
秘密基地を作ったり、趣味の時間を満喫したり...犬キャンを楽しむコツ
犬とのキャンプの主役は、犬であり飼い主さんです。犬が我慢したり、人が我慢したりするキャンプは避けたいところです。お互いがストレスなくみんなで楽しめるキャンプについて、犬も自然も大好きなドッグトレーナーであり森林セラピーガイドの資格を持つ峯岸が、お役に立てるような記事を書いていきたいと思います。
キャンプの楽しみとは?
トレッキングする小町
キャンプの楽しみは、季節、場所、メンバー、アクティビティーの選び方によってそれぞれですが、唯一共通しているのは常に自然を感じて過ごせることだと思います。
人類はそのほとんどの時間を自然の中で生きてきました。現在のような自然環境に大きく左右されない社会は、長い地球の歴史からみるとたった0.1%の時間軸でしかありません。
仕事や人間関係に疲れた時、ふと自然に身を置きたくなるのは、私たちの無意識の中に「自然」と共生してきた歴史が埋め込まれているからだといわれています。
本能が勝手に求めてしまう「自然」。その中で過ごすキャンプには、たくさんの喜びや癒やしがあるのは当然のことといえるでしょう。
都会の喧騒から離れ、緑の香りや風の匂い、沢の音、素晴らしい景色、そして外で食べるおいしい料理……。五感をフル活用して過ごすキャンプにはたくさんのワクワクやドキドキがあふれています。
私は、自然の中で五感をフル活用して過ごすことを「野生化」と呼んでいます。犬は、人よりも野生に近い動物ですから、当然、人間以上に野生化を楽しむことができるのです。
サイト作りは自分だけの秘密基地
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起きたらテントができてた愛犬「小町」
キャンプの醍醐味の一つにサイト作りがあります。個性的なテントやタープでインスタ映えを狙ってみるのも楽しいですし、テント内にメキシカンラグを1枚敷くだけで自分だけのオリジナルなスペースが作れます。
犬用のテントを一つ置いてみると個性ある秘密基地感が生まれます。満点の星空の下でのんびりお酒やコーヒーを楽しむひと時のために、ランタンやキャンドルにこだわるのも良いかもしれません。明かりの演出一つで雰囲気が格段に良くなり、格別においしくなること間違いなしです。
また、サイトによっては、木々の間隔を利用してテントやタープの配置を、過ごしやすいように考えたり、太い木々を活かしてハンモックを吊るしても良いですね。レイアウト作りはキャンパーの腕の見せ所です。
ご近所のキャンパーに迷惑をかけたり、樹木を傷付けたり勝手に切ったりしなければサイトは自由に作れます。
「ソロ+犬キャンプ」であれば、ランタンの下でくつろぎたい夜のために焚き火を中心に作るのも良いですし、「家族+犬キャンプ」であれば、家族が快適に過ごせるようにリビングを広くしたり、コットやハンモックで昼間からのんびり昼寝ができる空間を作ってみるのも良いと思います。
私と愛犬「小町」の場合、レイアウトの中心には必ず薪ストーブがあります。冬場はもちろんのこと、夏場でも調理用に使っているので一年を通して持っていっています。
朝目覚めて一番にすることはストーブに火を入れること。その際、きれいな景色が目に入るようにレイアウトします。小町も一年を通してストーブの横でくつろいでいます。テントもアースカラーの三角コットンテントを使っていて、オリジナリティーを出すよう心がけています。
料理の工夫で愛犬も満足させる!
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Photo by ikedasya_campさん Thanks!
「せっかくキャンプに来たのだから犬にも手作り食を食べさせたい」と考える方もいらっしゃるでしょうが、犬は食事を変えることで体調を崩しやすい生き物なので、なるべく日頃から食べているものを与えるほうが良いでしょう。
もし、キャンプで手作り食を食べさせたいのであれば、普段の生活の中から、いつも食べているフードに手作り食を少しトッピングしてあげて、慣らしておくと良いでしょう。
小町は皮膚病や結石ができやすい体質だったこともあり、小さい頃から手作り食(野菜と肉を煮たもの)を食べさせているため、キャンプでも同じものを食べさせています。
ただ、せっかくのキャンプですから、いつも食べている茹でた鶏肉ではなく、薫製したものに変えたり、地産の肉を焼いてみたり、野菜も旬な地産のものを使うようにしています。
日ごろから小町は肉も好んで食べますが、キャンプ場で食べる燻製した肉は格別なのか、ガツガツとそれはそれはおいしそうに食べています。愛犬にもキャンプでの食事を楽しんで欲しいのであれば、日頃から食べるものを少しずつ変えるのも一つの方法です。健康が一番大切ですからね。
趣味の時間を満喫する!

