動物実験に代わる皮膚アレルギー反応の試験方法を資生堂と花王が開発 国際機関で承認

動物実験に代わる皮膚アレルギー反応の試験方法を資生堂と花王が開発 国際機関で承認

資生堂と花王は9月2日(金)、皮膚アレルギー反応試験の一つとして共同で開発した「h-CLAT」(エイチクラット)が、OECD(経済協力開発機構)の定める国際的な試験方法のリスト「OECDガイドライン」に掲載されたと発表しました。「h-CLAT」は動物実験の代替法として、同等以上の精度が期待できるとしています。

皮膚への安全性を確かめる重要な試験

h-CLAT(human Cell Line Activation Test)」は、ヒト由来の培養細胞を用いて皮膚感作と呼ばれる皮膚アレルギー反応を評価する試験方法です。皮膚感作は、皮膚に化学物質が接触して体が異物と認識した後に、再び同じ化学物質に接触してかぶれが起こる遅延型アレルギー反応の一つです。原因となる化学物質は、天然由来成分から合成物質、金属までさまざまで、代表的なものとしてニッケル、プラチナなどの金属や、うるし、サクラソウなどの植物が挙げられます。

EUでは2013年から動物実験が禁止に

皮膚感作は、化学物質の接触(皮膚一次刺激)や物理的な要因によって生じるかぶれとは異なり、複雑な免疫系に基づく生体反応であるため、モルモットやマウスを用いた動物実験を代替する試験方法の開発は困難とされてきました。しかし、EUが2013年から化粧品開発における動物実験を禁止するなど、動物愛護の流れを受けて代替方法の研究が進められていました。

両社は感作性物質によって皮膚のランゲルハンス細胞と呼ばれる樹状細胞が活性化することに着目。ただ、ランゲルハンス細胞は表皮細胞中に数%しか存在しないことや取り扱いが難しいことから、「THP-1」と呼ばれる培養が容易なヒト由来の細胞(ヒト単球性白血病細胞株)を用いることで、試験方法を確立しました。

皮膚感作性
出典:資生堂

動物実験の代替法として特許を無償化

OECDガイドラインには、皮膚感作性の試験方法として樹状細胞の活性化を指標とした「h-CLAT」のほかにも、異なる指標を用いた方法が掲載されており、今回は「樹状細胞の活性化」を再現する試験方法として初めての承認となりました。なお、「h-CLAT」は動物実験の代替法として普及させるため資生堂が特許使用を無償化しており、既に多くの化粧品会社で実用化されています。

両社は、「今後は全世界で年間数万種類の化学物質の皮膚感作性評価が代替法に置き換わることが期待されます」とコメントしています。

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