシーンですね。

吉沢:絵を描いているゴッホ(峯田さん)がキイロ(猫)に「お前と同じ色で世界を見てるんだよ」って言うシーンがあるんですが、そのときのキイロちゃんがめちゃめちゃかわいくて。あれを撮ってるとき本当はその場にじっとしてほしいんだけど、気付いたらいろんなところにトコトコトコトコ行っちゃって。みんなで「頑張れ! 頑張れキイロ!」とか「どこ行っちゃうの、どこ行っちゃうの」って言いながら。あのシーンは撮っててもすごいかわいかったです。

犬童:最後に良男(猫)が倉庫に入ってきて沙織のところに行くシーン。沙織の横に行って沙織を見上げてる顔とかすごくいいですよね。撮ってたら彼が自然にしただけなので、あーいうときの猫の表情は、撮影して物語に組み込むと本当に魅力的になる。本当に自然な表情でしたね。

――最後に、ペトこと読者へのメッセージをお願いします。

沢尻:この作品は本当にかわいい猫がたくさん出るので、猫好きの皆さんにはたまらない作品になっています。ぜひこの夏、癒やされに観に来てください!

映画『猫は抱くもの』ポスター
映画『猫は抱くもの』Information
公開 2018年6月23日(土)新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
出演 沢尻エリカ、吉沢亮、峯田和伸、コムアイ(水曜日のカンパネラ)
監督 犬童一心
企画製作・配給 キノフィルムズ 上映時間:109分
公式サイト 映画『猫は抱くもの』
©2018「猫は抱くもの」製作委員会