犬とのキャンプでは、犬も疲れて早く寝てしまう場合が多いので夜は比較的自由な時間がとれます。家族や友人と一緒であれば、焚き火を囲んでアルコールを片手に犬談議に花を咲かせたり、近況を報告しあったりしながらゆっくりと時が過ぎていきます。
また、たまの休みですから、のんびり夜食作りなんていうのも楽しいですね。焚き火を使えば、焼き芋、焼きリンゴ、焼きマシュマロなど簡単にできてしまいます。
私は小町とソロで行く機会が多いので、夜空を眺めて流れ星を見つけるのが楽しみの一つです。地面に寝転んで心を無にし、じっと星空を見つめるだけです。都会の空とは全然違うので、案外簡単に見つけられるんですよ。
先日は小町も起きだしてきたので「一緒に眺める気なのか?」と思いきや、横にくっついてさっさとまた寝てしまいました。残念ながら小町にとっては花より団子ならぬ、星より睡眠のようです(笑)。
+αで犬と楽しむアクティビティー
何もせずのんびり過ごすだけでも楽しいのですが、2泊以上のキャンプになると+αでアクティビティーが取り入れやすくなります。犬と一緒に遊びたいと思う飼い主さんもいると思いますので、いくつかアクティビティーを紹介します。
トレッキング
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低山トレッキングはおすすめです。キャンプ場の近くには数時間で歩けるトレッキングコースを設けている場所が多数あります。トレッキングは登山とは違い、山頂を目指すものではないので、自分の好きな場所で折り返して良いのです。
私と小町は、滝や池を見て写真を撮ったらUターンして帰る、なんてこともしています。季節の移ろいを感じながら、凸凹とした道をしっかりと自分の足で踏みしめながら進んだり、木々を触って温もりを感じたり……。さまざまな木の実が落ちていますから、それらを拾いながら歩いても良いですね。
犬にとっても、普段の散歩には無い香りや感触にあふれているため、いつも以上に楽しい、満足げな表情を見せてくれます。その顔を見れば飼い主さんも自然と楽しくなると思います。
SUP
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SUPとは「スタンドアップパドルボート」のことです。テレビで取り上げられたこともあり、最近ではだいぶメジャーなスポーツになってきました。数時間の練習で犬と一緒に乗れるようになります。とはいっても水の上で乗る乗り物ですので、オスワリ、フセ、マテはできるようにしておきたいですね。
何といってもこのSUP、インスタ映え間違いなしなんです。カヌーと違ってボードの上に立って乗るので人も犬も全身が写ります。飼い主さんがパドルを水面に入れ、犬と同じ方向を見ている姿の写真は一体感がありとても素敵です。
ただし、水を怖がる犬もいますので、犬が嫌がる場合は無理にやらずに別のアクティビティーで楽しんでくださいね。
カヌー
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カヌーは犬を飼い始めばかりの飼い主さんが憧れるスポーツの一つではないでしょうか。抜けるように透き通った湖の上にカヌーが浮いている姿は最高に良いですね。カヌーにはカヤックやカナディアンカヌーなど数種類あります。
水が苦手な子は比較的安定していて濡れにくく、オープンデッキのカナディアンカヌーから始めるのが良いかもしれません。カヤックにしてもカナディアンカヌーにしても犬が勝手に水に飛び込むことがありますので、しっかり犬をハンドリングできるようにしておきましょう。
スノーシュー

雪が降る季節に楽しめるのがスノーシューです。スノーシューは「西洋かんじき」と呼ばれているもので、雪の上を浮力利用して歩きます。
静かで真っ白な雪原の中を犬と一緒に歩くなんて、想像しただけでもワクワクしちゃいますよね。私と小町もスノーシュー遊びをしますが、小町は雪に埋もれたままガンガン歩く特技(?)があり、いつも大笑いしてしまいます。
キャンプでの+αアクティビティーはこれだけではありません。犬と一緒に新しいアクティビティーをぜひとも発見してみてください。
ただし、注意しなければならないのは、飼い主さんは、運転、テント張り、料理など、さまざまな用事をこなしたうえでアクティビティーをすることになります。
楽しく過ごしていたとしても思いのほか身体が疲れていたりするので、無理は禁物です。のんびり過ごすだけでも十分に楽しい思い出になると思います。
自分らしくキャンプを楽しもう
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犬とキャンプの楽しみ方は千差万別、十人十色です。キャンプに行く回数が増えれば増えるほど、経験値が上がり、遊び方や道具も増え、始めた当初とは楽しみ方が大きく変わったりします。1度キャンプに行くと、次のキャンプではどう楽しもうか、目標も自然と生まれてきます。
私と小町も毎回キャンプの楽しみ方が異なります。疲れているときは、ただただのんびりと過ごすだけですし、翌日の早朝トレッキングに備え、ささっと晩ご飯を食べて早々に寝てしまうなんてこともあります。新しい調理器具を買えば、それを「使い倒してやるぞ!」と意気込んで凝った料理を作ってみたりもします。皆さんも型にはまることなく自分らしくキャンプを楽しんでみてください。