森泉さんインタビュー「私は幸せをもらってる」|縁や巡り合わせで出会った動物たちとの生活

森泉さんインタビュー「私は幸せをもらってる」|縁や巡り合わせで出会った動物たちとの生活

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モデル、タレントとして活躍する森泉さん。愛犬家なだけでなく、ブタやフクロモモンガ、ナマケモノなど、およそ30匹の動物と暮らす芸能界きっての動物好きです。昨年は元保護犬のディエゴを懸命な介護の末に看取りました。今回はそんな森泉さんに、動物への想いや犬との暮らし方について語っていただきました。

探してきたっていうより、出会っちゃった感じ

森泉さんとシロップの社員犬コルク
小さい頃から家にいろんな動物がいて、ハムスターとかトカゲとか。小学校でも夏休み前に「モルモットのお世話する人いますか?」ってなると、必ず私が手を挙げて連れて帰っちゃう(笑)。うちのお母さんは反対しなくて、「連れて帰ってきちゃったの? じゃあ、その子に良い環境を作ってあげられるように公園でいろいろ探してこようか」とか。
でもワンちゃんは飼わせてくれなかった。兄弟が多かったから。うちのお母さんはアメリカ人だから「犬はこういう環境で飼わなきゃかわいそうだ」っていう概念がすごいあって。アメリカは土地もあるし、「庭のない家で飼うのはかわいそう」とか、こうあるべきっていうのがあるんだよね。
私もロケで自然の中にいる動物を見ると「やっぱりこういう動物はこういうところにいるから魅力があるんだろうな」って自分の中で思うところがあって。もちろんかわいいよ。キリンとか飼いたいなって思うけど、自然にいるより良い生活を与えられるのかって考えた時に難しいなって思ったら飼わない。野生にいる子は絶対に野生にいるほうが幸せだから。
うちに来る子は、「(自分が)探してきた」っていうより、「出会っちゃった」みたいな感じ。ディエゴは静岡の山の中を走り回ってたところを保護された子で、話が来て、「おうち探してるんだ。じゃあうち来るかー」とか。そういうのも巡り合わせじゃないけど、ちゃんと意味があるのかなって。ただ、できるだけ自然と触れ合えるようにしてあげようっていうのは気を付けてる。保護施設に行ったときヒントを得たりして、「私もこういう環境を提供できるようにしよう」とか。
今は日本でも本当に犬のことを考えてると思う。飼い主さんの意識も高くて、グッズもすごく良いのがいっぱい出てる。でも差は激しいよね。「犬は番犬だ。ずっと家の前につなげておけばいい」っていう考えが残ってて。日本は子どもの数より犬のほうが多いペット大国になってるけど、(本当にそれでいいのか)考えないとね。

「犬を飼う」って良いことばかりじゃないから

森泉さん
老犬の介護はすごく大変って聞いていて。ディエゴは小型犬だったからまだ楽なほうだったとは思うけど、やっぱり弱ってく姿を見るのは精神的にけっこうキツくて。「あー、あれができてたのに、もうできなくなっちゃうんだ……」とか。でもそれと同時に、ちょっと体調の良いときに元気な姿を見せてくれると喜びもあるんだよね。
今は介護グッズが身近にいろいろ出てるから、かなり助けられた。床ずれのパッドとか。人間用も使いつつ、いろんな工夫しながら「こうやったらもっと居心地良くなるかな」とか工夫しながら一緒にいられたのが今となっては良い思い出だし、すごい貴重な時間だったなって思う。
森泉さんの愛犬ディエゴ
ディエゴ(2015年5月撮影)
犬を飼うって、赤ちゃんのかわいいときから、しつけで大変なときがあって。ちょっと楽になって、ほぼ寝てるようになって……。最後にまた大変なときが来る。それを含めて「犬を飼う」ってことなんだなあとすごく思う。
良いことばっかりじゃなくて、大変な部分もあって、お気に入りのソファーかじられたりとか(笑)。でもその分、私は幸せをもらってるんだよね。今日は何もする気がしなくてベットから出たくないなと思っても、犬を見て、「ああ、散歩行かないと」って。嫌々ながらも散歩に行くと、「あ、でも天気も良いし風もあるし気持ちいいわあ。悩んでたこと大したことないな」とか。精神的にも助かってる部分があって、お互いさまで本当に大事な存在。犬を飼うっていうのが負担になりすぎてもね。やっぱり飼えなくなったとか。

