猫はお風呂が好き or 嫌い? 適切な頻度や温度、嫌がる場合の入れ方【動画あり】

猫はお風呂が好き or 嫌い? 適切な頻度や温度、嫌がる場合の入れ方【動画あり】

猫はお風呂に入れたほうがいいのでしょうか? 毎日のようにお風呂に入る人間からすると、「猫はお風呂に入らなくても大丈夫!」と言われても、「本当に必要ないのかな〜?」と不安になってしまうものです。そこで今回は、猫がお風呂に入らなくてもいいと言われる理由や、必要があって入れるときの方法について解説します。

猫はお風呂が好き? 嫌い?

猫はお風呂が好きなのか嫌いなのか。一般的に「猫は水に濡れるを嫌う」と考えられていますが、嫌いな猫もいれば好きな猫もいます。実際のところ猫に聞いてみないとわかりません。……ということでは話が進みませんので、猫の歴史や習性、体の構造から答えを探ってみましょう。


猫が水を嫌う理由

皆さんはびしょ濡れになった犬がブルブルと体を震わして水を飛ばす様子を見たことがありますよね。猫も同様にブルブルするのですが、猫の被毛は犬より脂が少なく、犬ほど水を飛ばせません。びしょ濡れになった猫が小さく見えてしまうのは、被毛が水を吸収してふさふさ感が無くなってしまうからです。

スコティッシュフォールドのきなこちゃん スコティッシュフォールドのきなこちゃん
スコティッシュフォールドのきなこちゃん、いつもはこんなにふさふさです!
Photo by kina_koyukiさん Thanks!

猫の祖先は砂漠の多い中近東に生息しているリビアヤマネコです。砂漠では昼と夜の寒暖差が激しいため、濡れた体が乾かないまま夜を迎えてしまうと大変です。猫は家畜化された歴史が犬よりも浅く、リビアヤマネコの習性が強く残っていますので、いまだに「濡れるな危険」という意識が強いのだと考えられています。


ネコ科動物は水浴びが好き?

では、他のネコ科動物も水に濡れるのが嫌いなのでしょうか? アメリカのネコ科動物専門レスキュー団体「Big Cat Rescue」が、ネコ科動物は水が好きか嫌いかを試すために実験した動画をYouTubeで公開しています。

屋外に用意された子ども用のプールの前に現れたのは、シベリアンリンクス(オオヤマネコ)、ヒョウ、オセロット、サーバル、クーガー(ピューマ)という5種類の大型ネコ科動物たちです。どの動物たちも、プールを見つけて恐る恐る近付き、恐る恐る足を水につけてみます。慣れるとテンションも上がって、まんざらでもない様子。オセロットにいたってはプールの中で開放的になったのか、おしっこをし始めてしまう始末です。最後はクーガーによってプールが破壊されてしまいました。


ちなみに同じネコ科のトラやジャガーは川を泳いで渡ることがあり、その距離は長いときで数キロにもおよぶそうです。

川を泳ぐトラ

泳ぐのが好きな猫種

ほとんどの猫が水を嫌う一方で、泳ぐのが大好きという変わった猫種もいます。それはターキッシュバンです。ターキッシュバンはトルコ出身の猫で、バン湖という湖で水浴びをしているところをイギリス人の写真家に発見され、世界に知られる存在になりました。

ターキッシュバンは他の猫に比べて被毛に多くの脂を含むため、被毛の防水性が高いという特徴を持っています。また、ベンガル猫も水遊びが好きな猫種です。



その他にも、猫種に関係なくお風呂が好きな猫ちゃんもいます。例えば、ロシアンブルーグリル君(2009年生まれ)は、シャンプーから長風呂まで楽しむほど。猫界の常識をくつがえすお風呂大好きっ子です!

お風呂に入るロシアンブルーのグリル君
Photo by pachicoさん Thanks!

