保護犬だった2匹のシーズーを迎えた佐藤さん夫婦の話【お結びレポート】

保護犬を飼うのって大変? どうやって迎えるの? そんな疑問を持っている方にお届けする「お結びレポート」の第1回は、マリンちゃんと源くんという2匹の保護犬を迎えた佐藤さん夫妻を紹介します。保護犬ならではの幸せエピソードに、筆者も心がじんわり温かくなりました。

疑問や不安の解消は経験者に聞いてみるのが一番! 保護犬から飼うことを検討している方は、ぜひご一読ください。記事内にある2匹の動画はかわい過ぎて悶絶ものですよ。そして皆さんの周りに「ペットを飼おうかな?」と考えている方がいたら、ぜひ里親という選択肢があることも教えてあげてください。

源くんが家族に出会えるまで

ブリーダー崩壊(※1)によって保護されたシーズーの源くん。預かりさん(※2)として源くんを保護したNPO法人「Wonderful Dogs」の加藤さんによると、保護当時の源くんはボロボロで、反応も乏しかったそうです。源くんは目の病気を持っていたため保護した時は目やにがひどく、1日に3回以上の目薬など丁寧なケアを必要としていました。

※1:ブリーダーが経営難をはじめとしたさまざまな理由で事業継続できなくなり、繁殖犬猫やその子どもたちが適正に飼養できていない状態を「ブリーダー崩壊」と呼びます。
※2:新しいおうちがみつかるまで、保護団体のシェルターで暮らす保護犬保護猫もいますが、多くは「預りさん」と呼ばれるボランティアスタッフのおうちで暮らしています。

しかし保護団体にいるワンちゃんたちと遊び、加藤さんの愛情あるケアやさまざまな人のサポートもあってどんどん元気に。そして保護犬保護猫と飼いたい人のマッチングサイトOMUSUBIを通し、佐藤さん夫妻からお見合い希望がありました。

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すっかりリラックスし爆睡中の源くん

源くんを迎えるきっかけは、先住犬のマリン

佐藤さん夫妻は昨年、もともと飼っていたシーズーを看取り、保護団体からマリンちゃんというシーズーを迎えました。マリンちゃんは多頭飼育崩壊からレスキューされた保護犬でした。

    佐藤さん:SNSやテレビの特集で殺処分の問題や保護犬の存在を知り、いつか保護犬を迎えたいと思っていました。本当はシニアの子を迎えたかったのですが、看取ったばかりですぐにあの辛い日々を送る気にはなれず……。でも保護犬を迎えることはできると思ってマリンを迎えました。

マリンちゃんは最初のころ甘え方を知らず、ぎこちない素振りをすることもあったそうです。佐藤さん夫妻は、多頭飼育で多くの犬に囲まれて生活していたマリンちゃんのためにパートナーを探すことにしました。そして里親募集サイトOMUSUBIWonderful Dogsが保護していた「源くん」に出会います。

おむすび保護犬情報
OMUSUBIに掲載されていた頃の源くん

先住犬マリンちゃんとラブラブの源くん

マリンちゃんは抱っこがまだ苦手なようで、取材中も佐藤さんの膝の上でもぞもぞとアクロバティックな動きを披露していました。そんな元保護犬同士のマリンちゃんと源くんはトライアル(※)期間中からとても仲良し。2頭以上飼う時の課題である「先住犬との相性」を難なくクリアしたそうです。

保護犬保護猫を迎える際は、事前に「トライアル」と呼ばれる1〜2週間ほどの試し飼い期間があり、家族との相性や先住犬猫との相性、飼育環境の確認などが行われるのが一般的です。

おむすびレポート
トライアル中の源くん(左)とマリンちゃん

    佐藤さん:トライアル中は団体の方に写真を送ったり様子をお知らせしたりするのですが、もうかわいくて、「逆に迷惑かな?」ってくらい送ってしまいました。源は私たちには見向きもしないで、先住犬のマリンの後をずっと追い掛けてました。今では2匹愛し合ってますね……(笑)。

    源を迎えるためには「先住犬ありきですよ」と団体さんから言われていたので、マリンとの相性がよくて安心しました。源は生後4カ月くらいだったのもあって、大好きなマリンにかまってかまって状態で。家の中がドッグラン状態です。

  • 源ちゃん「起きて一緒に遊んで〜」
  • 源ちゃんのかまって攻撃

トライアル期間の忘れられない表情

マリンちゃんと源くんは、トライアル期間に課題になりがちな相性の問題を一瞬でクリアしましたが、中には相性や飼育環境の問題で保護団体に戻ってしまう保護犬保護猫もいます。

