【獣医師執筆】猫はかぼちゃを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫はかぼちゃを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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猫はかぼちゃを食べても大丈夫なのでしょうか? 栄養豊富なかぼちゃは、猫が食べても大丈夫な野菜の一つ。猫のおやつなどにも適しています。今回は、かぼちゃの成分や与え方の注意点などを紹介します。

猫はかぼちゃを食べても大丈夫

かぼちゃ

基本的な注意点を守れば、猫にかぼちゃを与えるのは問題ありません。かぼちゃは栄養価が高いので、手作りのご飯をあげているのであれば、かぼちゃも材料やレシピに加えてあげてもいいかもしれませんね。

しかし手作りの場合、栄養バランスの偏りが課題になってきます。すべて手作りのメニューにはせず、少なくとも総合栄養食のキャットフードを半分は入れるようにしましょう。

猫が食べて大丈夫なかぼちゃの栄養成分

かぼちゃには、ビタミン、カリウム、鉄分などの栄養が豊富に含まれています。風邪や動脈硬化の予防に加え、老化防止の効果もあるので、おやつとして与えたり、時々ご飯にトッピングしてあげるとよいかもしれません。

ただ、かぼちゃは100g中に91カロリーもあるのでダイエットには向きません。日常的に与えてしまうと肥満の原因にもなるので、与えるとしてもおやつ程度にしておくのが好ましいです。

  • ビタミンA(βカロテン)
  • 皮膚や目の健康を保ち、免疫力を正常に働かせる効果があります。ただ、猫はβカロテンからビタミンAを合成することができないので、他の方法で摂取する必要があります。

  • ビタミンE
  • ビタミンEには抗酸化作用があります。細胞膜トラブルの原因となる活性酸素、過酸化物に対抗し守ってくれます。細胞膜が壊れてしまうと皮膚病やガン、消化器疾患などさまざまな病気になってしまう可能性があります。

  • ビタミンK
  • 健康な血液と骨の維持に欠かせない成分です。この成分が欠如すると血が止まりづらかったり、骨が弱くなってしまったりします。

  • ビタミンC
  • 猫は体内でビタミンCを形成することができますが、年齢や体質が原因で不足してしまうこともあります。この成分は体を若々しく保ちガンを抑制する働きがあります。

  • カリウム
  • カリウムは塩分を排出する働きがあるので、血圧を維持してくれます。利尿作用が体内の水分量を調整してくれるので代謝が良くなります。


猫にかぼちゃを与える際の注意点

かぼちゃ

栄養豊富なかぼちゃが逆効果にもたらさないよう、食べさせる時の注意点はしっかりと確認するようにしましょう。食べ物の相性は猫によって異なるので、一般的に大丈夫だとされているものでも初めてあげる時は様子を見てあげる必要があります。

生のかぼちゃ、種は消化不良の原因に

猫にかぼちゃを与える時は、必ず柔らかくなるまで加熱してから与えるようにしましょう。生のままだと消化に時間がかかってしまい、胃腸の負担になってしまうため消化不良の原因にもなります。

かぼちゃの種も猫にとっては消化しづらいため、取り除いであげることが好ましいです。茹でたり蒸したりすると柔らかく甘さも感じやすくなるので猫も喜んで食べてくれます。

アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


ビタミンの過剰摂取による過剰症

栄養は摂れば摂るほどよいと考えている方も多いのですが、実はそうではありません。栄養は「適量」を摂取することによって効果を発揮します。本来は総合栄養食のキャットフードを与えていれば必要なビタミンは摂取できています。

ビタミンAやDの過剰は食欲を低下させ、嘔吐や疲労を引き起こします。ひどい時は歯や顎の変形なども見受けられるそうです。そのため猫にキャットフード以外のものを与える時は主食として扱うよりも、おやつやご飯のトッピングとして与えるようにしましょう。

肥満に注意

かぼちゃには100g中で91カロリーあるので、決してダイエットに適した食べ物ではありません。栄養が豊富だからと日常的に与えてしまうと肥満の原因になってしまいます。

柔らかくしたかぼちゃの食感やが好きな猫は多いので、特別な日にご飯にトッピングしてあげたり、おやつとしてたまに与えてあげるくらいの方がちょうどいいです。

与えていい量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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猫へのかぼちゃの与え方

かぼちゃ

生のまま猫にあげることはできませんが、蒸したり茹でたりすることで猫でも食べやすくなります。のどに詰まらせないよう、小さく刻んであげましょう。

季節の変わり目などは猫も体調を崩し食欲がなくなることもあるので、普段のキャットフードにトッピングしてあげると嗜好性が上がリ食欲を促進してくれるでしょう。

猫にかぼちゃを与える際はおやつ程度に

伏せる猫

アレルギーや体質に合わない場合を除き、かぼちゃは食欲促進や栄養面でも猫をサポートしてくれる食材です。主食として与える必要はありませんが、特別な日のトッピングやおやつとして食べさせてあげましょう。

なお、本稿は以下の情報を参照して執筆しています。

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