動物愛護週間はいつ? その歴史や目的、2020年の中央行事について

毎年9月20日から26日は動物愛護週間です。保護犬・保護猫の認知が広がり、動物愛護という言葉も耳にする機会は増えたと思いますが、実際には「よく聞くけど実は何だか分かってない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は動物愛護週間とは何か、その歴史から環境大臣表彰の動物愛護週間ポスター最優秀作品一覧まで紹介します。

動物愛護週間とは

人に撫でられる猫

動物愛護週間と聞いて、もしかしたらバレンタインやハロウィンのように、自然発生的に生まれたイベントをイメージしてしまう方もいるかもしれません。

しかし、動物愛護週間は法律で定められた公式の記念週間なのです。

1974年に施行された「動物の保護及び管理に関する法律」(1999年「動物の愛護及び管理に関する法律」に改正)の第一章第四条で、以下のように記されています。

第四条
ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。
動物愛護週間は、九月二十日から同月二十六日までとする。
国及び地方公共団体は、動物愛護週間には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならない。

2020年の動物愛護週間


動物愛護週間は「ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため」(動物愛護管理法第四条)に設けられたもので、毎年9月20日から26日にわたって全国各地でさまざまな行事が開催されます。

国や地方自治体はもちろん、動物愛護団体が開催するものまでさまざまですが、2020年は新型コロナウイルスの影響で中止となった会場も多いです。今後も中止や規模縮小など変更される可能性がありますので、参加を検討している方は該当会場の情報をこまめにチェックすることをおすすめします。

2020年の動物愛護週間中央行事


動物愛護週間に開催されるイベントの中でも、最も大規模に開催されるのが東京・上野公園を中心とした「動物愛護週間中央行事」です。

環境省や東京都のほか、日本動物愛護協会や日本動物福祉協会、日本愛玩動物協会、日本獣医師会などが実行委員に名を連ねます。

こちらも、2020年は新型コロナウイルス感染症への対応により屋外行事は中止と発表されました。

屋内行事は「2020どうぶつ愛護オンラインシンポジウム」として、オンラインでの開催となります。

「動物愛護週間ポスターデザイン絵画コンクール」「日本動物児童文学賞」「全国ペット写真コンテスト」「動物愛護キャッチコピーコンクール」の受賞者と作品が紹介されるほか、講演やパネルディスカッションが開催されます。

2020どうぶつ愛護オンラインシンポジウム

《講演会・パネルディスカッション(予定)》
  • 13:20~13:50
    • 飼い主講座:「コロナ時代、ペットとどう向き合うか~新型コロナウイルス感染症とペット~」
    • 講師:中川 清志 氏 /(公社)東京都獣医師会副会長
  • 13:50~14:20
    • 講演1:「人と動物の幸せにつながるソーシャルワークとは~動物介在活動の現場から~」
    • 講師:上山 琴美 氏 / 認定NPO法人キドックス代表理事
  • 14:30~15:00
    • 講演2:「動物園で考える「動物と人の福祉」~大牟田市動物園での取り組みを例に~」(サテライト)
    • 講師:椎原 春一 氏 / 大牟田市動物園園長
  • 15:00~15:30
    • 講演3:「鳥の目から見る、人と動物の共生社会~虫の目に偏らないために~」
    • 講師:奥田 順之 氏 / 認定NPO法人人と動物の共生センター理事長
  • 15:45~16:45
    • パネルディスカッション「人も動物も幸せに~考えよう、共にくらす社会~」
    • パネリスト
      • 上山 琴美 氏
      • 椎原 春一 氏
      • 奥田 順之 氏


動物愛護週間の歴史


動物愛護週間の歴史は古く、1927年に神奈川県動物愛護協会の前進である日本人道会が5月28日から6月3日までの1週間を動物愛護週間としたのが最初です。その後も時期を変えて開催されています。

日本人道会による動物愛護週間の創設

最初に主導したのはアメリカ合衆国の駐在武官であったチャールズ・バーネット大佐夫人で、日本人道会の創設メンバーでした(日本人道会の創設メンバーには、国際連盟事務次長を努めた新渡戸稲造の妻メアリーもいました)。

1933年には巣鴨の少年団(戦前のボーイスカウト)が動物愛護週間に参加した記録が『自彊少年義勇団二十年史』に記されています。

本日より六月三日迄動物愛護週間に参加す。参加員五十名、例年通り巣鴨町一帯に亘り宣傳ビラ配布、牛馬に給水、給糧等の奉仕作業をなした。

1937年には動物愛護に携わった人々の表彰式が行われ、第1回の表彰者として老齢の愛馬をいたわってオリンピック競技を棄権した城戸俊三騎兵中佐や、犬のフィラリア症で功績を残した平岩米吉らが選ばれました。