猫はなぜお風呂についてくるのか

濡れるのが嫌いでお風呂も嫌がる猫ですが、なぜかお風呂場を掃除したり、お風呂に入ったりしていると覗きに来ます。実は猫もお風呂に入りたいのでしょうか? この「猫がお風呂についてくる」ことの理由としては、大きく「好奇心」と「飼い主さんが大好き」という二つが挙げられます。

お風呂場もパトロール

室内で暮らす猫にとって、自分の縄張りは家の中です。猫の飼い主さんは、愛猫から「部屋の扉を開けろー」と執拗に要求されたことがあると思いますが、猫は縄張りを定期的にパトロールをしないと不安になってしまいます。当然お風呂場もパトロールの対象地域ですので、明かりがついたり、扉が開いているときは危険がないかを確認しなければ気が済まないのです。

飼い主さんが大好き

野生の習性を残し、単独行動を好む猫ですが、個体によっては人が大好きで、「いつも飼い主さんと一緒がいい!」という子もいます。そういう子たちは、「大好きな飼い主さんがいつもと違う部屋に入っていつもと違うことをしてる! 何してるんだろう!」と好奇心や愛情でお風呂場についていくことがあります。

ただし、一つ気を付けなくてはいけないのが、飼い主さんへの思いが強すぎて「分離不安」になってしまうことです。病気のレベルまでいってしまうと、お留守番のときなど飼い主さんがいないストレスや不安で、「鳴き続ける」「噛む」「トイレに失敗する」といった問題行動につながる場合があります。注意してください。


猫はお風呂に入れなくて大丈夫?

猫は何か特別な理由がない限りお風呂(シャンプー)に入らなくても大丈夫です。特別な理由としては、

  • 皮膚病治療の一環として獣医さんに指示された
  • エリザベスカラーをしていたら体が汚くなった
  • お尻の回りが汚れていて綺麗に取れない
  • 自分で体をなめるのが得意ではない
  • 病気ではないけど、どうも臭う
  • お風呂に入るのが好き
といったことが挙げられます。基本的に猫はお風呂を嫌いますので、飼い主さんの「猫もお風呂に入るべきだ」といった思い込みや「お風呂に入れたい」といった勝手な思いで嫌がる猫を無理に入れようとするのはやめましょう。

なぜ猫はお風呂に入らなくていいの?

猫は犬と違って、自分で自分の体をなめて綺麗にすることができます。体が柔らかいため、ほぼ全身をなめられ、直接なめられない顔も器用に手を使って洗ってしまいます。そのため、飼育環境の臭いや口臭はあっても、体の臭いというのはあまり感じたことが無いはずです。これは野生の本能として「体が臭うと天敵に襲われる」という意識があるためです。

皮脂が多い猫種はお風呂が必要かも

猫種によってはお風呂やシャンプーが推奨される猫たちもいます。長毛種はシャンプーが必要そうなイメージがありますが、それより毎日のブラッシングのほうが大事です。

長毛種でも毛がカールしているセルカークレックスラパーマは汚れが溜まりやすく、毛がほとんどないドンスコイスフィンクスは、皮膚がしわのように重なった部分に脂などの汚れが溜まりやすいため、他の猫種に比べればシャンプーの必要性は高いです。必ずしもシャンプーをしなければいけないというわけではありませんので、個々の状態を見て判断してください(判断に迷う場合は獣医さんに相談してください)。


毛球症対策

毛球症は胃や腸などの消化管に毛球がたまってしまうことで、ペルシャ猫ヒマラヤンなどの長毛種がなりやすいとされます。腸閉塞になって死に至る可能性もあります。シャンプーを嫌がらない子であればお風呂も予防の一つになりますが、一番はブラッシングです。定期的に毛玉を吐く子は、毎日のブラッシングを欠かさないようにしてください。


ノミ駆除

ノミの駆除・予防のためにシャンプーの効果が無いわけではありませんが、確実に駆除できるわけでもありません。ノミの駆除を目的とする場合は、シャンプーよりも駆除薬を使ったほうが確実です。


猫のお風呂の入れ方

前述した通り、特別な理由があって猫をお風呂に入れる場合は、猫が過度なストレスを感じないように入れてあげてください。猫も人間と同じように耳に水が入るのを嫌います。猫をお風呂に入れる際のポイントは、「顔を濡らさないようにすること」です。

お湯の温度はどれくらい?

人肌程度のぬるま湯で、37〜38℃が適正です。お風呂に入れる場合、よほど慣れた子でない限り、人間用の浴槽ではなく手桶や洗面台に入れてあげるようにしましょう。

いつからお風呂に入れていい?

