狭くても高さのある家に。空間をうまく利用した猫たちの遊び場【愛猫ライフ取材 Vol.2】

狭くても高さのある家に。空間をうまく利用した猫たちの遊び場【愛猫ライフ取材 Vol.2】

「ペットは家族」という考えが浸透し、今や我が子同然のような存在にある犬猫たち。連載「愛猫ライフ取材」では、愛猫との暮らしの様子や愛猫のためにしていることなどを、取材して紹介していきます。第2回は、愛猫の「空ちゃん」と「クータくん」と暮らす伊藤さんご夫妻のお家を紹介します。

取材DATA

  • 撮影日:2018年7月某日
  • 場所:東京都
  • 住まい:2世帯住宅(2階部分)
  • 名前:伊藤さん
  • 愛猫:空ちゃん(メス6歳、元保護猫)、クータくん(オス9歳 元野良猫)

猫のための家作り

今回取材にご協力いただいたのは、整理収納アドバイザーとしても活躍されている美佳代さん。ご夫婦ともに大の猫好きとあって、引っ越しを機に猫のための住まいを考え建てたというこだわりっぷり。どんな住まいなのか、工夫したポイントなどを伺いました。

猫と暮す家
Photo by ito_mikayoさん

長根:この家でこだわったところはなんですか?

伊藤さん:「狭くてもいいのでなるべく高さのある家にした」というのがまずありますね。それから、やっぱり猫なので「家の中で上下運動」ができることと、「猫たちが家の中のパトロールがしやすい動線」にはこだわりました。

設計士さんと相談して、普通の家なら飾り棚になるところを、あえて何も飾らないキャットタワーにしようと、棚板の左右交互に猫が通れるように穴が開いてるんです。ここは空が毎日使っていて、クータは体が少し大きくてちょっとキツかったのでこのキャットタワーは使ってないですね(笑)。

猫と暮す家
飾り棚のキャットタワー

それから猫の動線ですけど、ロフトへの階段からベンチの上の部分、和室のロールスクリーンの上のところがキャットウォークになっているので、2匹とも上を通って移動したり、上から様子を観察したりしています。

最初はキャット階段みたいな壁に付けるものもいいかなと思っていたんですけど、それだといかにも「猫のため感」が出てしまうなと。それすらも見せない形で、でも猫も楽しめるのがいいなって、今の形になりました。

猫と暮す家
ベンチの上から階段へと続くキャットウォーク

猫と暮らす家
ベンチの上のキャットトンネルで隠れていた「空」ちゃん

空間を利用した猫のためのスペース

伊藤さんの無駄のないスッキリとしたお家には、ただ「上手に整理できている」というのとは少し違った印象を受けました。取材を進めていく中で私が気になっていたことも知ることができました。

伊藤さん:実は、家の所々に猫がちょっと隠れられるような場所を用意しているんです。普通なら、ちょっと収納場所にしたいとか、引き出しにしたいっていうところをあえて空間として残しています。

猫ってちょっとこう縁側の下みたいなところに隠れたりするのが好きなので、そういうイメージでベンチの下も何も置かないで、左右も隠れられるように作ってもらいました。あとは、クータはよくキッチン台から向かいの棚に飛び移ったりするんですけど、そういうちょっとしたスペースもあえて少し空間を残しています。

キッチンスペース

長根:あえてスペースを開けることで、猫たちの行動の自由度が上がりますね! それにしても猫たちのスペース確保とは言え、物が少ない気がするんですがやっぱり見せない収納をしてるんですか?

伊藤さん:いえ、単純に物が少ないんです(笑)。まあ、うちは子どもがいないので、お子さんがいるご家庭より荷物が少ないのはそうなんですが、あえて収納もいっぱいにはしないで猫のために意識して空けています。

狭くても高さを重視したこの家に引っ越して来るときに、私たち自身も持ってくる荷物を制限しました。もちろん無理矢理ではなく、お互い「これは持ちたい」というものだけにして、夫も「これだけあれば十分」と協力してくれました。

荷物を整理しつつ猫たちがどうしたら喜ぶかを考えて、新しい間取りを想像して「猫たち+荷物」をとても重視しましたね。私自身仕事柄、整理するのが好きなので楽しみながらできましたよ。

きれいに見せるポイントは周りの色を意識して

空間づくりについて話してくれた伊藤さんは、お部屋の作りだけでなく部屋に置く物もきれいにまとめられていました。

洗面所の猫トイレ
猫トイレや掃除道具も洗面所の色に合わせた白色に

整理整頓はできても、掃除は得意じゃないと話す伊藤さん。猫トイレはIKEAで買ったトレーに紙の猫砂を敷いて、あえて汚れが目立つように。そうすることで気がついたときにサッと掃除ができるからと、掃除道具も手の届く範囲にまとめられていました。