※参照:日本愛玩動物協会(2017)『愛玩動物飼養管理士1級教本』


戦後、1950年に動物愛護週間が復活

第二次世界大戦後は、1949年にGHQの指示で春分の日(3月21日)に「動物愛護デー」が開催され、1950年からは21日を「動物愛護の日」として、3月18日から1週間、動物愛護週間が開催されるようになりました。

しかし、4月中旬に「鳥類愛護週間」が開催されていたことから開催日を離すため、動物愛護週間は秋分の日に移動することになりました(※)。

2009年には、動物愛護週間60周年を記念した切手が販売されています。

動物愛護週間60周年の記念切手
出典:日本郵便
※参照:川村多実二(1957)「動物愛護週間に因みて」, 『経済人.』, 11(9),pp. 49 ※鳥類愛護週間も5月に移動し、現在は「愛鳥週間」として5月10日から16日までさまざまなイベントが開催されています。

2001年度から環境大臣表彰を実施

動物愛護週間には、環境大臣による動物愛護週間ポスターや動物愛護管理の功労者の表彰も行われます。

動物愛護週間ポスター最優秀作品(環境大臣賞)一覧

動物愛護週間の普及と、国民の動物愛護管理に関する意識の一層の高揚を図ることを目的として、2005年度からは動物愛護週間ポスターのデザイン絵画コンクールが行われています。

令和元年度(2019年)「共に生きる~シニアペットとシルバー世代~」

2019年動物愛護週間ポスター最優秀作品
最優秀作品(環境大臣賞):浦 覚水(うら あきみ)さん(岡山県)

平成30年度(2018年)「知っていますか?動物愛護管理法」

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最優秀作品(環境大臣賞):稲垣茉莉(いながきまり)さん(愛知県)

平成29年度(2017年)「ペットも守ろう!防災対策」

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最優秀作品(環境大臣賞):佐々木美波(ささきみなみ)さん(岩手県)

平成28年度(2016年)「譲渡でつなごう!命のバトン ~新しい飼い主さんを探しています~」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成28年度(2016年)
最優秀作品(環境大臣賞):高吉逞花(たかよしてぃな)さん(鹿児島県)

平成27年度(2015年)「飼う前も、飼ってからも考えよう」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成27年度(2015年)
最優秀作品(環境大臣賞):大関雅子(おおぜきまさこ)さん(千葉県)

平成26年度(2014年)「宣誓!無責任飼い主0宣言!!」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成26年度(2014年)
最優秀作品(環境大臣賞):高吉逞花(たかよしてぃな)さん(鹿児島県)

平成25年度(2013年)「捨てず、増やさず、飼うなら一生」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成25年度(2013年)
最優秀作品(環境大臣賞):澤田久奈(さわだひさな)さん(東京都)

平成24年度(2012年)「見つめ直して、人と動物の絆」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成24年度(2012年)
最優秀作品(環境大臣賞):橋口玲美(はしぐちれみ)さん(宮崎県)

平成23年度(2011年)「備えよう!いつも一緒にいたいから」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成23年度(2011年)
最優秀作品(環境大臣賞):石川恵理(いしかわえり)さん(宮城県)

平成22年度(2010年)「ふやさないのも愛」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成22年度(2010年)
最優秀作品(環境大臣賞):木田慶汰(きだけいた)さん(山口県)

平成21年度(2009年)「めざせ!満点飼い主」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成21年度(2009年)
最優秀作品(環境大臣賞):加藤昭(かとうあきら)さん(千葉県)

平成20年度(2008年)「まもれますか?ペットの健康と安全」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成20年度(2008年)
最優秀作品(環境大臣賞):福島陽子(ふくしまようこ)さん(神奈川県)

平成19年度(2007年)「動物愛護部門」「迷惑等防止部門」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成19年度(2007年)
「動物愛護部門」最優秀作品(環境大臣賞):西連地麻央(さいれんじまお)さん(茨城県)

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成19年度(2007年)
「迷惑等防止部門」最優秀作品(環境大臣賞):上村佳代(うえむらかよ)さん(愛知県)

平成18年度(2006年)「動物愛護部門」「迷惑等防止部門」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成18年度(2006年)
「動物愛護部門」最優秀作品(環境大臣賞):細原柊香(ほそはらしゅうか)さん(東京都)
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「迷惑等防止部門」最優秀作品(環境大臣賞):日高朝美(ひだかあさみ)さん(大分県)

