猫は飛行機に乗ることができる? 耳抜きの心配や航空会社の規定について解説

近年身近になった飛行機。帰省などで使いたい方も多いと思いますが、耳抜きやトイレ、料金など不安なことも多いですよね。新幹線とどちらにするか悩む方もいるのではないでしょうか。今回は、猫を飛行機に搭乗させる際のリスクや大手航空会社各社の規定についてご紹介します。

猫は飛行機に乗ることができる?

条件を満たしていれば受け入れている航空会社もありますが、会社によってそれぞれ規定が異なります。特に、真夏は熱中症、冬は凍傷の恐れがあることから猫の受け入れを行なっていない会社もありますので、夏休みや冬休みに飛行機での旅行を考えている方は事前に確認してください。


搭乗する猫の扱い

例外を除き猫は受託荷物として扱われます。客室へ連れて行くことはできません。ケージやクレートごと預けたあと、貨物室に入れて運送されます。貨物室の中は一般に公開されておらず、離陸後は乗務員でも見ることができないエリアなので、完全に無人の状態で長時間放置されることになります。

乗ることができない猫

手に抱えられた子猫

貨物室は生き物が過ごすことを前提として用意された場所ではありません。猫によっては乗せることが認められていなかったり、乗せると命が危険な場合があります。航空会社の規定に具体的に明記されていなくても、愛猫の様子を見て飛行機に乗せることを避けるなど、飼い主さんがきちんと正しい判断をできるように知識を身につけておきましょう。

短頭の猫種

ペルシャ猫ヒマラヤンエキゾチックショートヘアバーミーズなどのように鼻が短い短頭種は、熱中症や呼吸器官へ悪影響を及ぼす可能性が高いため飛行機に乗せることはできません。過去に短頭種の動物が機内で死亡した事故も起きているため、ほとんどの航空会社で搭乗が拒否されています。


病気がある

飛行機の貨物室の環境は過酷です。乾燥しているだけでなく気圧や気温の変化も激しく、普段は発症しない疾患も発症しやすくなります。万が一のことがあってもすぐに駆けつけて処置をすることができないので、病気がある猫のフライトは完治してからにしましょう。

子猫・高齢

生後5カ月未満の猫と、7歳以上のシニア猫は免疫力や体力がないため、長時間フライトで受けるダメージが大きくなってしまいます。普段元気に過ごしていても機内では何が起きるかわからないので、子猫やシニアの猫を飛行機に乗せることは選択肢から外しましょう。

2匹以上の猫を預ける

航空会社ではペットの頭数ではなくケージの数ごとに料金が設定されていることが多いですが、2匹以上預けるときには猫1匹につき1つケージを用意します。

長時間のフライトは想像以上にストレスフルな環境なので、たとえ仲のいい猫同士であっても2匹を同時に狭いスペースに入れることは危険です。航空会社の規定になくても1つのケージには1匹のみ入れるようにしてください。

また、乗客1人につき預けるケージは1つに限られていることもありますので、航空券購入前に確認しましょう。

機内での猫のトイレは設置できる?

預けるケージのサイズが定められているので現実的にはトイレの設置は難しいです。給水ポリマーなどでできているシートを敷いて、空間を少しでも衛生的に保つようにしましょう。

猫は耳抜きすることができる?

猫も人間と同じように、気圧の変化によって耳がキーンとなります。そのとき猫が自分で意識して耳を抜くことはできませんが、あくびをしたり水を飲むことで自然に耳が抜けることがあります。ほかにも何かの拍子に耳が抜ける可能性はありますが、飼い主にできる有効的な対策はありません。猫を飛行機に乗せる際には少なからず苦労を強いてしまうことを覚悟してください。

猫と飛行機を利用する際の流れ

猫飛行機_空港

国際線と国内線でも違いがあります。国際線の方が複雑なので、時間に余裕を持って手続きをするようにしましょう。

【国際線のみ】入国条件を確認する

猫が入国する際には、マイクロチップの装着や予防接種などの証明や入国許可証が必要になってきます。これらは各国の在日本大使館などで確認することができます。各証明書の言語や入国許可証のフォーマットも国により異なりますので、必ず事前に確認しましょう。

【国際線のみ】検疫を受けさせる

日本を出国する際は動物検疫所で検疫を受け、輸出検疫証明書を発行してもらう必要があります。出国の7日前までが目安となっていますが、入国する国によって申請時期が異なる場合もあります。

同意書にサイン

「フライト中に猫が怪我・死亡しても航空会社は責任を負わない」という旨の同意書にサインする必要があります。少し不安が募る、猫を受託荷物として預けることへのリスクの大きさを感じる同意書です。

猫を預ける

航空会社の規定に沿ったケージに入れて預けます。普段使っている毛布やおもちゃを入れることは可能です。

夏場、温度を下げるために保冷剤を入れてもいいですが、長時間フライトの場合は保冷剤が温まって逆効果になったり猫が噛みちぎってしまう可能性もあるので、安全が保証されているもののみにしましょう。


【国際線のみ】検疫を受ける

これは目的の国についた際に受ける検疫です。日本出国前は飼い主が動物検疫所検疫に猫を直接連れて行きますが、別の国に入国する場合には自動的に検疫を受けることになっている国が多いです。

