
株式会社シロップ代表の大久保です。シロップは新サービスとして、保護犬猫と飼いたい人を結ぶマッチングサービス「OMUSUBI」(お結び)を提供開始しました。
昨年3月の創業から、ペットとの思い出保存アプリ「HONEY(ハニー)」、ペットの専門家が発信するメディア「ペトこと」を提供してきましたが、新たに三つ目のサービスとして提供するのが「OMUSUBI(お結び)」です。
今回は、サービスを提供するに至った背景に関してお話しします。
その最も大きな環境が交通です。日本では鉄道やバスでペットをケージに入れる必要があったり、手回り品として(日本では法律上モノ扱いです)追加料金が掛かったりします。しかし、ロンドンではケージに入れなくても犬と乗車ができることが多くありました。もちろん犬が嫌いな方もいますが、嫌いだからといって存在を否定することはありません。お互いの存在を受け入れる考え方があるように感じました。
ロンドンには「リージェンツ・パーク」などの巨大な公園が多くあり、散歩しやすくペットと飼い主が住みやすい環境があります。公園では、ノーリードで散歩する飼い主も少なくありません。その背景として、しつけへの意識が高いことがあります。日本では噛みつき事故が起きないか心配してしまうところですが、イギリスにはきちんとしつけをする習慣があるため、日本ほどその心配をする必要がないのです。
日本はイギリスに比べて公園も少なく、交通の制限もあり、ペットOKな住居や施設も少なく、ペットと暮らしやすい環境が整っているとは言えません。その要因には、日本のしつけレベルやマナーレベルがまだまだ高いとは言えないことも一つあると感じています。私はペットを飼うこと、飼ってからきちんと育てること、幸せな思い出を作っていくこと、そういったペットと暮らす環境すべてを良くしたいと考え、起業しました。
昨年3月の創業から、ペットとの思い出保存アプリ「HONEY(ハニー)」、ペットの専門家が発信するメディア「ペトこと」を提供してきましたが、新たに三つ目のサービスとして提供するのが「OMUSUBI(お結び)」です。
今回は、サービスを提供するに至った背景に関してお話しします。
イギリスで見たペットと暮らす環境の違い
大学時代、私は英・ロンドンに留学をし、サッカーチームでサッカーをしながら、「UNIQLO UK」でプロモーション業務の仕事をしていました。その暮らしの中で感じたことは、ペットが社会に受け入れられる環境が整っていることでした。
その最も大きな環境が交通です。日本では鉄道やバスでペットをケージに入れる必要があったり、手回り品として(日本では法律上モノ扱いです)追加料金が掛かったりします。しかし、ロンドンではケージに入れなくても犬と乗車ができることが多くありました。もちろん犬が嫌いな方もいますが、嫌いだからといって存在を否定することはありません。お互いの存在を受け入れる考え方があるように感じました。
ロンドンには「リージェンツ・パーク」などの巨大な公園が多くあり、散歩しやすくペットと飼い主が住みやすい環境があります。公園では、ノーリードで散歩する飼い主も少なくありません。その背景として、しつけへの意識が高いことがあります。日本では噛みつき事故が起きないか心配してしまうところですが、イギリスにはきちんとしつけをする習慣があるため、日本ほどその心配をする必要がないのです。
日本はイギリスに比べて公園も少なく、交通の制限もあり、ペットOKな住居や施設も少なく、ペットと暮らしやすい環境が整っているとは言えません。その要因には、日本のしつけレベルやマナーレベルがまだまだ高いとは言えないことも一つあると感じています。私はペットを飼うこと、飼ってからきちんと育てること、幸せな思い出を作っていくこと、そういったペットと暮らす環境すべてを良くしたいと考え、起業しました。
イギリスで見たペットを飼う環境の違い
最近は使われる機会が増えてきた「保護犬猫」や「殺処分」という言葉ですが、一般的にはまだまだ知らない方のほうが多いと思います。イギリスやドイツでは、ペットショップはほぼ存在せず、きちんと繁殖規制の行き届いたブリーダーか、保護施設にいる保護犬猫から飼う文化があります。しかし、日本ではペットショップから飼うことが一般的で、保護犬猫の存在はほとんど知られていません。環境省が発表しているデータによると、現在、年間で犬猫の引き取り数は約13万匹おり、そのうち約8万匹が殺されてしまっている社会問題があります。犬猫は自治体が管轄する動物愛護センターや、NPOや任意・個人を含む保護団体が保護をしています。

約4万匹は、里親と呼ばれる新しい飼い主が見つかり譲渡されていますが、緩やかに伸びている現状で、まだまだ譲渡文化が醸成されているとは言えません。
また、環境省が発表しているデータは愛護センターが収容した数字であり、野良犬や野良猫・地域猫など行政が把握していない数を合わせると、家が無い犬猫の数はもっといることになります。ペットショップで飼うことが当たり前になっている日本ですが、保護犬猫から飼う選択肢もあることを多くの方が知り、考えた上で自分に合った飼い方を選択できる社会にすることが必要だと考えています。
保護犬出身のコルクとの出逢い
私は現在、保護犬だったコーギーのコルクと一緒に過ごしています。コルクとの出逢いは、シロップが今年5月に開催した保護犬とのふれあいイベント「PET RIBBON CAFE」でした。当時まだ生後3カ月だったコルクはとても小さく、保護団体の方に抱っこされ、少しビクビクした表情で多くの方と触れ合っていました。
私自身はイベントを運営していたこともあり、ほとんど触れ合うことはできなかったのですがその後、保護団体の方とのやり取りをさせていただく中で、責任を持って愛情を注いで育てたいと思うようになり、我が家に迎えることを決めました。初めは散歩すらできなかったコルクですが、周りにいる多くの方々の支えもあり、すくすくと成長しています。

