
犬用化粧水「アヴァンス」開発者インタビュー 温泉から生まれたペットのためのスキンケア
犬の病気で代表的と言えるのが「皮膚」に関するもの。それもそのはず、犬の肌(角質層)は、人の1/3ほどの薄さしかないんです! 人でも肌のケアは大事なのに、それより薄い犬の肌はケアしなくても大丈夫なのでしょうか。いや、よくありません。そこで重要になってくるのが日常的なケアです。ブラッシングは欠かさずしているという飼い主さんは多いと思いますが、肌のケアまでできている方は多くないはず。そんな飼い主さん向けに登場したのが、ペット用化粧水「アヴァンス」です。

特徴は、「温泉の力で肌を整える」ということ。温泉が体に良いのは日本人なら当たり前のことですが、犬用の化粧水で温泉とはどういうことなのでしょう。今回は犬の肌トラブルについての解説と、「アヴァンス」の開発者であるサラヴィオ中央研究所の加世田所長に伺った「温泉が犬のお肌ケアにオススメな理由」を紹介します。
いくつ当てはまる? 愛犬の肌トラブル

以下の項目で皆さんの愛犬に当てはまるものはありませんか?
- 耳の内側や周囲を痒がる
- 局所的な脱毛がある
- 口の周りを痒がる
- 毛並みが良くない
- 乾燥肌
- 肌荒れ
- 湿疹がある
- 臭いがする
一つでも当てはまる場合は、肌トラブルかもしれません。一言で肌トラブルと言っても、傷や脱毛のように目に見えるものから、乾燥肌やフケが多いといった動物病院へ連れて行くべきか迷う日常的なものまでさまざまです。そのため、愛犬の肌トラブルでお悩みの飼い主さんは意外と多くいます。
肌トラブルがやっかいなのは、治療を気長に行わないといけないということ。動物病院で薬をもらったとしても、効果が出るまで時間がかかりますし、薬には少なからず副作用があります。
例えばステロイド系の薬を使用した場合、効きが早く効果も認められやすいのですが、下痢や嘔吐、肝障害、免疫抑制などの副作用が出る可能性がありまし、アトピー性皮膚炎のときに利用されるタクロリムス軟膏などの免疫抑制剤もそれによって感染症のリスクが出てきます。できれば長く飲ませたくないと思う飼い主さんがほとんどだと思います。
愛犬のために、日頃の肌ケアを!
薬に頼りたくないからこそ、日頃の肌ケアは欠かせません。最近では皮膚病対策をうたったドッグフードも販売されていますが、普段の食事を変えるのは難しかったり、ピンポイントでトラブルに対処したい場合もあったりすると思います。そこで体の外からのケアとして使ってあげたいのが犬用の化粧水です。
温泉から生まれた化粧水
「アヴァンス」最大の特徴は、サラヴィオ中央研究所がある大分県の別府温泉に生息する微生物「RG92」という藻類(そうるい)のエキスを配合していること。別府温泉は、世界一の源泉数(約3000)を誇る国内屈指の温泉です。同研究所はそこから200種類以上の微生物を見つけ出し、信州大学に依頼した遺伝子解析の結果、新種の微生物群(藻類、発酵細菌など)を発見しました。そこからさらに、皮膚トラブルに特徴的な結果を出した「RG92」を特定し、特許を取得したのです(※)。
共同研究を行った信州大学農学部の伊原正喜助教は、「(RG92は)非常に面白い。可能性が感じられます」とコメントしています。
※特許第5676702号「藻類体から抽出したエキスを含有する組成物、及び化粧用組成物、炎症性疾患の治療・予防薬、並びに新規微生物」
肌に潤いをもたらす、もう一つの成分
RG92を配合した「アヴァンス」には、さらに、肌に潤いをもたらす保湿成分「温泉酵母」も配合されています。主な成分は、温泉由来の酵母を使った「加水分解酵母」と「加水分解コラーゲン」です。コラーゲンが肌に良いというのは皆さんご存じだと思います。しかし、コラーゲンは大きな分子なので、肌の表面からは吸収されにくいという問題があります。そこで、温泉酵母の発酵力を使って低分子化したものが「加水分解コラーゲン」なのです。「アヴァンス」は、RG92で肌を健康に保ち、温泉酵母で元気と潤いを引き出すという二段構えの作りになっています。
しかし愛犬の肌に塗るものだからこそ、どんな人がどんな考えで作っているものなのか気になるところですよね。そこで、今回は「アヴァンス」の開発者であるサラヴィオ中央研究所の加世田 国与士所長にお話を伺いました。
インタビュー:犬の化粧水を開発したのはどんな人?

