猫の体が腫れている場合に考えられる原因と病気、予防法や応急処置を獣医師が解説
猫の体が腫れている場合、肥満細胞腫や寄生虫などさまざまな理由が考えられます。今回は猫の体が腫れている場合に考えられる原因と病気、予防法や応急処置を白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が解説します。
猫の体が腫れている場合に考えられる原因と病気
蜂窩繊炎(フレグモーネ)の場合
猫の皮膚は丈夫なため、表面の傷はあまり目立ちません。それに比べ、皮下組織は驚くほど弱く、爪や歯が刺さったほんの小さな傷から細菌が繁殖してしまいます。こうなると、皮膚のすぐ下から皮下脂肪にかけてまで深く広い範囲で炎症が起こる「蜂窩繊炎(フレグモーネ)」と呼ばれる病気になってしまう恐れがあります。ひどいときには、腫れた部分の皮膚が壊死し、切除を余儀なくされてしまう場合もあります。 そのため、少しでも異変を感じたら動物病院で診てもらいましょう。ワクチン接種部位肉腫の場合
まれなケースではありますが、ワクチン接種後、ワクチンを打っていると思われる部位の炎症が4ヶ月を過ぎても消退せず、しこりのように腫れている場合には、ワクチン接種部位肉腫の可能性があります。この場合には、患部はほとんど熱を持ちません。肥満細胞腫などの腫瘍
皮膚にできる腫瘍で、自潰をしてしまい二次感染を伴う場合には、このような状態になります。イボのように見える寄生虫
マダニの寄生により、吸血した後は膨れているマダニが観察されることがあります。猫の体が腫れている場合の応急処置
猫の体をなでているときに、腫れている場所があるのに気付いた場合、まずはその部分が熱を持っていたり、傷があったり、その傷から血や膿が出ていないかをチェックしてあげてください。特に、外に出るオス猫の場合には要注意!!
縄張り争いや、発情期にメスを巡ってケンカをし、そのときにできた傷が化膿してしまっている可能性があります。悪化しそうだと感じたらすぐに動物病院に行くようにしましょう。
猫の体が腫れている場合はすぐに動物病院へ
猫は痛みに強い動物のため、飼い主が気付いた時には重症化していることが多いです。そのため、日頃から体を触ってあげたり、おしっこの匂いや色、頻度、水を飲む量や頻度を細かく確認してあげることが大切です。病気の重症化は早期発見が大切ですので、異変を感じたらすぐに動物病院に相談するようにしましょう。