日本に保護犬猫から飼う文化をつくりたい
シロップは日本に保護犬猫から飼う文化をつくりたいと考えています。そのためには、三つの大事なポイントがあると考えています。1. 保護団体を支援する
保護団体で活動する方の多くは本業があり、働きながら犬猫を保護して預かり、育てています。そして、犬の毛が長くなればトリミングに行くことも必要ですし、病気になったり怪我をしたりすれば動物病院に行く必要があります。大変な労力と経済的負担を背負いながら、「犬猫を幸せにしたい」という想いを持って活動をされています。そういった方々が活動に専念できるようにシロップができることは、インターネットの力で保護以外のサポートをすることだと考えています。シロップは、保護団体の方々がホームページを持たなくても、「OMUSUBI」を使えば情報発信や譲渡が効率的に行える世界一の保護団体管理ツールとなることを目指しています。
シロップが目指す保護団体管理ツール
- 保護犬猫の効率的な募集(写真・動画の投稿)
- ブログ機能
- 譲渡会イベント告知機能
- 譲渡会イベントのチラシ印刷機能
- オンライン寄付窓口
- ボランティア募集窓口
2. 動物愛護センターを支援する
保護団体と同じく、愛護センターには多くの犬猫が保護されています。愛護センターと言えば、汚く薄暗い印象を持たれる方も少なくないのではと思います。どこに愛護センターがあるのかすらわからない現状もあります。一方で、明るく綺麗なセンターも増えてきており、気軽に命の大切さを学べる環境があります。子ども連れの家族が休日に動物園に行くように、愛護センターに行って保護犬猫とふれあい、保護犬猫のことを知って命の大切さを学ぶことはとても大切なのではないかと感じています。シロップはこの「ペトこと」を通じて愛護センターの情報を発信していくとともに、今後は「OMUSUBI」でも愛護センターと連携し、愛護センターと一般市民の距離をもっと身近にすることを目指しています。
シロップが目指す愛護センターの支援ツール
- 愛護センターにいる保護犬猫のデータ連携
- 愛護センターの一覧ページの作成
- 愛護センターでのイベント開催
このように、保護犬猫の情報を透明化することで、さらに譲渡を促進していきたいと考えています。将来的には全国にいる保護犬猫と飼いたい人が結ばれように、遠隔譲渡にも取り組んでいきたいと思っています。
3. 運命の犬猫が見つかるサービス
保護犬猫を飼いたい方は増えていますが、実際に飼いたいと思った時にどこから引き取れば良いのか分かりにくい現状があります。また、自分の居住環境に合った犬猫が分からなかったり、きちんと犬猫の飼い方を学ばないまま引き取ることにより、飼育後に後悔される方も少なからずいるという問題もあります。そこで、シロップはきちんと犬猫のことを理解し、覚悟を持った上で運命の犬猫と出逢えるサービスを目指したいと考えています。シロップが目指すマッチングサービス
- メディア「ペトこと」を通じた犬猫の特性や飼い方についての情報提供
- プロフィールを入力するだけで自分に合う犬猫をレコメンド
- 保護団体の登録を審査制にすることで、安心・安全なやり取りの実現
- ネット相談など譲渡後の飼養トータルサポート
これらを実現することで、保護犬猫から飼う文化をつくってまいります。
最後に

SNSにより、多くの方が保護犬猫の情報を発信し、認知できるようになりました。しかし、かわいそうな写真や動画を投稿することも多く、それだけでは保護犬猫から飼う文化をつくることは難しいと考えています。「OMUSUBI」では、決してネガティブな発信はせず、保護犬猫はペットショップにいる子たちと同じように、運命の人を待っている子たちなんだということを伝えていきたいと思っています。
そして何よりもシロップが大切にしたいのは、想いが先行して苦しい運営をするのではなく、持続可能な活動ができる経済的基盤を確立することです。参加していただく保護団体には、保護活動の実費として5000円以上の譲渡金の設定を推奨しています。
また、シロップは保護犬猫を家族に迎えた方を「OMUSUBI Family会員」として、さまざまな特典でその後の生活をサポートする仕組みづくりも進めています。会員特典の一つである「保護犬猫あんしんパック」を使えば、提携する病院やサロンを割り引き利用できます。OMUSUBIを利用していただく方に価値を感じていただけるよう、今後さらに拡充していく予定です。
保護活動をされている方の中には、「ビジネス」という言葉を敬遠される方も少なくありません。しかし、「企業は社会の公器である」と言われるように、ビジネスとして取り組むことで、社会を変える大きな力を生み出すことができます。シロップは問題解決のため、ビジネスの側面から貢献できることに取り組んでいきます。
2020年、東京オリンピックで海外から多くの方が日本を訪れます。その時に胸を張って、「日本は経済・科学・文化、そしてペットについても先進国だ」と言えるように、シロップはまず、保護犬猫から飼う文化をつくる「OMUSUBI」にスタッフ全員で取り組み、ビジョンとして掲げる「人が動物と共に生きる社会」を実現すると誓います。
保護犬猫と飼いたい人を結ぶ場所「OMUSUBI」(お結び)
第2稿:2018年3月23日 公開
初稿:2016年12月12日 公開
初稿:2016年12月12日 公開