サラヴィオ中央研究所 加世田 国与士所長
Q. 加世田所長の経歴を教えてください。
最初は産業技術総合研究所に就職し、ヘッドハンティングでイギリスのマリーキュリー研究所に移って15年ほど酵素の研究をしていました。酵素と言うと皆さん食品などの酵素を思い浮かべると思うのですが、それとは違って、抗がん剤の研究や細胞分裂といった研究です。そして次のキャリアを考えたとき、学者として論文を書いたりするのも大事なことなのですが、もう少し直接的に人の役に立ち、社会に貢献できる仕事がしたいと思って出会ったのがサラヴィオ化粧品でした。当社は、私が入る前も酵素や発酵の技術を使った(人向けの)商品を作っており、お客さまから好評を頂いていました。ただ好評を頂けるのは分かっていても、その理由を科学的に説明することができていなかったんです。そこで、経営陣が「科学者が必要だ」「科学力でもっと確実な良いものを作りたい」と考え、お互い目指すところが一致してできたのがサラヴィオ中央研究所です。
Q. なぜ温泉そのものではなく藻類に着目したのでしょうか。
最初は水や泥の研究も行いました。イタリアには「ファンゴ」と呼ばれる温泉泥を使ったセラピーがあります。これは保険適用を受けられる伝統的な温泉療法です。私たちもファンゴを参考にして、温泉泥でできることがあるのではと考えていたのですが、泥の品質管理が難しく、製品化には至りませんでした。泥を使う場合は、質の良い状態で利用してもらうために温泉まで来ていただかなければいけなかったんです。しかし私たちが目指したかったのは、いつどこにいても気軽に、そして簡単に使えるものを世界中の方々にご提供したいということでした。「肌トラブルで困っている多くの方々に使っていただけるものを」という想いがありましたので、別のアプローチを考えました。そして出てきたのが、「温泉の効能は、その中に潜む微生物にも起因するのではないか」という仮説だったのです。
事例紹介:アトピーや肉球トラブルで使用した結果

長寿遺伝子として知られている「サーチュイン1(SIRT1)」は肌トラブルによって減少してしまうという報告もあり、肌ケアは犬でも欠かせません。だからこそ愛犬のためにRG92が配合された「アヴァンス」を使ってあげたいところですが、気になるのは実際に使ってどうかということ。そこで、犬やウサギの皮膚トラブルで「アヴァンス」を使われた方の事例をいくつか紹介します。
アトピー性皮膚炎

生後半年でアトピー性皮膚炎の宣告。全身の皮膚は赤く、たびたび掻きむしって流血。アトピー性皮膚炎は中程度〜重症と言われたがステロイド投与は断り、「アヴァンス」を使用(1日2〜3回、200mlを1本使用)。
肉球のトラブル

皮膚が赤く炎症を起こし、毛も抜けて薄くなっていたため「アヴァンス」を使用(1日2〜3回、200mlを1本使用)。
皮膚のかゆみ(ウサギ)

目の周りに炎症ができ、かゆみがあり、足で掻くようになり毛並みも悪い状態に。コットンに「アヴァンス」を浸して目の周りに塗ってあげると気持ち良さそうにしていたため、耳と頭にも塗布(1日2〜3回、200mlを1本使用)。
インタビュー:ペット向けは絶対に商品化したいと思っていた
再び加世田所長にお話を伺います。Q. 「RG92」はどうやって発見したのでしょうか。
別府温泉は医学的に治療効果が認められている11種類の治療泉のうち、10種類が存在する素晴らしい温泉です。源泉は約3000あり、そこには微生物が無数に存在しています。私たちはさまざまな源泉から微生物を採取し、培養可能かという点で数百に絞りました。そこから求めている特徴を示すものを探し出し、「RG92」は見つかりました。RGはリジェネレーション・ゲートウェイの略で、「92番目に見つけた再生への道」という意味です。
Q. ペット向け製品の話を聞いたときどう思われましたか?
道後温泉の白鷺伝説や野沢温泉の熊の手洗湯をご存じでしょうか。鹿教湯(かけゆ)温泉なんて文字の通りで、私も温泉を調べていて知ったんですが、動物が温泉の場所を教えてくれたという伝説は全国にあるんです。動物は本能で温泉が体に良いことを知っているわけです。いつか必ずペット向けの商品を開発したいと思っていました。ペット向けの話は、当社製品のご愛用者であり、トリマーライセンスを持ちペットライフナビゲーターとして活動している大地さんが、「なんとかしてペットの皮膚トラブルの手助けをしてあげたい」という想いと私たちの想いがシンクロしたことから始まったのですが、大地さんからペットの皮膚トラブル事情の話を聞いた時は、「喜んでいただける」と強く思いました。ペットは我が子と同じくらい大切です。また、トラブルを抱えるペットを看護する飼い主さんもつらく、「わらをもすがる」という事情も耳にしました。ですから、改善の報告を何件もいただいた時は、本当に嬉しかったです。

