【獣医師執筆】犬はパスタを食べても大丈夫!与える際の注意点やレシピを解説

【獣医師執筆】犬はパスタを食べても大丈夫!与える際の注意点やレシピを解説

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特別な日には、愛犬に「いつもと違う食事をあげたい」と思うこともありますよね。手軽に食べられるパスタは、犬が食べても大丈夫な食材です。毎日与えるべきではありませんが、たまに食べさせてあげると新鮮な味に喜んでくれるかもしれません。今回はパスタの与え方や注意点、犬用パスタのレシピを紹介します。

犬が食べて大丈夫なパスタの栄養成分栄養素

パスタ

パスタの主な栄養素は糖質などの炭水化物とナトリウムなどのミネラルです。その他、タンパク質や脂質、食物繊維なども含まれています。


脂質

脂質には体の中でつくることができない必須脂肪酸が含まれており、体の細胞膜やホルモンを作る上では欠かせない栄養分です。ただし、脂質を過度に吸収してしまうと肥満などの原因になってしまいます。


ナトリウムとカリウム

ナトリウムとカリウムは相互に作用しながら、細胞を正常に保ったり、血圧を調整したりして恒常性を維持しています。ナトリウムは過剰摂取すると高血圧やガンの可能性が高まります。また、カリウムは過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。結石を作りにくくする作用もあります。一方で腎臓病や腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまうため注意が必要です。

カルシウム

別名「天然の精神安定剤」とも呼ばれているカルシウムは骨や歯を丈夫にするだけではなく、神経や筋肉の活動が円滑に進むようにサポートをする役割をします。

リン

リンはカルシウムとともに骨を構成する重要なミネラルです。欠乏すると骨が弱くなるなど、成長に悪影響が出てしまいますが、過剰に摂取すると腎疾患のもとになることもあります。

食物繊維

食物繊維は水溶性と不溶性があり、お通じの流れを良くする働きがあります。

たんぱく質(アミノ酸)

たんぱく質は、人間だけでなく犬にとっても、丈夫な体づくりのために必要な栄養素です。たんぱく質は体内では生成されないので、食品などから摂取する必要があります。

犬が食べて良いパスタの種類

3種類のパスタ

パスタは「麺類」という意味のイタリア語です。2mm程度の太さで細長い「スパゲティー」や楕円系の「リングイネ」、ショートタイプで穴の開いた「マカロニ」というように、形状などで数多くの種類があります。

それらすべてを総称する言葉が「パスタ」です。大半は小麦粉と水、塩、卵などで作られていますが、一部チーズやナツメグなどを混ぜ合わせた種類もあります。


犬にパスタを与える際の注意点

パスタ

01【犬にパスタを与える際の注意点】与える量

前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。与え過ぎは肥満の原因になります。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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02【犬にパスタを与える際の注意点】塩分過多

塩分は犬にとっても必要な栄養素ですが、人間ほど必要量は多くありません。パスタを選ぶ際は裏面の栄養成分表示を確認して、塩分が添加されていないものを選びましょう。

また犬にパスタをあげる場合、茹でる際に塩を入れないことがポイントです。塩を入れるのは下味をつけることと麺をしめ歯ごたえをよくするためなので、犬には不要です。余分な塩分摂取を避けるためにも、お湯だけで茹でてあげましょう。

03【犬にパスタを与える際の注意点】アレルギー

小麦粉は、アレルゲンになりやすい食材とされています。食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。




パスタを使った犬用ごはんのレシピ

あさりと春野菜のスープパスタ


■材料■

あさり(殻つき) 200g
にんじん 20g
かぶ 2分の1個
トマト 4分の1個
アスパラガス 2本
さやえんどう 3枚
マカロニ 20g
オリーブオイル 少々
1カップ

■作り方■

  1. あさりを砂抜きしておく。
  2. マカロニを袋の表示通りに茹で、茹で上がったらお湯を切ってボウルに移し、オリーブ油で和える。
  3. 野菜をそれぞれ愛犬が食べやすい大きさに切っておく。
  4. 鍋に水と砂抜きしたあさりを入れて火にかけ、貝が開いたら一旦取り出す。取り出したあさりを愛犬が食べやすい大きさに切っておく。
  5. 4の鍋に3の野菜の火が通りにくいものから順番に入れて、野菜が柔らかく煮えたら火を止める。
  6. 器に2、4のあさり、5を入れて、人肌程度に冷めたらできあがり。あさりは殻を取り除いてからあげましょう。


まとめ

2匹の犬がこちらをみている
パスタだけではなく、肉や野菜を組み合わせて与える
パスタは小麦と水だけでできたものを選ぶ
小麦アレルギーに注意
当たり前ですが、パスタばかりをあげるのはNG。他の食材や総合栄養食であるドッグフードと組み合わせてあげてください。

パスタ自体のほんのりとした甘さにワンちゃんもきっと喜ぶはずです。いつもと違う食感はワンちゃんにとって新鮮、アクセントとしてぜひ活用してみてください。

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