【獣医師執筆】猫はきのこを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫はきのこを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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秋になるときのこが食卓に上がる機会も多くなります。美味しそうな料理に興味津々の愛猫が寄って来て……。猫はきのこを食べても大丈夫です。今回は愛猫ときのこを楽しみたい方向けに、きのこに含まれる栄養素や与える際の注意点を紹介します。

猫はきのこを食べて大丈夫

きのこの盛り合わせ

毒きのこでない限り、猫はきのこを食べても大丈夫です。きのこは種類に関わらず代謝を支える重要な働きをビタミンB2や丈夫な骨をつくる働きがあるビタミンD、お通じの流れをよくする食物繊維を豊富に含んでいます。今回はきのこの中でも私たちがよく食べている「舞茸」「エリンギ」「えのき茸」「椎茸」「しめじ」「松茸」「マッシュルーム」「きくらげ」の8種類のきのこの栄養素や特徴を紹介します。

舞茸

諸説ありますが舞茸は食べると、あまりのおいしさに舞いだしてしまうことから舞茸と名付けられたといわれています。舞茸には免疫力を上げて細菌やウイルスを排除したり、ガン細胞を縮小させたりするβグルカンがきのこの中でも豊富に含まれています。

エリンギ

癖のない味わいで食感がアワビに似ていることから「白あわび茸」とも呼ばれているエリンギは、血行を良くしたり皮膚や粘膜の炎症を防いだりするナイアシンが豊富に含まれています。

えのき茸

私たちが普段食べているえのき茸は暗い暗室で育てられているため、白色をしています。えのきはギャバというストレスを軽減するアミノ酸を含んでおり、えのきを食べると疲労回復に効果的だといわれています。

椎茸

椎茸にはレンチナンという成分が含まれています。レンチナンは細菌やウイルス等の異物を取り込むマクロファージ等の活性化をする働きがあります。

しめじ

しめじには、シジミに含まれている5倍以上のオルチニンが含まれています。オルチニンはアルコールを分解するだけでなくて、疲労の回復にも効果的です。

松茸

「香り松茸、味しめじ」といわれるほど、香りがいいのが特徴です。松茸に含まれている桂皮酸メチルエステルという成分が特有の香ばしい香りの元となっています。

マッシュルーム

マッシュルームにはきのこの中でも、パントテン酸が豊富に含まれています。パントテン酸は糖質や脂質、タンパク質の産生に必要な酵素を助ける働きがあります。

きくらげ

中華料理でお馴染みのきくらげは白きくらげと黒きくらげの2種類が存在します。白きくらげは水溶性食物繊維が豊富なため、便秘解消に効果的です。黒きくらげは、レバーの約3倍分の鉄分を含んでいるといわれていて、貧血の予防にも効果的です。

猫にきのこを与える際の注意点

きのこ

きのこには食物繊維が豊富に含まれているため、お通じの流れをよくするのに効果的です。ただし、猫が下痢をしたり消化能力が弱っていたりする場合はあげないでください。

与えていい量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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もちろん「きのこの山」はNG

きのこといえば「きのこの山」を連想する方もいるかもしれませんが、当たり前ですがきのこの山にきのこの成分は一切含まれていません。それどころか、きのこの山には猫が食べていけない食材の一つであるチョコレートが含まれていますので、絶対にあげないでください。


猫にきのこは最低限でOK

きのこ

猫にとってきのこはとても健康的な食材です。ただし日本には4000以上のきのこがあるといわれていますが、そのほとんどが食べることができるのかどうかまだ検査されていません。家庭で育てているプランターの中にきのこが生えていることもあると思います。きのこの中には、見た目は椎茸やなめこに似ているのにも関わらず毒をもっているものが多数存在します。飼い主さんが与えたもの以外は食べさせないように気を付けて、安心な猫の食生活を送ってください!

参考文献


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