動物愛護週間はいつ?その歴史や目的、2022年の中央行事について

動物愛護週間はいつ?その歴史や目的、2022年の中央行事について

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毎年9月20日から26日は動物愛護週間です。保護犬・保護猫の認知が広がり、動物愛護という言葉も耳にする機会は増えたと思いますが、実際には「よく聞くけど実は何だか分かってない」という方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、動物愛護週間とは何か、その歴史から環境大臣表彰の動物愛護週間ポスター最優秀作品一覧まで紹介します。

動物愛護週間とは

人に撫でられる猫

動物愛護週間は法律で定められた公式の記念週間です。

1974年に施行された「動物の保護及び管理に関する法律」(1999年「動物の愛護及び管理に関する法律」に改正)の第一章第四条で、以下のように記されています。

第一章第四条 ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。
動物愛護週間は、九月二十日から同月二十六日までとする。
国及び地方公共団体は、動物愛護週間には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならない。

2022年の動物愛護週間


今年のテーマ

「子どもも大人も一緒に考えよう、私たちと動物」

犬猫たちの幸せな未来に向けて、私たちができることは何でしょうか?

全国各地の動き

動物愛護週間は「ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため」(動物愛護管理法第四条)に設けられたもので、毎年9月20日から26日にわたって全国各地でさまざまな行事が開催されます。

国や地方自治体はもちろん、動物愛護団体が開催するものまでさまざまですが、2021年も新型コロナウイルスの影響で中止となった会場も多いです。

今後も中止や規模縮小など変更される可能性があるため、参加を検討している方は該当会場の情報をこまめにチェックすることをおすすめします。

2022年の動物愛護週間中央行事


動物愛護週間に開催されるイベントの中でも、最も大規模に開催されるのが東京・上野公園を中心とした「動物愛護週間中央行事」です。

環境省や東京都のほか、日本動物愛護協会や日本動物福祉協会、日本愛玩動物協会、日本獣医師会などが実行委員に名を連ねます。

2022年は新型コロナウイルス感染症への対応により屋外行事は中止と発表されました。

屋内行事は「どうぶつ愛護フェスティバル」として、オンラインでの開催を予定しています。

どうぶつ愛護フェスティバル

動物愛護週間の歴史


動物愛護週間の歴史は古く、1927年に神奈川県動物愛護協会の前進である日本人道会が5月28日から6月3日までの1週間を動物愛護週間としたのが最初です。

その後も時期を変えて開催されています。

日本人道会による動物愛護週間の創設

最初に主導したのはアメリカ合衆国の駐在武官であったチャールズ・バーネット大佐夫人で、日本人道会の創設メンバーでした(日本人道会の創設メンバーには、国際連盟事務次長を努めた新渡戸稲造の妻メアリーもいました)。

1933年には巣鴨の少年団(戦前のボーイスカウト)が動物愛護週間に参加した記録が『自彊少年義勇団二十年史』に記されています。
本日より六月三日迄動物愛護週間に参加す。参加員五十名、例年通り巣鴨町一帯に亘り宣傳ビラ配布、牛馬に給水、給糧等の奉仕作業をなした。

1937年には動物愛護に携わった人々の表彰式が行われ、第1回の表彰者として老齢の愛馬をいたわってオリンピック競技を棄権した城戸俊三騎兵中佐や、犬のフィラリア症で功績を残した平岩米吉らが選ばれました。

※参照:日本愛玩動物協会(2017)『愛玩動物飼養管理士1級教本』


戦後、1950年に動物愛護週間が復活

第二次世界大戦後は、1949年にGHQの指示で春分の日(3月21日)に「動物愛護デー」が開催され、1950年からは21日を「動物愛護の日」として、3月18日から1週間、動物愛護週間が開催されるようになりました。

しかし、4月中旬に「鳥類愛護週間」が開催されていたことから開催日を離すため、動物愛護週間は秋分の日に移動することになりました(※)。

※参照:川村多実二(1957)「動物愛護週間に因みて」, 『経済人.』, 11(9),pp. 49 ※鳥類愛護週間も5月に移動し、現在は「愛鳥週間」として5月10日から16日までさまざまなイベントが開催されています。

