【トレーナー解説】犬の正しい抱っこの仕方は?抱っこの必要性や嫌がる理由について解説

【トレーナー解説】犬の正しい抱っこの仕方は?抱っこの必要性や嫌がる理由について解説

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せがむくらい抱っこが好きな犬もいれば、抱っこをしようとすると唸ったり、痛がったりする犬もいます。もし愛犬が抱っこを嫌がるようなら、正しく抱っこができていないのかもしれません。今回は、犬の正しい抱っこの仕方や抱っこの必要性、嫌がる場合のトレーニング方法などをドッグトレーナーの西岡が解説します。

犬に抱っこは必要?

飼い主を見上げる犬

犬を抱っこする必要は基本的にありません。

ただ、犬を抱っこする必要のあるタイミングは、犬と暮らす上で必ずあるため、抱っこに慣れさせておくことは必要といえます。

犬を抱っこする必要があるタイミング

  • ケガをして歩けない、または歩かせてはいけない時
  • 人混みや階段など、小型犬や中型犬では危険な時
  • 病院の診察台やサロンのトリミング台・シャンプー台などに乗せる時
  • 犬が怖がっていて、安心させてあげる時

上記のように「危険が伴うとき」や「犬が自分では乗れない場所に乗せるとき」「不安がっているとき」が抱っこが必要なときです。

犬を抱っこするときの留意点

犬が抱っこして欲しいとせがむ時もあるとは思いますが、犬がどうして抱っこをせがむのかを正しく判断する必要があります。

理由がわからないまま抱っこすると、犬をわがままな性格にすることにつながります。

正しい犬の抱っこの仕方

女性に抱っこされる犬

犬を抱きあげる時、どのように抱き上げていますか?実は、抱き上げ方によっては犬にケガをさせる恐れがあります。

犬には鎖骨がないため、人の子どもを抱き上げる時と同じように、両脇を持って、犬を抱き上げるのは危険です。

鎖骨がない犬は、前足を前後にしか動かすことができません。脇に手を入れて抱くことは、左右に力を加え、結果的に関節を痛める恐れがあります。

体重の軽い小型犬なら、胸を支える抱き方、中型犬や大型犬なら、胸前とお尻を抱え込むかたちで抱きましょう。

ポイントは、抱き上げ方と、抱っこ時に犬に負担が掛からないように、犬の背骨と地面が水平になるようにすることが大切です。

犬のわがまま抱っことは

飼い主に飛びつく犬

犬のわがまま抱っこへの対応

犬の中には、抱っこが大好きな子もたくさんいると思います。足元に飛びついてきたり、しゃがんでいると膝に乗ってきたりということもあるでしょう。

一見かわいい行動ですが、すべての要求に応えるとわがままな性格になってしまうため、すべての要求に応えず、無視することも大切です。

飼い主さんの中には「わがままに育ててもいい」と思う方もいるかもしれませんが、後々のことを考えると、きちんとしつけておくことのほうが重要です。

わがまま抱っこのデメリット

わがまま抱っこが癖になると、以下のようなデメリットがあります。

  • 運動不足による肥満などの健康被害
  • 中型犬や大型犬は、成長に伴い、抱っこできなくなる
  • 分離不安の助長
  • 抱っこの要求が通らなかった時の問題行動への発展
  • 飼い主さんが長時間抱っこすると、犬の体の負担になる恐れ

抱っこはできるように慣れさせておくべきですが、必要以上に抱っこしてしまうとわがままになってしまうだけでなく、健康面や精神面でリスクを伴います

犬が抱っこをせがむ理由

呼びかける子犬

  • 安心するから
  • 寒いから
  • 歩きたくないから
  • 構って欲しいから
  • 怖いから
  • 楽しい場所に連れて行ってもらえるから

犬の性格や周りの環境によっても、抱っこしてほしい理由は異なります

抱っこをせがまれてすぐに抱き上げるのではなく、愛犬の「抱っこして!」がどんな気持ちからなのかを一度考えてみましょう。

例えば、理由が「寒いから」なら洋服を着せえてあげれば満足かもしれませんし「構ってほしいから」なら、催促された時におもちゃで遊んであげれば満足するかもしれません。

理由がわからない抱っこの催促の場合は、抱っこではない行動をしてみて犬がどんな反応をするか試してみるといいでしょう。

犬が抱っこを嫌がる理由

無視する犬

  • 子犬のうちに触られることに慣らされなかった「経験不足」
  • 抱っこの後には嫌なことがあるという「学習」
  • どこかしらケガをしている、または抱き方が痛い場合の「苦痛」