国によっては何日・何週間もの時間を要する場合がありますので、おおよその所要日数を確認しましょう。

猫を受け取る

国際線の場合は、着陸後に送られた検疫所にて受け取ります。国内線の場合は到着ロビーにある荷物受け取りエリアでの受け取りが多いです。

大手航空会社の料金や規格

日本の大手航空会社の中でも規定が異なります。国際線・国内線に分けてご紹介します。いずれも場所の確保のため事前に連絡をする必要があります。

ANA

国内線

  • ケージ
    • 個人で用意したペットケージか、貸し出し用ペットケージ
    • 個人のペットケージの場合は、IATA(国際航空運送協会)の規定に適合したプラスチックや金属製のケージ
    • サイズはペットがケージの中で立つ、座る、寝そべる、回転できるなど、十分に動けるスペースがあるもの
  • 料金
  • 貸し出し用のペットケージのご利用有無にかかわらず、ペットケージ1個につき1区間あたり 6,000円(一部区間は4,000円)
  • 特筆事項
  • 5月1日から10月31日の期間は、ペットケージに保冷剤、給水器を取り付けるサービスを申し込むことができます。

国際線

  • ケージ
    • 飛行機1機につき3檻まで
    • 個人で用意したケージの3辺(縦・横・高さ)の和が292cm(115インチ)、もしくはペットとコンテナの総重量が45kg(99ポンド)が以内
    • 硬い材質を使った丈夫かつ底面から水漏れしない構造、ドア以外の3面に通気口が設けてある、安全ロック付き、ドアの内側に適切なエサ入れの箱または皿や、給水器が付いているケージ
  • 料金
  • ペットケージ1個につき1区間あたり25,000円〜40,000円

JAL

国内線

  • ケージ
    • 個人で用意したペットケージか、貸し出し用ペットケージ
    • ペットと他の受託手荷物を含め、合計100kgまで
    • ペットとクレートの合計重量は32kg以上まで
  • 料金
  • ペットクレート1個1区間あたり3,000円~6,000円
  • 特筆事項
  • 乗り継ぎがあり、乗り継ぎ時間が長い場合はペットに食事や水を与えることができます。出発空港で預ける際に必ず申請しましょう。

国際線

  • ケージ
    • ペットが立ち上がったり横になったり、動き回ったりすることが可能な大きさのもの
    • 硬質プラスティク製かグラスファイバー、木製などの強い素材であり、水漏れしないもの
    • 換気が十分にできるもの
    • 底面以外が金網状または格子状となっている鳥かごタイプのクレートは不可
    • ペットが外に出られないように施錠できるもの
  • 料金
  • チェックイン時にサイズなどを図ってからの提示
  • 特筆事項
  • 飛行機に搭載できるクレートの数には制限がありますが、飛行機の種類によってサイズやクレート数が異なるので問い合わせる必要があります。

スカイマーク

国内線

  • ケージ
    • 個人で用意したケージか貸出用ペットケージ
    • サイズは51cm×69cm×48cmまで
    • ケージペットとケージの重さの合計32kgまで
  • 料金
  • ペットクレート1個1区間あたり5,000円

猫が飛行機に乗る際のリスク

クレートの中の猫

猫はもともと移動を好まない動物です。実は車などでの移動でも大きなストレスを感じる猫はとても多いので、さらに飛行機となると、経験したことのない環境に置かれた不安や恐怖で体調を崩す可能性も考えられます。搭乗前に同意書へのサインが必要なことからもわかるように、猫が飛行機に乗る際には多くのリスクが伴うことを知っておきましょう。

気温や湿度、気圧の変化も大きいため体力の消耗も激しく、精神的なストレスだけでなく肉体的にもさまざまな問題を引き起こすことへの配慮もしてあげる必要があります。

飛行機と新幹線の違い

新幹線と飛行機の一番の違いは、客室に猫を連れて行くことができる点です。客室に連れて行くとなると周囲の乗客に気を使ったり荷物が増えたりと、飛行機では気にする必要のないことに配慮しなければなりませんが、足元のキャリーケースの中にいる愛猫を見守りながら旅ができる安心感は全てのデメリットをかき消すくらいのものと言っても過言ではありません。

喉が乾く時間帯に水をあげることもできますし、パニックになってしまったときに近くにいれば落ち着かせることもできるなど、考えられるメリットはとても多いです。最近では飛行機よりも新幹線のチケットの方が高いこともよくありますが、移動にかかる時間の差が数時間程度なら、猫のためにも飼い主さんのためにも新幹線を選ぶことをおすすめします。


旅行なら新幹線かペットホテルの利用も検討しよう

フライトは何か事情を抱えた猫だけでなく、元気で健康な猫にとっても大きな負担となります。少し時間がかかっても陸路での接続があるなら、ほかの交通手段を検討した方がいい場合もありますし、ペットホテル等に預けるなどの手段もあります。

本当に仕方がない場合以外は飛行機にこだわらず、猫の健康を第一に考えたプランを組み立てましょう。

Share!