猫にアイスを食べさせるのはNG!中毒やブレインフリーズなど注意点を解説

猫にアイスを食べさせるのはNG!中毒やブレインフリーズなど注意点を解説

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暑い夏はかわいい猫にもアイスを食べさせてあげたい飼い主さんもいると思いますが、猫に人用のアイスはNGです。チョコレートや抹茶など中毒成分のリスクがありますし、バニラも乳糖不耐症の猫には負担になってしまいます。人用の味付けは猫の健康を害す原因になりますので、猫には猫の食事を心掛けましょう。もちろん、猫用のアイスなら食べても大丈夫ですよ。

猫にアイスを食べさせるのはNG

アイスクリーム

猫は肉食動物ですから、アイスを食べる必要性はありません。人用のアイスにはチョコレートや抹茶、ナッツなど中毒やアレルギーを起こす成分が含まれているものが少なくありません。多すぎる糖分も肥満の原因になってしまうでしょう。猫は乳糖を分解することが苦手ですので、乳製品を食べると下痢になる可能性もあります。


人用のアイスの成分

人用に作られるアイスの主な原料は牛乳など乳製品と糖類です。そこにチョコレートや抹茶、ストロベリーなどのフレーバー類が入ります。

  • 乳脂肪分・無脂乳固形分・乳固形分
  • 糖類
  • フレーバー
  • 植物油脂
  • 安定剤
  • 乳化剤
  • 香料
  • 着色料


アイスのコーン

アイスでよく使用されるコーンの原材料は主に小麦粉です。コーンによっては膨張剤を添加している場合もありますが、チョコレートフレーバーなどが使用されていない限りアレルギーの発症は考えにくいです。しかし形を整えるための添加物や砂糖、卵を含んでいる場合があります。

猫がアイスを食べてしまった際の注意点

アイスクリーム

人間用のアイスには猫にとっては不要の成分が含まれています。アレルギーがなければ実際に与えても命に関わるような深刻な影響はないでしょう。しかし糖分や乳製品の成分は体の不調を引き起こすきっかけになります。猫はアイスなどの冷たい食べ物を食べると、ブレインフリーズという症状が出る時があります。ブレインフリーズとは人間がかき氷を食べて、キーンと頭痛を感じるのと同じです。それぞれの影響を把握し、しっかりと注意してあげましょう。

ブレインフリーズ

ブレインフリーズは人が冷たいものを食べる時にキーンと頭が痛くなる、日本語の医学名的な正式名称では「アイスクリーム頭痛」と呼ばれています。これは体温を一定に保とうとする働きにより脳の血管が急激に広がって痛みを引き起こしている状況や、喉の三叉神経(さんさしんけい)がアイスクリームによって急激な冷たい刺激を痛みと勘違いしてしまい、頭痛を招くのだそうです。

そして猫にも同じような症状が見られます。最近はSNS上で猫にアイスクリームを与え、ブレインフリーズによって白目をむいたり、口を開けて驚いているような猫の表情の動画を投稿する人がいます。猫のブレインフリーズが人間の要因と同じかどうかはまだ確実にはわかっていないようですが、ペット医療の発達しているアメリカの記事に記載されていた多くの獣医は意見としては、意図的にブレインフリーズを引き起こすことは好ましくないというものでした。

アイスの糖分は肥満の原因に

猫の味覚は甘さにあまり敏感ではないのですが、人間が食べているものに興味を持ちやすいです。猫にとって糖分の過剰摂取は肥満の原因になり、さまざまな健康被害の原因になります。もしアイスをあげるとしても、人差し指に少しつけて舐め取らせる程度で十分です。

乳糖不耐症:嘔吐や下痢の原因に

人間でも牛乳などの乳製品を摂るとお腹の調子が悪くなる人もいると思いますが、猫にも同じ理由で同じような症状が起こります。多くの乳製品には乳糖が含まれており、体の中で乳糖を分解するためにはラクターゼという消化酵素が必要です。しかし猫は乳糖を分解できない体質の子が多いため、胃腸が不調になり下痢嘔吐を引き起こしてしまう可能性があります。

乳製品アレルギー

猫の中には食品アレルギーで乳製品に反応してしまう子がいます。初期の症状として皮膚の疾患が現れる可能性が高いので、フケが出たりずっと肌をかゆがっていたりしていたら、早めに病院に相談してあげましょう。食物性のアレルギーの場合、原因となるものを取り除いてあげれば問題はありません。

困った表情のネコのイラスト


人間にも影響があるパスツレラ症とは?

