【獣医師執筆】猫は卵を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫は卵を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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猫は卵を食べても大丈夫です。卵には、タンパク質やアミノ酸、脂肪酸が多く含まれています。一方で生卵やアレルギーなど、与える際に気を付けたい注意点も多いです。今回は卵の栄養やアレルギー症状などの注意点を紹介します。

猫は卵を食べても大丈夫

卵

猫は卵を食べても大丈夫です。卵はタンパク質が豊富で筋肉の成長をサポートしたり、皮膚や毛質を良くしてくれます。一方で、鶏卵のカロリーは1個91kcalと高めです。脂質も多く、飽和脂肪酸は摂り過ぎると血液内のコレステロールを増やすため、食べ過ぎは肥満につながってしまいます。

猫に卵を与える場合は、少量程度をキャットフードに混ぜて与えてあげるようにしましょう。また、卵豆腐などの加工品には、猫にとって有害な成分が含まれる可能性もありますので注意しましょう。

猫に卵を与える頻度や量

卵

タンパク質や脂質が多いため、与え過ぎは肥満やメタボリックの原因になります。そのため、主食ではなくおやつなどで1日多くても1個くらいが目安でしょう。毎日食べさせても悪影響があるわけではありませんが、最初は少量からスタートし、猫にとってどのくらいの量が適量なのかを知る必要があります。

与えていい量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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猫に卵を与える際の注意点

生卵

生卵を与えるのはやめましょう。注意点は以下の通りです。

サルモネラ菌

生卵と言えば、サルモネラ菌を思い浮かべる方も少なくないかと思いますが、日本においては生食を想定されて販売されているため、市販されている生卵にサルモネラ菌が含まれている可能性は極めて低いと言えます。日本以外では生卵で食べることが少ないため、サルモネラ菌には注意が必要でしょう。

ビオチン不足

卵の白身(卵白)にはアビジンという物質が含まれており、腸内でビオチンと結合します。これが水に溶けないため、腸管から吸収されずに排泄物と一緒に排泄されます。こうしてビオチンが不足すると、以下のような症状を起こす可能性があります。

  • 皮膚のトラブル
  • 疲労
  • 脂肪の代謝障害

前述した症状が起こることは非常にまれですが、一般的には卵は卵黄のみにして加熱した状態で与える方がよいでしょう。卵焼きやスクランブルエッグで与える場合はノンオイルで調理してあげてください。卵豆腐は、卵以外に塩分が多く含まれている可能性があるため、卵だけで与えることがベターでしょう。卵ボーロは糖分に気を付けるようにしましょう。

卵の殻

卵の殻自体に害はありません。手作りごはんの際に、カルシウム源として添加できます。その際は必ずボイルして殺菌したものを粉末にして与えてあげましょう。

調味料は一切使わない

卵をボイルするなどして加熱して与える場合、バターや塩、その他調味料は使用せず、そのままの状態で与えるようにしましょう。健康を害する成分が含まれているためです。

アレルギー

猫に卵を与える際に気を付けたいことは、アレルギーです。卵にはアレルギー成分が含まれており、アレルギーの猫が卵を食べるとアレルギー反応を起こしてしまう可能性などもあるので、猫に与える時には少し注意してあげる必要があります。

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。




喉に詰まらないように注意

卵を丸ごと与えると猫に、勢いよく食べて喉に詰まったり、咀嚼が足りず胃腸の負担になったりしてしまう可能性があります。そのため、ダイス状にカットしてあげたり、細かくしてあげて与えてあげましょう。

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