【獣医師執筆】猫は大根を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫は大根を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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猫は大根を食べても大丈夫なのでしょうか?大根は90%以上が水分でできているため、もし猫が気に入っているようであれば、水分補給として与えてみるのもいいかもしれません。今回の記事では、大根の成分や与える際の注意点などを詳しく解説します。しっかりと与え方を確認し、手作りご飯などに加えてみてはいかがでしょうか。

猫は大根を食べても大丈夫

大根

基本的に大根は猫にとって有害なものではありません。与え方によっては生の状態でも食べさせることができます。大根は90%以上が水分でできているため、水分補給代わりに食べさせてみても良いかもしれません。

しかし猫は基本的に肉食動物なので、大根などの野菜類をうまく消化することができません。注意点はしっかり確認した上で、少しずつ与えてみるようになりましょう。

猫が食べて大丈夫な大根の栄養成分

大根は90%以上が水分でできており、ビタミンB群やビタミンC、鉄分やカリウムなどのミネラルも含んでいます。総合栄養食のキャットフードを食べていれば基本的にこれらの栄養はまかなえていますが、与えて悪いものではありません。それぞれの成分の効果を確認してみましょう。

ビタミンB

疲労回復を早め、カルシウムの吸収を助け、脳の働きを活発にする効果が認められています。また、代謝を促す作用もあるため肥満防止にも繋がります。

ビタミンC

人と違って猫は体内でビタミンCを作ることができますが、年齢や体質が原因で不足してしまうこともあります。この成分は猫の体を若々しく保ち、ガンを抑制する働きがあります。

カリウム

カリウムは塩分を排出する働きがあるので、血圧を維持してくれます。利尿作用が体内の水分量を調整してくれるので代謝が良くなります。

鉄分

鉄分は貧血を予防するために必要です。たんぱく質と一緒に摂ると吸収力が高まります。

イソチオシアネート

現在でもその効果の研究が進んでいる期待の成分。血液の循環を助け、がん予防にも効果的だと言われています。ただ辛味成分でもあるイソチオシアネートは胃腸に刺激を与えてしまう恐れもあります。

猫は大根おろしやお刺身のつまは大丈夫?

大根おろしは、猫も消化しやすい形状です。猫に好かれるかどうかは分かりませんが、フードのトッピングとして試しに食べさせてみるのであれば、一番安心な与え方です。

お刺身のつまは大根を細く薄くしたものなので、成分自体は問題ないのです。しかし上に乗っている食材によっては、他の成分が付着している可能性もあるので、与えるときは注意しなければなりません。

猫は大根の皮や葉っぱは食べても良いの?

大根の皮は毒というわけではないのですが、人間が大根を食べる時と同様に、皮をむいてあげると食べやすくなります。

大根の葉は捨てる方も多いと思いますが、実は根の部分よりもビタミンやミネラルが豊富です。細かく切って茹でた後に、キャットフードなどにトッピングしてあげると良いかもしれません。

猫に大根を与える際の注意点

大根と猫

大根は基本的に与えても問題のない食材ですが「他の猫が大丈夫だから、うちの猫も大丈夫」と思い込んでしまうのは少し危険です。アレルギーや胃腸への負担に注意し、甲状腺に問題のある猫は摂取を避けたほうが良いでしょう。

与えていい量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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甲状腺に問題のある猫は注意

大根はアブラナ科の野菜です。アブラナ科に含まれるゴイトロゲン(グルコシノレート)という成分は、ヨウ素の吸収を阻害すると言われています。必要とする甲状腺ホルモンの分泌に影響し、甲状腺に負担をかけてしまう可能性があります。そのため、猫も甲状腺に問題がある場合は避けたほうが安心でしょう。

大根の大量摂取によって猫の甲状腺の機能が低下したという臨床報告は見受けられませんが、元々甲状腺に疾患のある猫は念のため注意しましょう。

アレルギーに注意

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


消化不良や下痢、嘔吐

猫は肉食動物です。野菜の消化を得意とした体内構造ではないため、大根でも大量に与えてしまうと胃腸に負担をかけてしまう原因になります。

また、大根に含まれるイソチオシアネートは大根の辛味成分でもあります。少しであれば問題ないのですが、辛味成分が胃腸を刺激してしまうので注意が必要です。食べさせる時は大根おろしか、小さく切ったものをご飯のトッピングとして与えてあげましょう。

猫に大根をあげる時は少量から

大根

大根のように生のままでも与えられる野菜は多くありません。大根おろしは胃腸への負担もかなり軽減されるので、大根おろしアートを作ったついでに、愛猫にちょっと舐めさせてあげても良いでしょう。

なお、本稿は以下の情報を参照して執筆しています。

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