パスツレラ症とは、パスツレラ属菌によって引き起こされる日和見感染症で、免疫力が低下した時にだけ日和見的に症状を表す感染症のことを指します。このパスツレラ症は人獣共通感染症の一つです。感染は比較的容易なため、自分が食べているものを頻繁に共有するだけでも感染する可能性があります。アイスやおやつなど、自分が食べているものをネコちゃんと共有するのは控えた方がよいでしょう。

パスツレラ症の感染経路

パスツレラ症の感染経路主に三つです。パスツレラ菌は犬猫の保有率が高く、猫ほぼ100%、犬の75%が口内常在菌として保有しています。つまりペットを飼っている人にとってはかなり身近な感染症なのです。

  • 犬や猫による傷
  • 飛沫感染
  • スキンシップ

主な症状と予防・治療法

パスツレラ症を発症する際、噛まれたり引っかかれたりするとその箇所が炎症状態になり、皮下組織にまで影響を及ぼす場合もあります。そして飛沫感染などをした場合は気管支炎や肺炎を引き起こす確率が高くなります。

パスツレラ症は免疫力が低下している時に日和見的に発症するものなので、犬や猫を飼っている人は日頃の体調を整えることをまず意識し、体調を崩している時はペットとのスキンシップを抑えることがパスツレラ症の発症予防になります。また、傷を負った場合は放置せず、必ず病院に行きましょう。

持病がある人は要注意

免疫不全などの基礎疾患、肝障害、糖尿病などを抱えている人はパスツレラ症感染によって重篤な状態になってしまう可能性があります。ペットがいる場合は口を舐めさせるなどのスキンシップはしないよう、しっかりとしつけをする必要があります。また、引っかかれても大丈夫なようにこまめに爪切りもしてあげましょう。

猫におすすめのアイス代わりのおやつ

アイスクリーム

暑い夏にアイスなどを通して涼を分けてあげたくなりますよね。実際普段とは異なるおやつやご飯は夏バテして食欲が落ちている時などに有効です。ただ肥満にならないよう気をつけてあげましょう。

ヨーグルト

ヨーグルトに含まれている乳酸菌が、乳糖不耐症の原因になる乳糖を一部分解してくれます。体の大きさによって、大さじ1〜3杯ほどで調整してあげるとよいでしょう。ヨーグルトと果物を混ぜて与えるとさらに嗜好性が高まり、ネコちゃんも喜びます。ヨーグルトを選ぶ際は、無糖を選びましょう!

リンゴやスイカ、桃などの果物

果物は種類によって猫の栄養バランスも助けてくれます。また水分補給の一環にもなるので、冷たすぎない果物をあげるとよいかもしれません。果物をあげたい時は、その果物の成分が猫にとって大丈夫か確認してから与えてあげてください。

猫用アイス・シャーベット

人間用のアイスを与えなくても、猫が喜ぶひんやりおやつが氷の中におやつを入れる商品や、猫が問題なく食べられる専用のアイスなども販売しています。夏バテで元気がない時や、飼い主さんがアイスを食べている時などにあげるとネコちゃんも嬉しさ倍増です!

猫用アイスをおやつとして与える場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトことオリジナルのドッグフード「PETOKOTO FOODS」の「フード診断(無料)で簡単に計算することができます。

1日の最適カロリー量を計算する

フード診断

猫に食べさせるなら猫用アイス

ねこ

猫が人用のアイスを食べてしまうと体を壊してしまう可能性があります。飼い主さんがアイスやおやつを食べているとき、「その時間を共有したいな……」と思う場合は事前にネコちゃん用のアイスやシャーベットなどを準備してあげるとよいでしょう。


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