そして、普段はキッチンの横に置いてある猫たちのお食事台は伊藤さんの手作りだそうです。

食事をする2匹の猫
手作りの台の上で食べるクータくん(左)と空ちゃん
Photo by ito_mikayoさん

家族で意見を出して満足のいく家に

1階と2階で別れた2世帯住宅の2階部分で暮らす伊藤さんご夫妻。今の家を建てるまではどこに依頼するか、どういう作りにするかご両親ともかなり話し合って決めたそうです。建築法などの関係もあり、理想の形が決まるまでに半年くらいかかったそうです。

伊藤さん:自分たちだけの家だったらもう少し「あーしたい、こーしたい」っていうのがすんなりできるんですけど。下の間取りとの兼ね合いもあったので時間がかかっちゃいましたね。でも結果としてお互いが満足いく形になったので良かったです。

何よりも猫たちが満喫してくれてるのが一番ですね。最初の3カ月〜半年くらいは全然使ってくれなくてどうしよう……。と不安だったんですけど、今では毎日空やクータが使ってくれて、猫たちが満喫している姿を見て私たちも満足です!

梁の上から見下ろす2匹の猫
キャットウォークから見下ろす空ちゃん(左)とクータくん
Photo by ito_mikayoさん


クータくんと、空ちゃんとの出会い

クータは夫の義母さんがお世話をしていた野良猫の子どもで、貰い手が見つからなかったのと、ちょうど私たちも猫を飼いたいと思っていたのがきっかけでうちの子になりました。一緒に暮らすようになって3年ぐらいたったころ、クータが猫が出るテレビをすごい見ていることに気づいたんです。それで、友達がほしいのかなと思い、もう1匹迎えることを考え始めました。今まで譲渡会って行ったことなかったんですが、井の頭公園でやっていた猫祭りに夫と二人で行ってみたんです。

「とりあえず行ってみようか」くらいの気持ちだったんですけど、夫が空のことを見て「かわいい!」って気に入ってしまって(笑)。譲渡会スタッフの人の話を聞いてみると、「他にもかわいいって言ってくれる人がいて、今いろいろお話を聞いているところなんです」と。それで、いろいろ相談してみたところ「そういうことならぜひ伊藤さんに」ってうちを選んでくださって!

それで空はうちの子になったんですけれど、最初はクータとすごいパチパチしていて、クータも「今まで自分だけだったのに……」というような感じでいたんです。

空も譲渡会場にいたときから「ポツン」と一人でいるような子だったんですけど、気づいたらクータのことが大好きになっていてクータにちょっかい出すなど2匹でいるシーンを見ることが増えました。すごい仲が良いわけではないですけど、たまに空があんまりしつこいとクータが「いい加減にしろ!」って猫パンチをすることもあって、まるで本当の兄弟喧嘩みたいなこともしています(笑)。最初は、「相性が悪かったらどうしよう」と心配してたんですけど、付かず離れずの関係でうまくいってよかったです。

夢のお家で猫たちとの距離も縮まった

引っ越しする前はお留守番をさせることも多かったと話す伊藤さん。クータくんは優しく甘えん坊な性格ですが、空ちゃんはもともと慎重派でなかなか触らせてもらえない、猫らしい猫ちゃんで、ときには「あれ最後に抱っこしたのいつだっけ?」となるほどに距離感があったそうです。それでも今の家に引っ越して伊藤さんが家で仕事することが増え、少しずつ空ちゃんとの距離も縮まってきたと、とてもうれしそうにお話しくださいました。

飼い主さんと黒猫
取材中、奥に隠れていたクータくんを連れてきてもらいました

伊藤さん:人が来ると2匹とも隠れてしまうんですが、普段だと空もクータもリビングに集まってきて、お互いくっついたり離れたりして過ごしています。引っ越してきてからは、朝の時間にブラッシングをしたり、触れ合ったりしてコミュニケーションを取る時間が増えてきました。それでもまだ空はなかなか抱っこさせてもらえなくて……(笑)。

お客さんがきたりとか、自宅セミナーを行ったりしたときもやっぱり隠れてしまうので、クータはまだ出てきてくれることもあるんですが、空は一切出てこないので幻の猫みたいになってしまって……。そういう意味でもInstagramで2匹の写真をアップするようにしているんです。

取材中は本当に最後まで自ら姿を見せてくれなかった、空ちゃんとクータくん。知らない人が来ると隠れてしまう2匹ですが、伊藤さんと過ごす時間はとてものびのびしている姿がInstagramでたくさんアップされています。

窓の外を見る猫
窓の外を見る空ちゃん
Photo by ito_mikayoさん

猫たちのことを思って建てたお家は、伊藤さん夫婦が過ごしやすいだけでなく、クータくんと空ちゃんが楽しめるだけでなく、双方の距離も縮まったステキなお家になっていました。

取材にご協力いただきました伊藤さん、ありがとうございました。
写真提供:ito_mikayo

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