【トリマー・獣医師監修】犬の肛門腺の絞り方やお手入れ方法を動画で解説
「犬の肛門絞り・肛門腺絞り(こうもんせんしぼり)って聞くけどした方が良いの?」という飼い主さん必見!犬の肛門腺絞りは、お家で行うには少し難しいお手入れですが、排泄時にたまる肛門腺の分泌物を絞り、健康で清潔な状態に保ってあげる必要があります。今回は犬の肛門腺の絞り方や頻度、注意点について、国内海外で15年以上経験のある現役トリマーの大森が解説します。
目次
- 犬の肛門腺絞り(こうもんせん絞り)をする理由
- 犬の肛門腺絞り(こうもんせん絞り)の基本知識
- 犬の肛門腺絞りのやり方を動画で解説
- 愛犬の肛門腺絞り(こうもんせん絞り)はサロンに任せてもOK!
- 専門家相談のインスタライブ開催中!
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犬の肛門腺絞り(こうもんせん絞り)をする理由
愛犬が自力で肛門腺にたまっている分泌物を排泄できない場合、分泌液が肛門嚢に溜まり、細菌の繁殖で炎症を起こし「肛門嚢炎(こうもんのうえん)」などの病気になる恐れがあります。
犬の肛門腺絞りをしないと、分泌液が溜まりすぎ、肛門嚢が破裂することもあるので、人の手で絞り出してあげる必要があり、この行為を「肛門腺絞り(こうもんせん絞り)」といいます。
肛門嚢炎の症状
肛門腺に分泌液が溜まり、肛門嚢炎になると以下の症状が見られます。- 肛門付近が赤く腫れる
- 排便する時に痛がる
- お尻を舐める
- お尻を擦り歩きする
犬の肛門腺絞り(こうもんせん絞り)の基本知識
犬の肛門腺絞りの頻度
犬の肛門腺絞りは、目安として2週間〜1カ月に一度は絞ってあげましょう。犬の肛門腺の溜まりやすさには個体差があります。お尻の擦り歩きなどをしていたら溜まっているサインの1つです。
絞ることが難しい場合は、トリミングやシャンプーをペットサロンでお願いする時に一緒に頼むのが良いでしょう。
小型犬と大型犬での肛門腺絞りの違い
基本的に肛門腺の絞り方は、小型犬でも中型犬・大型犬でも同じですが、大型犬のほうが出しづらく、力を入れて絞る必要があります。また、大型犬は排便の時に、一緒に肛門腺から分泌液を出せる場合があります。小型犬に比べると、大型犬の方が肛門腺を絞る頻度は少なくても大丈夫な傾向にあります(※個体によって異なります)。
犬の肛門腺の分泌液の色や量
犬の肛門腺の分泌液は個体によって、液体の形状や色が違います。ドロッとした茶色の場合もあれば、黄緑色でサラサラしている場合もあります。絞ったときの出方もゆっくりと出てきたり、勢いよく出たりさまざまです。溜まっている量も個体差があります。
犬の肛門腺絞りのやり方を動画で解説
\動画を見てチャレンジ!/
用意するもの
- ティッシュ・トイレットペーパー
- 消臭液かシャンプー
ティッシュ・トイレットペーパーは使用しますが、シャンプーまたは消臭液は、匂いが消えない場合に使用することをおすすめします。
※お風呂場や洗面所でシャンプーする場合はティッシュを使用せずに、絞った肛門液を洗い流し、お尻を洗ってください。
- 保定し、しっぽを持ち上げる
- 指で肛門腺を軽くつまむ
- 肛門に向かって少しずつ押して絞る
- 絞り残しがないかもう1度絞る
- 肛門の周りを清潔にする
Step1. 保定し、しっぽを持ち上げる
二人で肛門腺絞りをする場合、一人は愛犬が後ろを向かないよう顔を抑えてあげてください。一人の場合は愛犬の顔を背にして、人の脇の間に愛犬の体を挟みます。絞らない手で愛犬が座らないように尻尾を上げます。\One Point!/
しっぽを高く、顔側に少し倒してあげると肛門がよく見え、肛門腺も分かりやすくなり絞りやすくなります。Step2. 指で肛門腺を軽くつまむ
Step3. 肛門に向かって少しずつ押して絞る
\One Point!/
犬の肛門腺は臭いがかなりキツイため、周りに飛び散ったり洋服に付いたりしないようティッシュを肛門に覆うようにして絞ることをおすすめします。お風呂場で絞り、絞った後はそのまま肛門を洗ってあげると良いでしょう。Step4. 絞り残しがないかもう1度絞る
力を入れすぎず、絞り残しがないか、もう1度絞り、分泌液が出てこなくなるまで繰り返します。Step5. 肛門の周りを清潔にする
分泌液が肛門の周りに残らないように、肛門腺を絞ったあとは洗い流すか、シャンプーをしてあげてください。愛犬の肛門腺絞り(こうもんせん絞り)はサロンに任せてもOK!
肛門腺を絞らないと「肛門嚢炎」などの病気になる可能性も
2週間〜1カ月に一度は肛門腺絞りをしましょう
お尻歩きは肛門腺を絞るタイミングのサイン
分泌物の臭いはきついので、絞る際はティッシュで覆って
できれば終了後は、そのままシャンプーを
ご家庭でやる場合、うまくできるようになるまでにはコツが必要です。何度も繰り返しやるとコツがつかめるようになります。
ご家庭で出すのが難しい場合は、トリミングサロンや動物病院で必ず出すようにしてもらってください。
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この記事を監修している専門家
佐藤貴紀獣医師
獣医循環器学会認定医・PETOKOTO取締役獣医師獣医師(目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC、隅田川動物病院、VETICAL動物病院)。獣医循環器学会認定医。株式会社PETOKOTO取締役CVO(Chief veterinary officer)兼 獣医師。麻布大学獣医学部卒業後、2007年dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長に就任。2008年FORPETS 代表取締役 兼 白金高輪動物病院院長に就任。2010年獣医循環器学会認定医取得。2011年中央アニマルクリニックを附属病院として設立し、総院長に就任。2017年JVCCに参画し、取締役に就任。子会社JVCC動物病院グループ株式会社代表取締役を兼任。2019年WOLVES Hand 取締役 兼 目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC院長に就任。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。