猫の尿から甘いにおいがした場合に考えられる原因や病気を獣医師が解説
猫の尿は、基本的にアンモニア臭のようなキツいにおいがします。甘いにおいを感じたら、尿の成分に糖分(グルコース)が多く含まれているということが考えられます。今回は白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が猫の糖尿病について解説します。
猫の尿から甘いにおいがした場合は糖分が原因
通常、糖分は尿の生成過程において、腎臓の尿細管で100%再吸収されますが、これが尿と一緒に排出されるということは、さまざまな可能性が考えられます。
猫の尿から甘いにおいがする場合に考えられる原因と病気
糖分の摂りすぎ
最も多く考えられるのは、糖分の摂りすぎによるものです。糖分の多い食べ物、あるいは飲み物を摂取してしまった際に生じます。この場合は、飼い主の方の不注意や猫の盗食によって起こることが多いです。糖尿病
また、糖尿病である可能性もあります。必要な糖分が細胞内に取り込めなくなり、その糖分が尿に排出されてしまう病気です。糖尿病が進行すると、吐いたり、下痢になったり、ひどい脱水になることもあります。
代謝異常から体内にケトン体という酸性物質が蓄積し、体液が酸性に傾くケトアシドーシスという状態になります。そうすると、意識障害を起こしてフラつくといった症状も出てきます。
その場合は命にかかわる可能性もあるので、動物病院で診てもらいましょう。
泌尿器疾患
膀胱炎や腎臓病でも尿糖が検出されることがあります。過度なストレス
過度なストレスや興奮によっても尿糖の検出が確認されることがあります。猫の尿から甘いにおいがした場合は冷静な応急処置が大切
ペットが健康な状態を維持するためには、獣医師が最善の治療をすることはもちろん、飼い主の皆さんがペットの異変を察知することが必要です。
しかし、動物の病気を判断することはとても難しいことです。ペットへの知識を増やせば、最悪の事態を防ぐ手助けになることは間違いありません。