何があるか分からない人生だから

将来、人生どうなるかわからないじゃない。私も病気になるかもしれないし。そういう時に行けるところを自分で責任を持って探しておくってのは大事だと思う。今はワンちゃんも長生きするからね。
だから私の場合、私の身に何か起こったらどこに行くかってのはみんな決めてる。この子はあそこの家に行ってとか話してて、「何かあったらよろしくね」って。それってすごく大事だなって思ってる。

迎えるなら、ライフスタイルに合う子を

森泉さんとシロップの社員犬コルク
飼ってる子同士はみんな仲良くて、ディエゴは「ボス」じゃないけど、新しく来た子に遊び方とかトイレの場所とか教える「長男」だった。ディエゴに気に入られなかったらアウトだよみたいな(笑)。
鳥は自分のこと犬だと思ってて、大型犬のエヴァは自分のこと小型犬だと思ってる。ジザベルとユキっていうチワワが2匹いるんだけど、エヴァは自分もチワワだと思ってるのか、狭いところにお尻を突っ込んで、「何で私は入れないの?」っていう顔をしたり、本当に見てると面白い。自分のことチワワだと思ってるんだと思う。
エヴァは、たまたま番組で北海道に行ったときに山の中で生まれた子で。兄弟が5匹いてお母さんが野犬だったの。一緒に仕事に連れて行って、いろんな人に触ってもらったり、いろんなところに行っていろんな体験してだいぶ良くはなってきたけど、まだちょっとビビりなとこがあって。でも、それも彼女らしいキャラクターかなと思ってる。
森泉さんとエヴァ
エヴァ(2017年9月撮影)
よく「保護犬って大人から飼ってもなれるの?」とか聞かれるんだけど、すごいなれてくれるし、心も通じる。もちろん時間かかるよ。でも、一つずつ乗り越えていくと絆も深くなると思うから。(保護施設にいた子は)しつけができてて、トイレとかも終わってる子とかもいるから、子犬から飼うより意外と楽かもしれない。
自分のライフスタイル的に、ここまでしつけする時間はないからって人は、すこし年取った子をおうちに迎えるっていうのはすごくいい判断だと思う。若い夫婦で一日中寝てる子を引き取ったおうちを知ってるんだけど、ちゃんと温かい家でご飯も食べられて、家に帰ったらちゃんとコミュニケーション取って。本当に落ち着いた犬生を送れて幸せだなあって。そういう自分のライフスタイルに合う子を探すのもすごくいいよね。

ペトことの読者に伝えたいこと

森泉さん
飼い方って正解が無いじゃない。ペットサロンを始めて気付いたのは、いろんな飼い主さんがいるなって。犬が100匹いたら100人違う飼い主さんがいて、「こういうやり方があるんだ。私も取り入れてみよう」とか、すごく良い刺激になって勉強になる。
負担があると犬もわかると思うから、そこはお互いうまく。「今日はいっぱい歩けないけど、明日はいっぱい遊ぼうね」とか。そういうメリハリがある毎日がいいかなって。家族も犬を飼ってるんだけど、電話して「みんな散歩行くよ。集合ね」ってコーヒーを飲みながら歩いて。(犬がいることで)そういう貴重な家族との時間も過ごせてるなと思う。
私のライフスタイルに合わせてもらっちゃってるというのはあるんだけど、お互い負担をかけず、我慢もしすぎずっていうのが理想的な関係なんじゃないかなって。いろんな縁で出会って一緒に生活してると思うんだけど、みんな楽しい思い出いっぱい作って、一緒に成長できたらいいよね。

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