まずは、愛犬がどの理由から抱っこを嫌がっているのかを知ることが大切です。

その上で、愛犬に合った抱っこのトレーニングを行ってあげましょう。

犬が抱っこを嫌がる場合のトレーニング

トレーニングを受ける犬

まずは、犬がなぜ抱っこを嫌がっているのかを知ることが大切です。

理由によっては、抱っこが嫌なのではなく、抱っこの後に起こることに対して嫌がっている場合もあります。

【子犬の場合】とにかくたくさん触る

子犬をお迎えしたばかりなら、多くの人に触ってもらうようにしましょう。

刺激に慣れさせるのに最適な時期は、生後3〜12週齢です。その時期に「家族だけ」など特定の人にだけしか触れられなかった場合は、触れ合ったことのない人(例えば子どもやおじいさん、おばあさんなど)に対して、不安や緊張から抱っこされることを嫌がる可能性が高まります。

多くの人に触ってもらうことはとても大切ですが、必ず安全に配慮して触ってもらうようにしましょう。

「抱っこしてもらったけど落とされた」となれば、ケガだけでなく、抱っこ自体にトラウマを持つこともあります。




嫌な経験の後は、いい経験をさせる

犬はとても賢く、抱っこの後に起こった出来事をしっかり覚えています。抱っこするときは以下の状況だけにしていませんか?

  • 病院での抱っこの後は注射をされる
  • ドッグランで抱っこされると、楽しい遊びの時間は終わり
  • 車嫌いな犬の場合、抱っこされたら車に乗せられる
  • 抱っこされた後に落とされた経験がある

嫌な経験で終わりにしないで、いい経験で終われるように飼い主さんがフォローしてあげましょう。

注射が嫌いな子なら、注射の時にはいつもよりちょっといいおやつを与えたり、車酔いするから車が嫌いな子なら、まずは車に慣れさせたりすることから始めましょう。

愛犬が本当に嫌がっているものは何なのかを見極めることも飼い主さんの大切な役割です。

何が嫌なのか見極める

成犬の場合、まず犬が「触られるだけなら大丈夫なのか」「脇や胸に手が来るだけで拒否反応をするのか」「力が加えられると嫌なのか」「片手なら平気だけど、両手になると嫌がるのか」など、細かく確認してみましょう。

たとえば、胸に手が来ると嫌がる場合には、背中など触れても大丈夫な部分から触れ、おやつをあげながら、胸のほうに少しずつ手を下ろしていきます。

決して無理をさせず、ゆっくり「怖くない」ということを教えてあげることがポイントです。

胸に触っても大丈夫になったら、ちょっと抱き上げようと力を入れてみたり、お尻に手を添えてみたりなど、ゆっくり「抱っこのかたち」を目指します。

トレーニングは時間がかかるものと自覚する

トレーニング中に大切なことは、完全に慣れるまでは抱き上げないことです。

一度「嫌だ」という学習がある場合「嫌だ」という記憶を「大丈夫!」といういい記憶に新しく上書きしなければいけません。

せっかくの上書き途中に、急に抱っこしてしまうことは振り出しに戻るどころか、さらにトラウマになる可能性もあります。

また、トレーニングは1日だけで終われるものではありません、犬の性格によっては慣れるまでに数週間かかることもあります。

慣れるまではできるだけ抱っこをしないことが大切ですが、危険回避や、診察などやむを得ない場合には、その後のフォローをきちんとしてあげましょう。

長い目で見て、1日15分を朝と夜だけに行うなど、犬にとってストレスにならないようにトレーニングしていく必要があります。

抱っこだけじゃない愛情表現をする

愛犬の可愛い姿に、思わず抱きしめたくなることも多いはず。そんな時は、飼い主さんが座っている時だけにするなど、抱っこにもメリハリを付けましょう。

「甘えるための抱っこは飼い主さんが座っている時だけだ」と犬が学習すれば、お散歩中などの要求は減ると思います。飼い主さんと愛犬とで、ルールを決めて抱っこをすることが大切です。

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まとめ

女性に抱っこされる犬

犬を抱っこする必要は基本的にはないが、慣れさせておくことは必要
犬が要求してきた抱っこに応え過ぎると、健康面や精神面にデメリットがある
抱っこの練習は、あせらずゆっくり、愛犬のペースに合わせる

抱っこ癖がつき、精神的に不安定になることは避けたいことですが、どんなときでも抱っこができるように慣れさせておくことは大切です。

もし抱っこが苦手なら「怖くないよ」と、愛犬のペースに合わせてゆっくり教えてあげてくださいね。


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