【獣医師執筆】犬は洋梨(ラフランス)を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】犬は洋梨(ラフランス)を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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洋梨はヨーロッパ原産のバラ科ナシ属の果物です。日本では「ラフランス」が品種の一つでありながら、洋梨の代名詞として有名ですよね。みずみずしい和梨が大好きなワンちゃんは多いと思いますが、洋梨も犬が食べて大丈夫な果物です。ただし、未成熟な果実や腎臓に不安のある子、アレルギーのある子は注意が必要です。今回は洋梨の成分や犬が食べる際の注意点などを紹介します。

犬は洋梨を食べても大丈夫!

洋梨

洋梨はビタミンやカリウム、食物繊維などを含み、犬が食べても大丈夫な果物です。カリウムは過剰な塩分を排出してくれる働きがありますが、腎臓に不安がある子は注意が必要です。腎臓に疾患のある子や不安のある子は控えるようにしましょう。

食物繊維は便質を改善し便通を促す「不溶性繊維」と、善玉菌のエサとなって腸内の不要なものを排出する「水溶性繊維」の両方を含みます。

熟した洋梨は甘く、大好きなワンちゃんも多いと思います。8割が水分でカロリーも低めなので、ダイエット中のちょっとしたおやつにしてもいいかもしれません。水をなかなか飲んでくれない子の水分補給にオススメです。

アスパラギン酸

アスパラギン酸は非必須アミノ酸の成分で、タンパク質の代謝を促してエネルギーを産出する働きを持つため、疲労回復が期待されます。

ソルビトール

ソルビトールは糖の一種で、便のphを下げることで便を軟らかくしたり、吸水することでお通じを良くしたりする働きがあります。便秘解消に効果的です。

他に、洋梨にはごく少量のビタミン群・クエン酸・ミネラル類なども含まれています。和梨との違いは、水溶性の食物繊維が含まれている点だけで、成分はほとんど同じです。

犬に洋梨を与える際の注意点

洋梨

適量を与える

比較的カロリーが低いとはいえ、あげすぎれば肥満のもととなります。また、消化に不慣れな食物繊維をワンちゃんが摂りすぎてしまうと、下痢などお腹の不調の原因にもなります。初めはひと欠片程度から与え、便の様子を見ながら量を調整してあげてください。

本来、洋梨は犬にとって馴染み深い食べ物ではないので、食べさせ方には注意してあげましょう。犬にとって健康な食べ物は、必要な栄養がバランス良く含まれた総合栄養食としてのドッグフードです。犬に洋梨をあげる際は、おやつとしての適量にしてあげてください。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

愛犬のカロリー計算をする

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皮をむいて加熱せず小さく切る

犬に洋梨を与える際は、皮を剥いてあげましょう。皮は硬くて噛みきりづらく、残留農薬のリスクもあるためです。丸飲みしても危険がないよう、小さく切る、ペースト状にする、すりおろすなどしてあげてください。

未成熟な洋梨はNG

未成熟な洋梨には、体内で分解される際に毒性のあるシアン化水素に変化するアミグダリンと呼ばれる成分が含まれています。押してみて硬いときは、新聞紙で包むなどして直射日光を防ぎ、15℃〜20℃程度の室温で保存するなどして追熟するといいでしょう。軸周りが柔らかくなり、芳醇な香りがしてくれば食べ頃です。

アレルギーに注意

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。




まとめ

見つめる子犬

洋梨にはデトックス・整腸・疲労回復などの効果が期待できる
腎臓に不安のある犬にはあげてはいけない
未成熟な洋梨をあげてはいけない
洋梨は、状態と量、アレルギーに注意してあげれば、低カロリーかつデトックス効果も見込めるおやつになります。食感や甘さを好むワンちゃんも多いと思いますので、季節の味覚として楽しんでみてください。

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