【獣医師執筆】猫に山椒を与えるのはNG!理由や食べた場合の対処法を解説

【獣医師執筆】猫に山椒を与えるのはNG!理由や食べた場合の対処法を解説

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猫に山椒を与える機会はないと思いますが、山椒を猫に与えることはやめておいたほうがよさそうです。しかし、中には愛猫に山椒を「食べられてしまった」という方もいるかと思います。山椒の成分や猫に与える影響を紹介します。

猫に山椒を与えるのはNG

山椒

山椒は漢方としても使われるなど、私たち人にとっては体に良い食材として知られています。成分だけ見ると、猫にとっても体に良さそうなイメージがあるかもしれません。しかし、猫にとって山椒が持つ辛味は刺激が強すぎるもの。その刺激が内蔵の負担になりかねません。

またごくわずかではあるものの、山椒にはキサントキシンといわれる痙攣毒が含まれています。大量に食べなければ問題ないですが、猫は人間よりも体が小さいので、少量でも何かしら影響する可能性があります。猫に山椒は与えないようにしましょう。


山椒の成分

山椒

ウナギ料理などに使われる山椒は、もともと日本原産のミカン科サンショウ属の植物です。果実の部分は佃煮などで楽しむほか、花の部分は「花山椒」として、果皮は粉末にして香味料としてなどで活躍します。また山椒の若芽のことを「木の芽」といい、煮物や炊き込みごはんなどの和食に添えて使われています。

中国料理などに使われるしびれを感じるほどの強い辛味がある「花椒」(かしょう、ホアジャオ)は中国原産のサンショウ属の植物で、中国山椒・四川山椒とも呼ばれます。多彩な楽しみ方がある山椒ですが、どんな成分が含まれているのでしょうか。


辛味成分・香り成分

山椒には、サンショーオールとサンショアミドといわれる辛味成分、またべペテン、フェランドレンといった香り成分が含まれています。これらは胃腸機能を向上させる効果があるほか、鎮痛・抗菌作用が期待できます。

ビタミン類

山椒にはビタミンA・B1・B2・Cが豊富に含まれています。ビタミンAは、「目のビタミン」ともいわれ、白内障の予防や角膜の健康維持に重要です。また、皮膚や被毛の健康状態を保つ効果もあります。

ビタミンB1・2は、疲労回復や脳や神経の機能を維持したり、粘膜や皮膚を健康に保ったりするほか、栄養の代謝を助け成長を促したりする働きが。さらにビタミンCは、生体内の異物を解毒する作用や、免疫機能を向上させる作用があります。ただし、猫はビタミンCを体内で作ることが可能です。


猫が山椒を食べた場合の対処法

ねこ

もし、猫が誤って山椒を食べてしまった場合、少量であればまずはしばらく様子を見るようにしてください。下痢や嘔吐、食欲不振など気になる症状が出た場合は、獣医師に相談しましょう。誤飲したからといって、自己判断で無理に吐かせるようなことはしないでください。


山椒の香りに酔う猫もいる!?

特徴的な山椒の香りですが、猫の中には、マタタビのように山椒の香りを嗅ぐだけで酔うような症状をみせることもあるようで、動画サイトなどでその様子が紹介されています。山椒の香りを嫌う猫もいるので、個体によって反応はさまざまなようです。

猫が誤って山椒を食べないように気をつけましょう

ねこ

私たちの身近にある香辛料・山椒ですが、猫と一緒に楽しむことはやめておきましょう。誤って猫が食べないように、管理には十分注意してください。

また庭で山椒を栽培している人もいるかもしれませんが、猫が誤って口にしないように、近くを歩かせる場合は注意しておきましょう。

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