【獣医師執筆】猫がニラを食べるのはNG!理由や食べた場合の対処法を解説
さまざまな料理の食材として人気のニラ。猫にとっては食べてはいけない食べ物の一つです。しかし外見が猫草と似ていることから、誤食をしてしまう危険性も高い野菜です。ニラによる中毒症状の特徴などはしっかりと把握しておき、猫が登れるテーブルやキッチンに放置しないように気を付ける必要があります。今回はニラが引き起こす中毒の特徴や、万が一食べてしまった時の対処法を紹介します。
猫がニラを食べてはいけない理由
猫にとってニラは重度の貧血などを引き起こす可能性のある食材です。最近では手作りのフードを与えてペットの健康維持に気を配る飼い主さんも増えてきましたが、猫と人間の体の構造は全く異なります。人間が食べているの食材の中には猫の体に悪影響を与えるものもたくさんあることをしっかりと認識しておきましょう。
ニラの成分
ニラは緑黄色野菜の一つで豊富な栄養素を含んでいます。しかしニラが含有する硫化アリルという成分は、摂取してしまうと赤血球を破壊してしまい、重度の貧血を引き起こしてしまいます。この成分は焼いたり煮たりしても壊れないので「熱を通したから大丈夫!」というわけではありません。猫がニラを食べた場合に考えられる症状
貧血は最悪死に至る可能性もあるので、軽視せずすぐに獣医師に診せましょう。
主な症状
- 下痢や嘔吐
- 血色素尿
- 重度の貧血
- 痙攣
アレルギー症状が出ることも
食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。
猫がニラを食べてしまった時の対処法
ニラを誤食してしまった場合はすぐに動物病院に行くことが好ましいです。
しかし時間帯や愛猫の様子によってはまず電話で獣医師の指示に従うことも良いでしょう。決して素人判断で「大丈夫そうだから」と放置してはいけません。ニラの場合は数日後に症状が現れる可能性があります。
ニラは猫の手が届かないところに保存しましょう
猫はジャンプ力があるので「目を離した隙に食べられてしまった!」ということもあると思います。猫が入ってはいけない場所には簡易的な扉を付けたり、食材に蓋を被せておいたりするなど、工夫をしてみましょう。
万が一猫が食べてはいけない食べ物を食べてしまった場合は様子を見ることも大切ですが、「念のため」と早めに病院に電話をして状況説明などをすることも大切です。
なお、本稿は以下の情報を参照して執筆しています。
- 日本ペット栄養学会(2014)「ペット栄養管理学テキストブック」
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