【獣医師執筆】犬はかまぼこを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】犬はかまぼこを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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おでんやお雑煮など冬の時期に食べる機会が多い「かまぼこ」。魚のすり身を練り物にしたものなので、犬が食べても大丈夫ですが、塩分過多による腎臓病やアレルギーなどのリスクがあります。今回は犬がかまぼこを与える際の注意点について解説します。

犬にかまぼこを与える際の注意点

かまぼこ

魚アレルギー

かまぼこの主原料は、スケトウダラ、イトヨリ鯛、ハモ、グチ、トビウオなどの白身魚のすり身です。魚と聞くと「犬にとって悪影響ではないのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、魚が体に合わない犬はアレルギーを発症してしまうこともあります。

アレルギー症状としては、「体をかゆがる」「抜け毛が多くなる」「皮膚に赤みが出る」など皮膚の症状が挙げられます。また、下痢や嘔吐といった症状が出る場合もあります。

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。




塩分過多

かまぼこには多くの塩分が含まれています。かまぼこの場合、板が付いたかまぼこ1本(130〜150g)あたりに含まれる塩分量は、3.1〜3.6g程度です。

塩分過多になると、余分な塩分を体内から排出するため、腎臓に負担がかかります。高齢になるほど腎機能は低下していき、慢性腎臓病などの疾患を持つ犬も多くいます。腎臓病を持つ犬に関しては低塩分食が推奨されていますし、腎臓に疾患のない犬でも長期間にわたって塩分を過剰摂取した場合には、体に害を及ぼす可能性もあります。

添加物

製品にもよりますが、添加物として、着色料、保存料(ソルビン酸)、化学調味料(アミノ酸)などが含まれていることがあります。かまぼこは基本的に人向けに作られたものですので、商品によっては犬の健康を損ねる成分が含まれている場合もあります。与えるのであれば、できるだけ無添加のものを選びましょう。


添加物「ソルビン酸カリウム」は危険?

かまぼこを含む魚肉製品の添加物として使われることが多い「ソルビン酸カリウム」は、発がん性のある危険な添加物といわれることがあります。しかし、食品安全委員会の評価試験において、人や犬におけるソルビン酸カリウムの発がんリスクは無いことが確認されています。

※参照:「添加物評価書 ソルビン酸カリウム』(食品安全委員会)

犬用のかまぼこなら安心

犬向けに作られたかまぼこもあります。人間用のかまぼこは塩分過多の心配がありますが、犬用であれば安心です。

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まとめ

眠る犬

アレルギーや塩分過多、添加物に注意
あげるなら少量にとどめよう
犬用のかまぼこがおすすめ
かまぼこは、ご飯としてはもちろん、おやつとして犬に与えることも避けましょう。

誤って犬が多量にかまぼこを食べてしまった場合は、体調に変化がないかをよく確認してください。特に高齢の犬の場合には、アレルギーや腎機能に与える影響も大きくなる可能性が考えられますので注意しましょう。

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