平成17年度(2005年)「動物愛護部門」「迷惑等防止部門」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成17年度(2005年)
「動物愛護部門」最優秀作品(環境大臣賞):山崎潮美(やまさきしおみ)さん(神奈川県)
動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成17年度(2005年)
「迷惑等防止部門」最優秀作品(環境大臣賞):長野恭子(ながのきょうこ)さん(東京都)

動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者一覧

2001年度から「動物の愛護とその適正な管理の推進に関し、顕著な功績のあった者(団体を含む)」の功績を讃えるため、環境大臣表彰が行われています。
※肩書き、所属団体名などは受賞時のものです。


令和元年度(2019年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 公益社団法人 神奈川県獣医師会 副会長 宇野 洋一さん
    • 公益社団法人 日本愛玩動物協会 相談役 椎野 雅博さん
    • 公益社団法人 日本動物病院協会 監事 原 大二郎さん
    • 公益社団法人 日本動物福祉協会 顧問 山口 千津子さん
    • 元 公益社団法人 日本獣医師会 理事 坂本 紘さん
    • 公益社団法人 北九州獣医師会 監事 西間 久高さん

平成30年度(2018年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 元一般社団法人 新潟県動物愛護協会 副会長 鳴海壽一さん
    • 公益社団法人 日本動物福祉協会 南大阪支部長 山移千鶴さん
    • 公益社団法人 日本動物病院協会 相談役 細井戸大成さん
    • 一般社団法人 岩手県獣医師会

平成29年度(2017年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 公益社団法人 和歌山県獣医師会 会長 玉井公宏さん
    • NPO法人 アナイス代表、公益社団法人東京都獣医師会 事務局長 平井潤子さん
    • 公益社団法人 福岡県獣医師会


平成28年度(2016年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 学校法人 ヤマザキ学園 ヤマザキ学園大学 理事長・大学長 山﨑薫さん
    • 公益社団法人 日本動物病院協会 CAPP 委員会 アドバイザー 金田京子さん
    • 公益社団法人 福島県獣医師会


平成27年度(2015年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 学校法人 ヤマザキ学園 教授 会田保彦さん
    • 公益社団法人 日本動物福祉協会 理事 安田幸子さん
    • 公益社団法人 北海道獣医師会 会長 髙橋徹さん
    • 公益社団法人 栃木県獣医師会


平成26年度(2014年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 元長野県動物愛護会理事 蜂谷信子さん
    • Dog ボランティアクラブ代表 坂本政子さん
    • 一般社団法人 家庭動物愛護協会会長 須田沖夫さん
    • 公益社団法人 群馬県獣医師会会長 木村芳之さん
    • 長野県動物愛護会松塩筑支部


平成25年度(2013年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 犬訓練士 澤井順さん
    • 公益社団法人 日本動物病院福祉協会顧問 柴内裕子さん
    • 公益社団法人 秋田県獣医師会会長 砂原和文さん


平成24年度(2012年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 前 社団法人 新潟県動物愛護協会会長 小川和雄さん
    • 現 特定非営利活動法人 人と動物との共生をめざす会理事長 河邉弘子さん
    • 現 優良家庭犬普及協会 専務理事 佐良直美さん
    • 現 長野県動物愛護会 副会長 猿田勝文さん
    • 公益社団法人茨城県獣医師会


平成23年度(2011年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 現 社団法人 静岡県動物保護協会顧問 青木慶祐さん
    • 現 公益社団法人 日本動物福祉協会徳島支部副支部長 伊月高憲さん
    • 現 一般社団法人 ペットフード協会名誉顧問 高原 利雄さん
    • (社)東京都獣医師会世田谷支部


平成22年度(2010年)動物愛護管理功労者大臣表彰の受賞者

  • 功績概要
    • 現 (財)日本動物愛護協会群馬支部長 石井文子さん
    • 現 (公社)日本動物病院福祉協会顧問 加藤元さん
    • 現 (公社)日本愛玩動物協会相談役 経徳禮文さん
    • 現 (社)福岡県獣医師会副会長 杉谷篤志さん
    • 現 福島県鳥獣保護センター参与 溝口俊夫さん
    • 現 山口獣医科病院院長 山口武雄さん
    • 現 (財)千葉県獣医師会副会長 山根晃さん

動物の愛護と適正な飼養を考え直す機会に


「動物愛護週間」は、動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めることを目的として法律で定められた、公式の記念週間です。ぜひ動物のことを考え直す機会にしてみてはいかがでしょうか。
更新:2020年9月9日
公開:2016年9月20日