
自分に万一のことが起きたらペットはどうなる? 「想定していない」飼い主が3割以上
自分の年齢を考えると最期まで世話できるかわからない――アイペット損害保険が犬・猫を飼っている50歳以上の方に行ったアンケート調査で、高齢者が安心してペットを飼う環境が整っていない現状が明らかになりました。
動物愛護管理法で「終生飼育」が明文化
厚生労働省の調査によると、2015年の日本人の平均寿命は男性が80.79歳、女性が87.05歳で、ともに過去最高でした。一方、ペットフード協会が発表した「平成27年全国犬・猫飼育実態調査結果」によると2015年の犬の平均寿命は14.85歳、猫は15.75歳で、こちらも過去最高でした。人間もペットも高齢化社会です。2012年に改正された「動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)」では、「動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養することに努めなければならない」として、「終生飼育」が明文化されました。
アイペット損害保険の調査では、「自身に万一のことが起こった場合に備えて、ペットの引き取り先や相談相手を想定していますか?」という質問に対し、「想定している」と回答した飼い主は66.9%、「想定しない」が33.1%となり、3割以上の飼い主が「自分のもしも」に備えていないことが分かりました。
さらに、「想定している」と回答した人でも86.3%が「家族や親戚」で、「かかりつけの動物病院・トリマー」(14.6%)、「友人」(13.4%)、「近隣の住民」(5.3%)、「愛護団体」(7.0%)、「行政機関」(3.1%)と続き、終生飼育を支える社会インフラが整っている状態とは言えない結果になりました。

自身に万一のことが起こった場合に備えて、ペットの引き取り先や相談相手を想定していますか?
次のオーナーを探すサービスがほしい
「現在飼育しているペットが亡くなった場合、新しいペットを迎え入れるかどうか」という質問に「迎え入れたいが、迎え入れないだろう」「迎え入れない」と回答した人に、「どのようなサービスがあれば迎え入れたいと考えるか」と聞いたところ、55.3%が「何かしらの支援があれば迎え入れたい」と回答しました。
今のペットを亡くした場合、新しくペットを迎え入れたいですか?
さらに、求める「支援」の内容を詳しく聞くと、「飼育が不可能な場合に次のオーナーを探すサービス」(71.1%)、「経済的な支援・補助金」(35.5%)、「外出時の飼育代行サービス」(24%)と続きました。また、「老犬・老猫ホーム」「ペットシッター」「散歩代行サービス」を「利用したことがない」「知らない」と答えた人がどちらも40%を超え、「何かしらの支援があれば迎え入れたい」と考える人が多い一方で、今ある支援サービスの認知度も低いことも明らかになりました。

どのような条件が整えば、迎え入れたいですか?

ペットの飼育代行サービスを知っていますか?
今回の調査は、2016年8月25日に全国の50歳以上の犬猫飼育者534人を対象として、インターネットによるアンケート(複数回答可)で行われました。