
【参院選2016】「動物愛護」関連政策を公約に掲げる政党は?
7月10日(日)、第24回参議院議員通常選挙の投開票が行われます。各党からさまざまな公約(マニフェスト)が発表されていますが、その中から「動物愛護」関連の政策を公約に盛り込んでいる党をピックアップして紹介します。
言及3党それぞれの趣旨は?
自由民主党
自民党は選挙公約の「安心安全」の項目「地球にやさしい環境」で、温暖化対策や食品ロス削減と並んで愛護動物について言及しています。愛護動物の遺棄や虐待等をなくすため、動物取扱業への監視・指導等に努めるとともに、飼い主等への啓発、適正譲渡の推進などに取り組みます。
日本共産党
共産党は「各分野の政策」の項目「21、環境――地球温暖化対策、公害対策、乱開発の規制、生物多様性、動物愛護」で、殺処分ゼロについて言及しています。また、地域防災計画にペット同行避難を盛り込むことや、動物実験の削減についても言及しています。ペットの譲渡促進で殺処分を減らし、動物実験に替わる方法の普及を図る
犬や猫などのペットは、こんにちでは単なる愛玩動物としてだけでなく、コンパニオン・アニマル=「伴侶動物」と考えて飼育する人も少なくありません。保健所への持ち込みや捕獲による犬や猫の殺処分数は、この間、市民団体や保健所の譲渡・返却の懸命の努力で2010年度には年間20万件を超えていたものが、2014年度には10万件まで減少しました。川崎市、熊本市、札幌市などが犬の「殺処分ゼロ」達成し、広島県も今年度達成する見込みだとしています。
殺処分を減らすためには、なによりも飼い主の責任として、ペットが死ぬまで飼いつづけることが基本です。同時に、引き取り手の見つからないまま子猫・子犬が処分されることがないよう、里親を探すなど譲渡する数をふやすことが重要です。そのために活動している動物愛護団体やNPOは、保護している間の人手や費用がかかるので、公的な支援を強めます。新たに犬猫を飼い始めようとしている人に、保護された犬猫を飼うという選択肢があることを、周知啓発する取り組みを強めます。自治体の動物愛護センターが、保護し譲渡する施設として機能することをめざします。子犬は引き取り手が見つかりやすいのに比べ、成犬はみつけにくく処分されることが多いといわれています。譲渡の可能性を広げるためには、性格を知り、必要な矯正をし、一定期間の健康管理をするなど手間と時間が必要です。行政だけでこうした措置をカバーすることは困難ですが、愛護団体やNPO、地域の住民の協力なども得られる仕組みをつくります。政府は、市町村による動物との共生の地域ビジョンの作成を支援し、不妊手術への助成制度の創設や、譲渡促進のとりくみへの支援などに乗り出すべきです。
2012年9月、動物愛護管理法が改正されましたが、順調な成育を妨げないために、出生後56日を経過しない子犬や子猫の親からの引き離しを禁じている一方、付則で施行後3年間は出生後45日としており、業者の利益優先ではなく動物の命と健康、予防原則の立場から、一日も早く本則の実現を図ることが大切です。
法改正で、犬猫のインターネット販売時の現物確認や、書面による対面説明が義務化されましたが、業界や自治体に徹底を図ることが必要です。
東日本大震災や熊本地震の教訓からも災害対策での避難計画にペットの避難を位置づけることが必要になっています。災害対策基本法の地域防災計画などとの連携を図るとともに、同計画にペットの同行避難を加えることを検討すべきです。
先進各国では、動物実験に替わって、動物を使用しない試験方法(代替法)の開発がすすめられています。OECDなどにおいても、試験ガイドラインのなかに代替法を採用することで動物実験を削減しようという動きもあります。代替法の採用を進め、動物実験を可能な限り回避するよう努めます。 こうした内容を、動物愛護法の改正に反映させます。
社会民主党
社民党は選挙公約の「CHANGE.5 地域」の項目「みどり・環境」で、温暖化対策や公害問題と並んで殺処分ゼロについて言及しています。「犬猫殺処分ゼロ」実現をめざします。