動物愛護週間ポスター最優秀作品(環境大臣賞)一覧

動物愛護週間の普及と、国民の動物愛護管理に関する意識の一層の高揚を図ることを目的として、2005年度から動物愛護週間ポスターのデザイン絵画コンクールが行われています。

令和4年度(2022年)「子どもも大人も一緒に考えよう、私たちと動物」

2022年動物愛護週間ポスター最優秀作品
最優秀作品(環境大臣賞)
茂呂 丹胡さん(千葉県)

令和3年度(2021年)「私たちがつくるペットとのこれから」

2021年動物愛護週間ポスター最優秀作品
最優秀作品(環境大臣賞)
野崎 健太さん(鹿児島県)

令和2年度(2020年)「人も動物も幸せに~考えよう、共にくらす社会~」

2020年動物愛護週間ポスター最優秀作品
最優秀作品(環境大臣賞)
田中 悠さん(東京都)

令和元年度(2019年)「共に生きる~シニアペットとシルバー世代~」

2019年動物愛護週間ポスター最優秀作品
最優秀作品(環境大臣賞)
浦 覚水さん(岡山県)

平成30年度(2018年)「知っていますか?動物愛護管理法」

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最優秀作品(環境大臣賞)
稲垣 茉莉さん(愛知県)

平成29年度(2017年)「ペットも守ろう!防災対策」

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最優秀作品(環境大臣賞)
佐々木 美波さん(岩手県)

平成28年度(2016年)「譲渡でつなごう!命のバトン ~新しい飼い主さんを探しています~」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成28年度(2016年)
最優秀作品(環境大臣賞)
高吉 逞花さん(鹿児島県)

平成27年度(2015年)「飼う前も、飼ってからも考えよう」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成27年度(2015年)
最優秀作品(環境大臣賞)
大関雅子さん(千葉県)

平成26年度(2014年)「宣誓!無責任飼い主0宣言!!」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成26年度(2014年)
最優秀作品(環境大臣賞)
高吉 逞花さん(鹿児島県)

平成25年度(2013年)「捨てず、増やさず、飼うなら一生」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成25年度(2013年)
最優秀作品(環境大臣賞)
澤田 久奈さん(東京都)

平成24年度(2012年)「見つめ直して、人と動物の絆」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成24年度(2012年)
最優秀作品(環境大臣賞)
橋口 玲美さん(宮崎県)

平成23年度(2011年)「備えよう!いつも一緒にいたいから」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成23年度(2011年)
最優秀作品(環境大臣賞)
石川 恵理さん(宮城県)

平成22年度(2010年)「ふやさないのも愛」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成22年度(2010年)
最優秀作品(環境大臣賞)
木田 慶汰さん(山口県)

平成21年度(2009年)「めざせ!満点飼い主」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成21年度(2009年)
最優秀作品(環境大臣賞)
加藤 昭さん(千葉県)

平成20年度(2008年)「まもれますか?ペットの健康と安全」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成20年度(2008年)
最優秀作品(環境大臣賞)
福島 陽子さん(神奈川県)

平成19年度(2007年)「動物愛護部門」「迷惑等防止部門」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成19年度(2007年)
「動物愛護部門」最優秀作品(環境大臣賞)
西連地 麻央さん(茨城県)

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成19年度(2007年)
「迷惑等防止部門」最優秀作品(環境大臣賞)
上村 佳代さん(愛知県)

平成18年度(2006年)「動物愛護部門」「迷惑等防止部門」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成18年度(2006年)
「動物愛護部門」最優秀作品(環境大臣賞)
細原 柊香さん(東京都)
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「迷惑等防止部門」最優秀作品(環境大臣賞)
日高 朝美さん(大分県)

平成17年度(2005年)「動物愛護部門」「迷惑等防止部門」

動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成17年度(2005年)
「動物愛護部門」最優秀作品(環境大臣賞)
山崎 潮美さん(神奈川県)
動物愛護週間ポスター最優秀作品、平成17年度(2005年)
「迷惑等防止部門」最優秀作品(環境大臣賞)
長野 恭子さん(東京都)

動物の愛護と適正な飼養を考え直す機会に

猫を抱っこする女性

「動物愛護週間」は、動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めることを目的として法律で定められた、公式の記念週間です。

ぜひ動物のことを考え直す機会にしてみてはいかがでしょうか。