ワクチン接種をした際は、獣医さんに相談してからお風呂に入れるようにしてください。

子猫の頃からお風呂に入れるか、大人になってからお風呂に入れるかで慣れに違いはありませんが、子猫のときのほうが飼い主さんが対処しやすいと思います。お風呂場で嫌な思い出を作ってしまうと年齢に関係なくお風呂嫌いになってしまいますので、無理をさせないというのが最も重要です。


お風呂に入れる頻度・回数

特別な理由が無ければお風呂に入れる必要はありません。お風呂を嫌がらない子であれば、1年に1回でも入れてあげれば十分です。まれにお風呂好きな子もいますが、もともと少ない脂が落ちてしまうと逆に不健康になってしまいます。好きだからといって頻繁に入れるのも避けましょう。

嫌がる・暴れて入れない場合

お風呂を嫌がる場合は、お風呂場が楽しいところだと思わせることが大事です。お湯もなく水も出さない状態にして、単純にお風呂場や洗面台で遊んでみたり、ご飯をあげたりして少しずつ慣らしてください。蛇口から出る新鮮な水を飲むのが好きな子もいますので、お風呂場の蛇口から飲ませてあげて空間に慣れさせるというのも良いかもしれませんね。

顔が水に濡れるのを嫌がる子は、エリザベスカラーをして体だけ濡らすようにするとうまくいく場合もあります。本気で暴れる場合は、絶対に押さえつけるようなことはしないでください。パニックになって爪を引っ掛けたり、走り回って骨折したり、体への負担になってしまうかもしれません。飼い主さんが怪我をしてしまう場合もあります。

なぜ猫はお風呂で鳴くの?

猫は声だけでなく匂いや行動でコミュニケーションを取りますので、猫同士で鳴き声を使ったコミュニケーションをすることはそれほど多くありません。猫が人に向かって鳴くのは、人との円滑なコミュニケーションが鳴き声だと知っているからだと考えられています。猫がお風呂場で鳴いていれば、それは飼い主さんへ向けられたメッセージです。「嫌だから鳴いてるんだな」で終わらせず、なぜ鳴いているのか気持ちを理解してあげるようにしてあげてください。



猫のためのお風呂グッズ

猫用のシャンプーから素早く乾かすための技まで、猫のためのお風呂グッズがたくさんありますので、まとめて紹介します。いくら仲良しでも人間と猫では体のつくりが違いますので、安易に人間用のものを流用するのはやめましょう。

猫専用シャンプー

猫は体の臭いを無くすために自分の体をなめていますので、シャンプーは無香料のものがいいです。人間用のシャンプーやボディーソープは香料が付いていることがほとんどです。また人間用のシャンプーは脂を落とす力が強く、猫にオススメできません。

 

お風呂や体が水に濡れるのを嫌がる子には、水のいらないドライシャンプーも販売されています。嫌がるけどシャンプーはしないといけないという場合にご検討ください。


素早く乾かすためのタオル

猫は犬のようにブルブルをして水を飛ばせませんので、お風呂から出たらタオルでしっかりふいてあげてください。猫の被毛が吸い込んだ水は予想以上に多いですので、素早く吸水させるために水泳用の「セームタオル」というタオルがオススメです。

 

ドライヤーの使い方

タオルである程度の水気をふき取ったら、ドライヤーを使って乾かします。この時、皮膚が火傷したり被毛を焦がしたりしないように温度に注意してください。同時に自分の手にも当てながら、なるべく一箇所に集中せず、ドライヤーを振るようにして風を送ると安全です。ドライヤーの大きな音を嫌がる子もいますので、いきなりターボなどの強風で乾かそうとせず、弱の風量から始めて大丈夫そうなら強くするようにしてあげてください。

基本的に、猫にお風呂は必要ありません

バスタブに入った猫

猫は自分で体を綺麗にできますので、飼い主さんが気を利かせてお風呂に入れたり、シャンプーをしたりする必要はありません。ほとんどの猫はお風呂が嫌いですので、逆にストレスになって体調を崩してしまうかもしれません。ただ、お風呂好きの子がいないわけではありません。その子の性格に合わせて、お風呂を活用するようにしてくださいね。
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