映画『あたらしい野生の地−リワイルディング』予告編公開 オランダ発の動物ドキュメンタリー

映画『あたらしい野生の地−リワイルディング』予告編公開 オランダ発の動物ドキュメンタリー

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10月29日(土)公開予定の動物ドキュメンタリー映画『あたらしい野生の地−リワイルディング』の日本向け予告編が9月9日(金)に公開されました。同作はオランダ首都近郊にある自然保護区を舞台に、野生のウマやシカ、キツネや鳥たちが生きる様子を捉えたネイチャードキュメンタリーです。


これまでのネイチャードキュメンタリーと異なるのは、舞台となった自然保護区がもともと人間が使おうとして埋め立てられ、捨てられ、忘れられた場所だということ。45年の間にどうやって生態系が復元し、自然の王国になったのかを探る内容になっています。

舞台は人が手放した人工の地


本作の舞台は、オランダの首都アムステルダムから北東50キロの海沿いに位置する6000ヘクタールほどの小さな自然保護区「オーストファールテルスプラッセン」です。日本で例えるなら、面積は大田区と同じくらい。東京から50キロほど離れた場所は、横浜市のあたりです。そこは1968年に干拓事業が失敗し、放置された人工の地でした。

あたらしい野生の地−リワイルディング 鳥が飛び交う沼地の写真

人が放置してから10年、沼は水草で覆われ湿地帯へと変化し、野鳥が集まって来ました。鳥たちが整えた水際にはキツネなどの小動物もやって来ました。そしてわずか45年で、深い森と青々とした草原、命豊かな湿地が広がり、野生のウマやシカが走り、キツネが遊び、たくさんの鳥たちが飛びまわる自然の王国になったのです。

あたらしい野生の地−リワイルディング 鳥の大群と馬の写真

都市近郊に広がる大地を駆け抜ける馬、約3000頭のアカシカ、キツネの群れ。生を謳歌し、死と対峙する生き物たちの1年が美しい映像でつづられています。

あたらしい野生の地−リワイルディング きつねの写真

「リワイルディング」って何?


「リワイルディング」は「再野生化」と訳され、ある土地の失われた生態系を復元する試みを意味します。これまでオランダやポーランドでのヨーロッパバイソンの再野生化や、アメリカのイエローストーン国立公園でのオオカミの再野生化が報告されています。

本作に登場する自然保護区では、再野生化に成功したウマの一種「コニック」が数千頭の群れをなして草原を駆け抜けます。現在、自然保護区はゲートで囲まれ、約90パーセントが非公開区域になっています。本作ではその区域に入り、600日にわたる撮影を行って普段は見ることができない生きもの達の姿を捉えました。

あたらしい野生の地−リワイルディング 争う馬たちの写真

映画詳細


2016年10月29日(土)渋谷アップリンク他、順次全国で公開予定です。また9月30日(金)まで、全国上映のためのクラウドファンディングを実施中です。
  • 原題:De nieuwe wildernis
  • 英語タイトル:The New Wilderness
  • ジャンル:ドキュメンタリー
  • 製作国、年:オランダ、2013年
  • 言語:オランダ語
  • カラー/モノクロ:カラー
  • 監督:ルーベン・スミット、マルク・フェルケルク
  • 音楽:ボブ・ジマーマン
  • プロダクション:EMS FILM
  • 出演:コニック、キツネ、アカシカ、カワセミ、鵜、サンカノゴイ、ビーバー他多数
  • ナレーション:ハリー・ピーキエマ

その他の画像

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