犬とキャンプは年中楽しめる! 夏キャン、秋キャン、冬キャンの良さを紹介

犬とキャンプは年中楽しめる! 夏キャン、秋キャン、冬キャンの良さを紹介

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自分思いに過ごすことができるキャンプ。愛犬も連れて忙しい日々から離れてみませんか? 犬とのキャンプは夏を除く3シーズンが実はおすすめなんです。それぞれの楽しさや持ち物についても紹介します。

先日、遅めの夏休みがとれたので、フレンチブルドッグの愛犬「小町」と一緒に奥入瀬渓流を歩こうと思い立ち、十和田湖畔でキャンプをしてきました。面白いことに、このキャンプ場には「男性1人+犬1頭」という組み合わせが5組もいました。どの方もしっかり教育された犬を連れていて、飼い主さんから離れることもなく、犬の鳴き声を聞いたのもたった1度だけ。皆さん思い思いに犬とのんびりした時間を過ごされているようでした。男性1人+犬1頭という組み合わせでも十分にキャンプを楽しめると思いますので、是非とも愛犬と出掛けてみてください。

それでは、犬キャンの可能性について犬も自然も大好きな、ドッグトレーナーであり森林セラピーガイドの資格を持つ峯岸が、お役に立てるような記事を書いていきたいと思います。

季節別のキャンプの特徴と魅力

朝は気持ちいい
気持ちよさそうな小町ちゃん

今回私が書かせてもらった特集のスタートもそうでしたが、多くの方が初夏の頃になるとキャンプをしたくなるようです。しかし、考えてみてください。今の日本の暑過ぎる夏よりも、秋~春にかけての3シーズンのほうが気温や湿度において人も犬も気持ちよく、快適に過ごせて楽しめます。これからのシーズンがまさに「キャンプ向き!」といえるのです。

春の犬キャン(4月上旬~6月中旬ごろ)

春キャンプ
Photo by ikedasya_campさん Thanks!

高原や北にあるキャンプ場が徐々にオープンするこの時期、キャンプ好きがワクワクそわそわしはじめます。

ゴールデンウィークはキャンプ場も混みますが、そこを外せば空いているキャンプ場がたくさんあります。今年も4月に長野県の高原へ小町とキャンプに行きましたが、キャンプをしていたのは私たちともう一組だけでした。この時期のキャンプは寒さがまだ残っていることもあり、ダウンや湯たんぽのようなちょっと暖を取れるものを持って行くことをおススメします。シングルコートの犬種は寒がりな子も多いので、暖かく過ごせる少し厚手の服を持っていってもいいですね。荷物は多くなりますが、寒くて凍えるような辛い思いをするよりはいいと思います。

この時期のキャンプでは、越冬した動物や爬虫類が元気に活動を始め、木々や草花が芽吹き始めるのを見たり感じたりすることができます。タラの芽、ワラビ、ぜんまい、タケノコはまさにシーズンです。普段あまり口にしない旬の山菜をキャンプで食べるのもおつですよ。

最近は6月でも25度以上の暑い日があるので、犬と一緒にカヌーSUPをするのに適した時期だと思います。

夏の犬キャン(6月中旬~9月中旬ごろ)

夏キャンプ
Photo by ikedasya_campさん Thanks!

犬とのキャンプで一番気を付けたい時期です。気温、湿度共に高くなるため、人間より体温の高い犬は熱中症になりやすいんです。熱中症の怖いところは、一見元気そうにしていても初期症状が始まっていることです。飼い主さんが気が付いた時には重篤な状況に陥っていた、なんてこともあります。特に肥満傾向にある犬は熱中症になる確率が高くなります。

日々の食生活や運動によって引き締まった体を維持することが、熱中症の予防対策になることを是非とも知っておいて下さい。私と小町は8月にもキャンプへ行きましたが、今年の異常な暑さを考慮して、日陰がたっぷりある林間サイトを選びました。サイトのすぐ横には沢があり、暑くなったらいつでも小町と水の中に入って遊ぶことができました。さらに電源サイトでもあったので、サーキュレーターを常に使用しで、小町にはなるべく風が当たるように心がけました。結局、気温が高くとても暑い日でしたので、ほとんど沢遊びで終わってしまいましたが、思い出に残る楽しいキャンプになりました。今年のような暑さの場合、犬にとってキャンプが非常に危険なものになる可能性があります。犬とのキャンプをおススメしている記事を書いていますが、キャンプをやめる(諦める)勇気も時には必要だということを付け加えておきます。

秋の犬キャン(9月中旬~11月下旬ごろ)

秋キャンプ
Photo by ikedasya_campさん Thanks!