インタビュー:何度も塗れるのがアヴァンスの特徴

Q. お薦めの使い方はありますか?
皮膚のトラブルはすぐに良くなるものではありませんので、長く使うことが大事です。既に炎症がある場合は、何か塗ることが刺激になって嫌がる場合もありますが、「アヴァンス」はペットがあまり嫌がらないというのが特徴です。そして使われている方たちからフィードバックを頂いて顕著なのは、1日に1回塗る飼い主さんより、複数回塗る飼い主さんのほうが満足感が高いということです。ぜひ何度も塗ってあげてください。次に、皮膚をよく観察してあげてください。毛並みを良くするために被毛に使う方もいらっしゃいますが、まずは皮膚です。被毛に塗って被毛だけを見ても、なかなか納得感は得られないと思います。1週間から2週間は続けて皮膚に塗り、観察してみてください。
事例紹介:11歳のミニチュアダックスフンド「ラムちゃん」
飼い主さんからの報告を紹介します。「アトピー性皮膚炎で痒みが酷く、薄毛状態で困っていました。甲状腺ホルモン低下症も血液検査で分かり薬を飲むようになりました。元気は出てきたのですが皮膚は変わらずで、獣医さんからもアトピーだから難しいねと言われたころと同時期にアヴァンスを見つけました。ステロイドも塗布したり飲ませたりしましたが治らずで、温泉水の言葉にこれで落ち着いてくれるなら……と思い注文しました。
まずお試しを購入したのですが範囲が広すぎて、すぐ無くなってしまいました。これでは効果が分からないので200mlを購入し1日2〜3回スプレーしました。写真1はスプレー前です。

写真1
写真2は20日後ぐらいのもの。

写真2
スプレーを始めて5日後くらいに肌に黒いものが見えて来て『合わないのな?』と思っていたら、その後黒くなっていた所に産毛が。それを繰り返し毛が増えていきました。フケがかなり目立っていた時期もありました。写真3は最近の物です。

写真3
ちょうど今始めて2カ月です。足はスプレー後や痒いときに舐めたり掻いたりするので、毛があったり薄くなって少し赤かったりします。しっぽも口が届くのでスプレー後舐めてしまうからか薄いです。鼻すじの毛が増えて欲しいところです。しかし、周りがびっくりするぐらいでよかったです」
アヴァンスの成分は?
「アヴァンス」の成分は、以下の通りです。- 水
- 加水分解酵母エキス
- 加水分解コラーゲン
- 緑藻エキス
- ユーカリ葉エキス
- ローズマリー葉エキス
ノンアルコール、防腐剤フリーなど、化学薬品は使用していません。また「アヴァンス」はもともと人向けの厳しい品質基準をクリアしたものがベースになって開発されています。しかし皮膚に塗るものだから、愛犬に悪い影響を与えないか気になると思います。加世田所長に改めて聞いてみました。
Q. 「アヴァンス」を検討している読者にメッセージをお願いします。
私が直接、誰かにおすすめする際は、自分の目に入れたり、飲んだりすることがあります。それくらい自信を持っています。どんなに良い成分を使っていたとしても、例えば防腐剤がいっぱい入っているようなものは成分の良さが消されてしまいますし、逆に体に悪い影響をおよぼしてしまうかもしれません。ペットは人と違ってなめてしまうことが多くありますので、特に気を付けています。お忙しいところ、ありがとうございました。

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