    佐藤さん:源はトライアルに来たとき子犬だったというのもあって、特に緊張した様子はありませんでした。でもマリンがトライアルにきたときの表情は今でも覚えています。ワンちゃんって(トライアルで)自分が気に入ってもらえるかどうかが大事だって、分かっているんでしょうかね……。不安そうな表情がすごく切なかったです。トライアルを経て戻されてしまうワンちゃんの気持ちを思うと、安易な気持ちではトライアルをしないで欲しいなと思います。

    多頭飼育出身のマリンは人との接し方に迷っている感じがあって、抱っこをさせてくれるまでに時間が掛かりました。源は私たちのそばに来て甘えてくるんですが、マリンはそれを見て甘え方を覚えるのかもしれないですね。今では源もマリンも「僕も私も!」という感じでベッドで一緒に寝たり、甘えてきたりしてたまらなくかわいいです。犬同士で学び合う姿を見ていると、2匹迎えてよかったと思います。

おむすびレポート
抱っこされて安心している源くん

保護犬を迎えるのも2匹飼うのも初めての佐藤さん夫妻。とても嬉しそうに新しい生活について語ってくれました。

    佐藤さん:2匹ともすごく仲良しなのですが、ご飯の時だけは離して食べさせるようにしています。源は生まれたばかりのころ、気まぐれに食事を与えられていた経験があるからかな……。目の前のご飯を一気にガーッと食べてしまってマリンの食べようとしてしまうんです。トイレを覚えるのは時間が掛かりましたが、少しずつできるようになっていたので大変だとは思いませんでした。マリンの行動に習ったりするんでしょうね。2匹いるほうが1匹より楽かもと思います。

    源についてはもともと目の具合が良くなかったので、見えなくなったらどうやって飼ってあげればいいのか不安でした。でも今の感じだと失明までにはならないと思いますし、もう気にしていないです。「保護犬だから飼いにくい」なんてことは全然ないと思います。

「保護犬のすべてをどーんと受けとめてほしい」

Wonderful Dogsで源ちゃんを保護していた預かりボランティアの加藤さんにもコメントを頂くことができました。

    加藤さん:この度はシーズーの「源」のご縁をお結びくださいまして誠にありがとうございました。佐藤様ご家族には源をあたたかく迎え入れてくださいました事、心より感謝申し上げます。源の預かりボランティアをさせていただいておりましたNPO法人Wonderful Dogsの加藤と申します。

    OMUSUBIさんのHPからご応募があった後一度、ご夫婦で源にお会いいただいたのですが、その時すでにお互いに相思相愛となっていたご様子でした(笑)。今ではすっかり見違えて堂々として立派な源ですが、ここまでの道のりは大変な事も多かったと思います。

    まだまだ保護犬の中でも「健康な若い犬」ばかりにご応募が殺到してしまい、少しでも体に悪いところがある子や高齢の子は全く見向きもされない事もとても多いです。たとえば、犬を飼っていた時に病気を看病したご経験や、介護のご経験がある方が疾患を抱えている子たちの保護を検討してくださいましたら、こんなに嬉しい事はありません。

    保護犬には各々「実家」のような預かりボランティアさんがついています。私自身もいろいろと相談できたり、悩み事を共有できたり、嬉しい事は同じくらい喜び、悲しい事は同じくらい悲しむ……そんな存在でありたいと思っています。源のように「もし片目が治らなくても良いよ! だってこんなに可愛いんだから!」と、その保護犬のすべてをどーんと受けとめてくださるご家族が増えて、保護犬たちが1匹でも「家族の一員」として大切に受け入れていただけますように心から願っております。

「ペットを飼う」に新しい選択肢を

佐藤さん夫妻は仕事が忙しく、お二人とも土日休みではないため譲渡会への参加が難しい状況でした。それでも、「保護犬を迎えてあげたい」と、ご家族でいろいろ調べられたようです。旦那さんは2匹の面倒を見られるのかと不安もあったそうですが、実際に暮らし始めるとかわいくて仕方がないご様子でした。取材スタッフを警戒して佐藤さんにヒシッとしがみつく源くんの姿を見ていると、日頃から大事に大事に守られ、かわいがってもらっている様子が想像できました。

犬と人間はパートナーとして数万年もの長い歴史を歩んできました。人間が生み出した歪みに耐えるしかない犬たちの現状を変えてあげられるのは、人間だけです。里親になるのはペットショップで買うのに比べれば簡単なことではありませんが、犬を家族に迎えるというのも決して簡単なことではありません。保護団体さまと相談して、お見合いをして、トライアルもして、その中で家族になれるかを確かめるというのはとても大切なことです。ペットを迎えたいと思ったら、まずは皆さんとご縁があるかもしれない保護犬保護猫たちがいないか探してみませんか?

OMUSUBI

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