猫のひげはどんな役割がある?抜ける理由や幸運と呼ばれる理由を解説!
猫にとって「ひげ」は大切なセンサーのような器官であることは、猫好きの方なら聞いたことがある人も多いと思います。猫のひげは全部で5ヶ所に生えていますが、それぞれがどんな役割をしているかご存じですか? 今回は猫のひげの役割やひげから感情を読み取る方法などについて詳しく紹介します!
猫のひげが持つ役割
人を始めとする動物は五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を用いて、外の世界を認識しています。触覚に焦点を当ててみると、人間にとって触覚の受容器官は皮膚全体にあたります。
それに対して、猫の触覚の受容器官の大半は「肉球」と「ひげ」に集中しています。猫のひげはとても敏感で、人間の毛幅の2000分の1が動いただけでも瞬時に察知する能力を備えています。
猫のひげは鼻の横だけに生えているのではありません。「目の上」「頬骨のあたり」「口元の横」「あごの下」と顔に4カ所、前脚に1カ所のひげが生えています。「猫のひげはセンサーのような役割をしている」ということは聞いたことがある人もいるかと思いますが、猫のひげは生えている場所に応じて、役割が違います。
- 眉上毛(目の上) 目の上に何か障害物があれば、素早く察知する。
- 頬骨毛(頬骨のあたり) 狭い所が通り抜けることができるかどうかを判断する。
- 上唇毛(口元の横) 獲物が新鮮かどうかを判断する。
- 下唇毛(あごの下) 姿勢を低くして歩く際に喉を傷つけないようにする。
- どう毛(前脚のあたり) 獲物を捕まえたり、障害物を察知して踏まないようにしたりする。
猫が生まれて間もない頃に子猫の目や耳はほとんど発達していませんが、ひげは完璧に機能しています。また、ひげに損傷がある猫は夜間に獲物を捕獲することが難しいといわれているほど、猫にとってひげは非常に重要な器官の一つなのです。
猫のひげは何本あるの?色や長さは?
猫のひげは左右合わせて、50〜60本あります。猫のひげの色は、猫によってさまざまです。根元が白くて先の方になると黒い子もいますし、黒と茶色が混じっている子もいます。
個体差がありますが、ひげの長さは約10〜12cmが平均的な値です。ちなみに、ギネスに登録されている「世界一ひげが長い猫」は19cmだそうです。
猫のひげが抜ける時はどうしたらいい?
猫のひげは、体毛が長く、太く、固く、進化したようなものです。そのため、ひげが抜けることは普通のことです。
ただし、一気に何十本も抜けてしまう時は病気にかかっている恐れがあります。愛猫の異常を感じた際はすぐにかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。
猫のひげから感情が読み取れるって本当?
猫のボディーランゲージは尻尾や鳴き声だけではありません。猫のひげからも感情を読み取ることができるといわれています。
10時10分の方向
猫のひげが斜め上(10時10分の方向)を向いている時は、猫が上機嫌の時です。
真横を向いている
猫のひげが真横を向いている時は、リラックスしている時です。猫のひげがすべてダラっと垂れてしまっている時は、猫が体調不良を訴えている可能性があります。
顔を包んでいる
猫のひげが顔をワサっと包んでいる時は、猫が興奮または緊張している時です。
猫のひげを保管しておくとお守りになる?
招き猫は幸福を呼ぶ象徴として知られていますが、「招き猫の発祥の地」は東京の世田谷区にある「豪徳寺」というお寺だといわれています。
猫は幸せを呼ぶ存在
「豪徳寺」は元々「孔徳庵(こうとくあん)」という名前の人の気配があまりないお寺でした。今から約300年前、彦根藩の当主であった井伊直弼(いいなおすけ)はタカ狩りに出掛けていました。その帰りに、孔徳庵の横を通りかかると、寺の中にいた猫が井伊直弼を手招きするような仕草をしたため、お寺の中に少し立ち寄ることにしました。
直弼が寺の住職と話をしていると、空の色がたちまち暗くなり、雷雨になりました。猫のおかげで直弼が災害を逃れることができたことから、猫は幸福を呼ぶ存在として崇められるようになったのです。
財布に入れておくとお守りになる?
猫の一部である「猫のひげ」を身につけておくと、魔除けやお守りになるといわれています。また、お財布に入れると金運アップの効果もあるそうです。ただし、猫にとってひげは大切な感覚受容器官です。抜いたり、切ったりするのではなく、あくまで自然に抜けるのを待ちましょう。
猫のひげを理解して愛猫との暮らしを豊かに
猫にとってひげは非常に重要な器官の一つですので誤っても、抜いたり切ったりしないようにしてください。
また、ノルウェージャンフォレストキャットやラグドールなどの長毛種を飼っている飼い主さんの中には、夏になるとサマーカットをしてあげる方も多いと思いますが、ひげを切らないように細心の注意を払うようにしてください。
猫の体の特徴を理解することで、愛猫との暮らしがさらに豊かになることを願っています。