読書の秋、食欲の秋、キャンプの秋。キャンプをするには心地よい気温で、雨も比較的少ない時期ですね。食べ物もおいしいし山々が紅葉し始める時期ですので、キャンプとトレッキングをセットで行くのをおススメします。山歩きが苦手な飼い主さんも紅葉を眺めながら歩けば楽しく歩けると思います。犬達も早めに散った落ち葉の感触を楽しみながら歩けます。秋キャンプから少しずつ肌寒くなってきますので、焚火を囲んでの食事やお喋りといった楽しみ方に変わります。暖かい焚火の近くで丸くなって眠る犬達の姿も見られることでしょう。秋の夜長は親しい仲間や犬と一緒に楽しく過ごせる一番いい時期かもしれません。

冬の犬キャン(12月上旬~3月下旬ごろ)

冬キャンプ
Photo by ikedasya_campさん Thanks!

寒いだけでなく、雪がちらほら舞い散る中で、なんてこともある冬のキャンプは、防寒や雪への対策がさらに必要となってくるため、キャンプ上級者向けだと思われがちですが、雪が積もったりしなければ、秋のキャンプと変わらず快適に楽しく過ごせます。

朝晩の厳しい冷え込みには暖房器具を使用してしっかりと対策を講じましょう。電源サイトの場合、テント内でホットカーペットを使えば簡単に暖をとることできます。

僕と小町は湯たんぽを持って行っています。いつも取り合いになるのですが、それもまた冬のキャンプならではの楽しさの一つです。朝起きて一番にすることは薪ストーブに火を入れることなのですが、私はこの時間が一番好きです。冬の朝、ピンと張り詰めた空気の中で火を起こし、少しずつ温かくなってくると、「冬キャンプって楽しい!」としみじみ感じてしまいます。顔が切れちゃうんじゃないかと思うくらい寒いですけどね(笑)飼い主が頑張っている時でも小町はいつも通り。暖炉に火が入り温かくなってから、のこのこテントから出てきます。冬キャンプでは、暖を取るにも料理をするにも薪ストーブがおススメです。



しつけレベルUPで自由度の高いキャンプを!

おすわりふせ待ておいでなどの基礎的なことができていれば、犬とキャンプを楽しむことができます。ここでは、さらにカッコ良くキャンプができるしつけについて書いていこうと思います。

今でこそ、犬と生活するためには基礎的なしつけが必要だと理解されてきてはいますが、もし基礎的なことができていないと感じたら、お近くのドッグトレーナーさんと一緒に、きちんと犬に教えてください。ここに書くことは、基礎の先にあるものです。

「ピザ焼いてるんだって」フレンチブルドッグ

飼い主から離れないようにする

キャンプで大切だと思うことは、犬が勝手に飼い主さんから離れて行かないことです。もし、離れたとしても犬が自分から戻ってくるように教えることです。呼び戻し(おいで)で戻ってくるのは基礎的なしつけですのでここで書くこととは少し違います。犬が飼い主さんから離れないようにするためには、飼い主さんと一緒に過ごすことが何よりも楽しい、うれしいことだと犬が思えるようにすることです。

しつけの時にご褒美でおやつやおもちゃを使ったりしますが、この場合のご褒美は、飼い主さんとのコミュニケーションです。そして何より、飼い主さんが愛犬と一緒に過ごすことがとても楽しいことだということを、愛犬にしっかりと伝えることです。

皆さん、犬の好きなものがおやつやおもちゃだと思っていたら、それは大きな勘違いです。飼い主さん自身が犬にとって大好きな対象にならなくてはいけないのです。お互いに大好きで楽しければ、磁石のように引き合い離れることはなくなりますよね。ただし、飼い主さんがいないと犬が生活できない依存状態とは全く違うものですので混同しないでくださいね。



