パグの肝機能が悪く、全身麻酔の上MRIを勧められたが大丈夫?【獣医師が回答】

パグの肝機能が悪く、全身麻酔の上MRIを勧められたが大丈夫?【獣医師が回答】

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「パグの肝機能が悪く、全身麻酔の上でMRIを撮ることを勧められたが大丈夫?」というパグの飼い主さまからの相談に、白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤がお答えいたします。

白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤です。今回、「パグの肝機能が悪く、全身麻酔の上でMRIを撮ることを勧められたが大丈夫?」というパグの飼い主さまからいただいた相談を獣医師がお答えいたします。

相談:パグが全身麻酔でMRIを撮るリスクは?

パグを飼っています。パグの会のコミュニティなどの書き込みでも多いのですが、愛犬が体調を崩し血液検査など受け、例えば肝機能が悪いなどが解ったとします。でもなんで肝機能が悪いのか? その病院では正確に判断ができないと言うことで、これ以上調べるなら大学病院を紹介するので全身麻酔の上、MRIなどで検査を受けて下さいと言われることが多いようです。

短頭種のパグはこの「全身麻酔」と言う言葉にリスクを感じてしまい、飼い主もそれ以上前に進むことができなくなります。でもここでいつも疑問に感じるのは、大抵の動物病院の設備のレントゲンやエコーではどこまで病気の原因が解るのでしょうか? 本当に全身麻酔の上、MRIなどで調べないと解らないのでしょうか? 獣医さんに訊いてみたい今日この頃です。

回答

まず、血液検査で肝臓酵素の上昇が見られた場合は、細胞レベルでの異常ということになります。要は、麻酔をかけ肝臓の細胞を摂取し病理検査に出さないとわからないのが現状です。ただ、麻酔をかけずに肝臓へ針を刺し、細胞を摂取し病理検査を行う方法もあります。

しかし、後者は犬が暴れたり、手技的にも高度ですのでややリスクがある方法です。また、レントゲン検査や超音波検査はあくまでも画像検査であり、白黒で異常の判断をしたり、ある程度大きくなった腫瘍の有無を判断する検査です。ですので、その見つかった異常が何なのかを判断することまではできません。ですので、確定診断という意味では必ず肝臓の組織を取る必要があることは事実です。