【獣医師執筆】犬はバナナを食べても大丈夫!量や与え方の注意点を解説

【獣医師執筆】犬はバナナを食べても大丈夫!量や与え方の注意点を解説

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身近なフルーツの一つであるバナナは、犬に与えても大丈夫です。ビタミンなど栄養も豊富で便秘改善効果がある一方で、与え過ぎは糖尿病や肥満の原因になることも。今回は、バナナの栄養や腎臓病の犬など与える際の注意点、おやつのレシピを獣医師の佐藤が解説します。

犬はバナナを食べても大丈夫!何歳から?

切ったバナナ
バナナは犬が食べても大丈夫な果物で、カリウムや食物繊維を多く含みます。バナナはブドウ糖や果糖、ショ糖などの糖分を多く含み、犬は甘みを好むため、「バナナが大好き」という犬は少なくありません。もちろん嫌いなワンちゃんもいますので、個体差があることを理解しましょう。

一方で、バナナは消化・吸収の早いエネルギー源になるため、食べ過ぎには注意が必要です。喉が小さい子犬(パピー)のうちは、すり潰してあげれば、バナナを与えても良いでしょう。シニア犬(老犬)も同様です。

バナナの栄養成分と効果

エネルギー 93kcal
水分 75.4g
糖質 21.4g
カリウム 360mg
ビタミンB6 0.38mg
トリプトファン 10mg
食物繊維 1.1g
※100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)

特徴
カリウム 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓病の場合は過剰(高カリウム血症)になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。
ビタミンB6 補酵素としてタンパク質の合成やエネルギーの産生をサポートします。免疫や神経伝達に関わり、皮膚の健康維持にも欠かせない栄養素です。
トリプトファン 犬の必須アミノ酸で、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンや「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンの材料になります。
食物繊維 腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善したり、食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病を予防したりします。水溶性は満腹感の持続や下痢の改善、不溶性は便秘の改善などの効果が期待できます。

犬にバナナを与える際の注意点

バナナの皮
犬にバナナを与える際は、以下の点に注意してください。

  1. 肥満(与えていい量)
  2. 皮の誤飲
  3. アレルギー
  4. 腎臓病の犬

1. 肥満に注意(与えていい量)

バナナはカロリーが高いため、与え過ぎは肥満や糖尿病の原因になってしまいます。おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。

1日の最適カロリー量はペトコトオリジナルのフレッシュドッグフード「ペトコトフーズ」の「フード診断(無料)で簡単に計算することができます。

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2. 皮の誤飲に注意

バナナの皮は固く繊維が多いため、誤飲してしまうと胃腸で詰まってしまう可能性があります。下痢や嘔吐、場合によっては腸閉塞になり、手術が必要になる可能性もあります。皮は必ずむき、置きっぱなしにした皮を間違って食べてしまわないよう注意しましょう。


3. アレルギーに注意

バナナはアレルギー報告の多い食材ではありませんが、リスクはゼロではありません。初めて食べる場合は少量にして、アレルギー症状が出ていないか確認するようにしてください。

アレルギーの場合、以下の症状が発現する可能性があります。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

食物アレルギーは摂取後すぐに症状が現れるわけではなく、数日たってからという場合もあります。アレルギー症状が疑われる場合は、動物病院に相談するようにしてください。




4. 腎臓病の犬は控える

腎不全など腎臓に問題がある場合、バナナのカリウムが正常に排出できず高カリウム血症になってしまうことがあります。不整脈など重篤な心臓病につながる可能性もありますので注意が必要です。


犬へのバナナの与え方

バナナと犬

バナナは食べやすいように細かくカットして与えてあげるようにしましょう。特に小型犬の場合は喉に詰まらせてしまう危険性がありますので細かくカットするか、すり潰して与えてください。

ミキサーにかけてバナナジュースで与えるのもオススメです。ただし、牛乳を混ぜると嘔吐や下痢になる可能性があるためヤギミルクやヨーグルトを使うようにしてください。市販のバナナジュースは加糖され、糖分が過剰になっている可能性がありますので与えないようにしてください。

冷凍してアイス代わりに

夏の暑い季節などには冷凍で凍らせたバナナはアイス代わりになります。ただ、固いため、誤飲などには注意が必要ですし、胃腸が弱いワンちゃんには避けましょう。食べやすい大きさに細かくカットして凍らせたものを与えてあげると良いでしょう。

バナナを使った犬用レシピやおやつを紹介

犬とバナナブラウニー

バナナのブラウニーレシピ

チョコレートが食べられない愛犬にも食べてもらえる、チョコレート風味のバナナブラウニー。その風味の正体は、いなご豆からできたキャロブパウダー。香ばしい香りが愛犬の食欲をそそります!

▶材料
  • 薄力粉
  • キャロブパウダー
  • ベーキングパウダー
  • バナナ
  • 豆乳
  • はちみつ
  • オリーブオイル
▶作り方
  1. 薄力粉、ベーキングパウダー、キャロブパウダーを合わせてふるう。
  2. バナナを輪切りにしておく。好きな型で抜いてもOK。
  3. ボウルに卵を割りほぐし、泡立て器で混ぜ、はちみつと豆乳を入れてさらに混ぜる。
  4. 3に、1を加えてさっくりと混ぜ、オリーブオイルを加えたら、ゴムべらで混ぜる。
  5. 4をカップに入れてバナナをのせ、180℃のオーブンで20分ほど焼く。
  6. 冷ましたらできあがり。

詳細は関連記事をご覧ください。


バナナの犬用おやつ

バナナを乾燥させたおやつをはじめ、バナナ味のクッキーやガムなど、さまざまなおやつがあります。手軽にバナナを与えたいときに活用しましょう。

iliosmile(イリオスマイル)
無添加乾燥野菜&フルーツ

ドットわんクッキー「バナナ」

愛犬にバナナは細かくあげよう!

バナナ
与える際はすりつぶすか細かくカットしましょう
与え過ぎは肥満や病気の原因に
アレルギーやバナナの皮の誤飲に注意
犬はバナナを食べても大丈夫ですが、どんな食材も与え過ぎには注意が必要です。

また、人間にとっては安全でも犬にとっては危険な食べ物もたくさんあります。きちんと理解した上で、楽しく健康な愛犬ライフを送ってくださいね!

参考文献


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