どこでも食事ができて、寝られるようにする

「えっ?」と思われるかもしれませんが、初めての場所が苦手な犬が多くいます。初めての知らない場所にストレスや恐怖を感じ、食事をとることも寝ることもできなくなってしまうのです。愛犬と楽しくキャンプに行きたいと思うなら、子犬の段階からいろんな場所に連れて行き、食事をさせたり、寝かせたりといった練習(経験)を重ねることがとても重要です。家の中だけで過ごしていると神経質な犬になりやすいので、少なくとも毎日の散歩だけでも必ず行くようにしましょう。

マットの上でふせて待つ

カフェマット(コットでもいいです)の上で伏せて待つように教えると、決められた場所で静かに待つことができます。「カフェマット=待つ場所」ですので、飼い主さんも犬も安心して食事やお茶を楽しめますね。教え方は、ふせを教えてからそれをマットの上でのふせに移行していくだけです。更にマットをテントにすれば、「テント」という指示でテントの中で待つようになります。

愛犬と向き合うならソロキャンプがおすすめ

川遊び行こう
私の場合は圧倒的にソロキャンプが多いです。ソロといっても、「人+犬」なので純粋なソロではないかもしれませんが……。ソロが楽しい理由はたくさんあります。

自然の中で起こるさまざまなことを犬と一緒に受け入れ、乗り越えた時の達成感が他のキャンプとは大きく異なります。悪天候の時はもちろん、きれいな朝靄、夕焼け、星空を一緒に眺める時も同じような感覚になります。何をするにも私と小町しかいませんので、信頼度や親密度が上がるのかもしれません。また、新月の真っ暗闇な中でのキャンプでは、感覚が研ぎ澄まされていくような気持になりますが、横にいる小町に目を向けると、普段通りのんびり寝ている姿がそこにあります。犬の動じることのない強さを感じる時でもあります。

逆に、大変なことは一人で全てを行わなくてはならず、準備や片付けに時間が掛かってしまうことです。慣れるとだいぶ短縮できるようになりますが、それでも複数人で行うよりは時間がかかってしまいます。何より、お風呂やトイレに行く時は犬にお留守番をしてもらわなくてはなりません。そんなちょっとした苦労もありますが、ソロ+犬のキャンプでしか味わえない魅力が沢山ありますので、犬と行くキャンプに慣れてきたら、是非、ソロ+犬でキャンプに行ってみてください。いつもとは違った楽しさを味わうことができますよ。

自由なキャンプはマナーと事前準備が大切!

今回で最終回となりました。「犬とキャンプをしてみたい!」と思って頂けましたか? 文書ではお伝えしきれなかった部分もたくさんあります。犬キャンは、自由に楽しんでいいものです。犬のことをきちんと考えながら、色々なことにチャレンジしてください。忘れないでほしいのですが、犬は一般的に初めて経験することが苦手です。飼い主さんが一生懸命にテントを張るときや、思い出に残る写真を撮ろうと熱中し過ぎると、飼い主さんが怒っていると勘違いすることもあります。大好きな犬のため、ゆとりを持って穏やかに楽しく過ごしてください。飼い主さんの気持ちが落ち着けば犬も落ち着いて過ごせるようになります。そして、慣れるまではしっかりと準備したうえでキャンプに出掛けることをおススメします。

以前の回でも述べた通り、場所、現地の天気、気温、動物病院の場所などを事前にきちんと調べておくと、問題が起こったとしても余裕を持って対応できます。最初はキャンプをしている時間より、準備に多くの時間を割かなければいけないかもしれません。これも犬とのキャンを継続していけば、いつの日か逆転していきます。少しずつキャンプ道具を増やしながら、犬キャンを継続してくださったらうれしい限りです。もしかしたらどこかのキャンプ場でお会いできるかもしれません。その時を楽しみにこのシリーズを終了させて頂きます。短い期間ではありましたが最後までお読みいただき有難うございました。

Photo by :峯岸さん&ikedasya_campさん Thanks!